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ネトゲで知り合って

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第一章

                ネトゲで知り合って
 サラリーマンの若田部雄馬は今とあるネットゲームに夢中になっている、仕事から部屋に帰って食事と入浴を済ませると十二時までしている。
 休日はそれこそ朝から夜までだ、大学を卒業して三年二十五歳になりショートの黒髪とやや細い目に卵型の顔に小さな唇を持っている。耳は大きく背は一七一位で痩せている。
 そのゲームでだ、彼はとある人と知り合った。それでゲームの中で何度も話しているうちに親しくなった。
 それでプライベートの話もする様になったが。
「あっ、ネカマですか」
「そうなんですよ」
 相手は笑った絵文字まで入れて答えた。
「実は」
「そうなんですね」
「よく隠す人いますけれど」
 その人は自分から話した。
「僕は違いまして」
「実は男だってことはですか」
「こうしてです」
「堂々と言ってますか」
「知り合った人には」
 エルフの女魔術師のキャラでホビットの忍者の若田部に話す、当然二人共それぞれのハンドルネームでプレイしている。
「そうしてます」
「そうですか、ただ住んでるところ近いですね」
「貴方は鶴橋の方ですか」
「そうです、それで貴方は京橋ですか」
「お互い大阪ですね」
「奇遇ですね」
「ならです」 
 ここで彼の方から言ってきた。
「今度オフ会します?」
「いいですね、やりましょう」
 若田部もそれならと応えた。
「じゃあ何時にします?」
「そうですね」 
 相手も応えた、そしてだった。
 二人は天王寺のとある百貨店の前で会うことにした、待ち合わせ時間も決めた。若田部はその日その時間外出着に着替えてだった。 
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