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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)

作者:rekyunn
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第三話 にしてタイトルを考えるのが面倒臭くなっている自分はどうかと思う

 
前書き
十六夜と白雪姫の対決前の会話、短くてすいません…涙。いつか直すさ。 

 
「はっ! おもしれえ!!」

『何だと⁉』

十六夜が威勢よく人間とは思えない脚力で、首を持ち上げた大蛇の胸? 辺りまで跳躍する。そのままグーパンチ。だが、体重移動のほとんど無い一撃は、割と大きな川の中心にいた大蛇を川辺まで吹っ飛ばした。何というデタラメなパワー。

『ば、馬鹿な⁉貴様、人間では無いのか⁉』

何とか起き上がりながらも今のダメージが抜けていないらしい大蛇の前に一瞬にして現れた十六夜は川の中心に戻すようにしてフック。吹っ飛ばされた大蛇によって高い水柱が上がる。当然のように十六夜に降りかかった。因みに証は当然のように風を使って濡れるのを防いだ。大蛇は気絶したのか起き上がる気配が無い。すると十六夜が不満そうに証の方を向いた。

「おい、俺に降りかかるのも防げただろ?」

「悪い、急すぎた。乾かしてやるから」

忽ちに十六夜の学ランが乾いていく。

「おっ? 便利だなその風」

「まあな〜、…おっ?」

そんなことを話していると森の方から黒ウサギ……のはずのウサ耳少女が現れた。

「十六夜さん!証さん!ご無事でしたか⁉まったくもう!!何処まで来てるんですか⁉」

黒ウサギだったはずの少女は髪が緋色に変わっていた。

「世界の果てまでデスが?」

「………、ま、まあ良かったです。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたヨ」

「水神? …ああ、あれのことか?」

え? と黒ウサギが反応する前に十六夜が指をさした方で白い何かが起き上がった。

『まだ………まだ試練は終わってないぞ、小僧ォ!!』

いつの間にか意識を取り戻したのか水神と呼ばれた大蛇は巨大な鎌首を起こした。

「おー、意外とタフだなー」

「蛇神………!って、どうやったらこんなに怒らせることができるのですか十六夜さん⁉」

ケラケラと笑いながら十六夜が答える。

「なんか『試練を選べ』とか偉そうに、上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ。俺を試せるのかどうかためさせてもらったのさ。結果はまあ、残念な奴だったが」

『貴様………付け上がるな人間! 我がこの程度のことで倒れるか!!』

蛇神の甲高い咆哮が響き、牙と瞳を光らせる。巻き上がる風が水柱をあげて立ち昇る。

周りを見れば、戦いの傷跡とみてとれる、クレーターによる流れの変わった川が見れる。

「十六夜さん、下がって!」

「何を言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺が売って、奴が買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

本気の殺気が籠った声音だった。何もこんなところで殺気を出さなくてもいいだろうに。黒ウサギも手を出せないのか歯噛みしている。そんな中、証は落ち着いて彼女に答える。

「あー、大丈夫だって。心配するもんじゃないさ。それに…、彼が君のコミュニティを救ってくれる人材かわかるいい機会じゃないかな?」

「なっ⁉」

驚いたようにこちらを向く黒ウサギ。その顔にははっきりとした動揺が出ていた。一方で蛇神が最後の一撃を放とうとしていた。

『フン ー、その戯言が貴様の最期だ!』

蛇神の雄叫びに応えて嵐のように川の水が巻き上がる。何百トンもの水を吸い上げた竜巻は計三本。唸り、蛇の様に襲いかかる。

この力こそ時に嵐を呼び、時に生態系さえ崩す、“神格“のギフトを持つ者の力だった。

「十六夜さん!」

「ー ハッ ーしゃらくせえ!!」

嵐を超える暴力の渦。十六夜はただの腕の一振りで嵐をなぎ払ったのだ。

「嘘⁉」

『馬鹿な⁉』

「おー」

驚愕する二つの声、と呑気な声。蛇神は全霊の一撃を弾かれ放心するが、十六夜はそれを見逃さなかった。

「まっ、中々だったぜオマエ」

十六夜の蹴りは蛇神の胴体を打ち、巨躯は宙高く打ち上げられて落下した。その衝撃で川が氾濫し、水で森が浸水する。

「くそ、今日はよく濡れる日だ。証、またよろしく」

「おうよ、だが今度からは有料だ」

「お友達料金で宜しく」

冗談めかした彼らの声は黒ウサギに届かない。彼女の頭の中はパニックでそれどころではなかった。

ただの人間が神格を倒したことと、証の先程の言葉が衝撃的過ぎたのだ。

(人間が……神格を倒した⁉ それに証さんは既に私たちのコミュニティの状況がわかっているのですか⁉)

彼女が気を取り直したのは十六夜のセクハラ未遂まで続いた。

 
 

 
後書き
文体が色々変わっていくな…、すいません。進みが遅かったので少し飛ばします。すまそ。

オリ主の出番が少ない? 気のせいだ。ちゃんと十六夜の乾燥機をやっているじゃないか。

すいません。中々彼の能力が発揮される機会が一巻前半には無いのです。 
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