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星河の覇皇

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第八十五部第五章 北京宣言その三十七

「既にな」
「結婚されていますね」
「そしてどなたもお子さんが何人もおられる」
「それでもですね」
「八条家としては最も結婚して欲しいのにだ」
 家の跡継ぎであるからなのは言うまでもない。
「それでもな」
「彼だけはですね」
「独身のままだ、だから尚更だ」
「八条家としては」
「必死にそしてな」
「本気にですね」
「なった様だ、ではな」
 それではというのだ。
「後はな」
「八条家に期待しますね」
「残念だが私から言うことは出来ない」
 どう思ってもというのだ。
「他人のプライベートに積極的にかつ表立って言うことはな」
「出来ないですね」
「連合では会社の上司でもどうかと言われる」
 そうだというのだ。
「ましてや中央政府大統領となるとな」
「尚更ですね」
「言えない、だがな」
 それでもというのだ。
「内密にだ」
「八条家に協力は出来ますね」
「それは可能だからな」
「それで、ですね」
「八条家が本気なら」
 八条の結婚をそうしたいならというのだ。
「是非な」
「協力しますね」
「内密にな」
「そうしますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「彼には結婚してもらおう」
「是非共」
「そして家庭もな」
 これもというのだ。
「持ってもらおう」
「それでは」
「連合では自由恋愛が最も貴ばれる」
 キロモトは連合のこの考えも述べた。
「身分違いの恋や敵同士の恋愛もだ」
「許されますね」
「そうしたエウロパ的なものなぞだ」
 それこそというのだ。
「超えるものだ」
「ロミオとジュリエットもですね」
「幸せになるべきだ」
「まさにそれが連合の考えです」
 アッチャラーンもこう述べた、シェークスピアの作品の中でももっとも有名な作品の一つであるこの作品について。
「愛があるならです」
「身分、社会的地位はな」
「乗り越えるべきで」
「例えて期待している陣営同士でもな」
「そうしたこともです」
「乗り越えるべきだ」
「まさにそれが連合の考えです」
 アッチャラーンは言い切った。
「自由恋愛こそが」
「全く以てその通りだ」
「連合に階級はないのですから」
「誰もが同じ市民だ」
「そうです、ですから」
 それ故にというのだ。 
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