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八条学園騒動記

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第七百三十二話 ナマケモノその五

「どうにもな」
「軍需産業はですね」
「利益になりにくい」
 それをあまり得られないというのだ。
「どうもな」
「確かに。銃なら兎も角」
 上等兵はこの武器を例えに出して話した。
「兵器はです」
「軍しか市場がないな」
「連合やエウロパでは」
「マウリアでもな」
「最近までのサハラなです」
「常に戦争がありだ」 
 そうした状況でというのだ。
「軍隊以外にもだ」
「武装組織がありましたね」
「民間のな」
「兎角戦争が多かったので」
「需要と供給が多く」
「その為にな」
 そうした状況だったのでというのだ。
「軍需産業もな」
「利益を得られましたね」
「そうだった、しかしな」
「サハラは極端な例ですね」
「戦乱に覆われた地域だったからな」
「また別ですね」
「そうだ、大抵の国はだ」
 連合やエウロパはというのだ。
「エウロパは軍備拡張と兵器の近代化を推し進めているが」
「そうですね」
「しかしな」
「市場は限られていますね」
「エウロパ軍しかない」
 エウロパでも軍事組織は国家の軍隊だけである、そして戦争も行われておらずまたその計画も存在していない。
「それではだ」
「軍以外に市場がないのなら」
「どうしてもな」
「買い手が限られているので」
「利益はな」
「限られたものですね」
「軍需産業に力を入れるよりもだ」
 それよりもというのだ。
「日用品を売る方がだ」
「利益を得られますね」
「技術と設備への投資は遥かに安価でだ」
 兵器のそれよりもというのだ。
「市場もだ」
「広いですね」
「例えば歯ブラシを売るとな」
 この商品をというのだ。
「連合だと四兆の人間が数ヶ月単位で買うのだ」
「かなりの市場ですね」
「兵器は売っても何十年かは用いられる」 
 戦争で破壊されでもしない限りだ。
「軍だけでな」
「それと比べてですね」
「日用品は誰もが使いだ」
「数ヶ月単位で売れたりするので」
「遥かにだ」
 兵器よりもというのだ。
「利益になる」
「そういうものですね」
「そうだ、特に連合の様な国ではな」
「平和で軍隊に然程力を入れていないとなると」
「市場は限られている、だからな」
 そうした状況だからだというのだ。 
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