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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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80話 GODの所以

 
前書き

仮面ライダーマルドゥク 変身者 邪悪神ナムロド(精神体)

パンチ力 6870兆t
キック力 1.25京t
ジャンプ力 5000兆m(ひと跳び)
走力 不明(100m)


バグルドライバーX(バグヴァイザーの金化)を使って変身する、仮面ライダークロノスの金色バージョン。


バビロニア神話の最高神の名を名乗るだけあってそのパワーは神域である。

クロノス同様にポーズ/リスタート/リセットなどの高度な時間操作能力を持つ。これにより、体力を削られても時間回帰による回復が可能となる。

その装甲は4000兆トン以下の攻撃をノーダメージで受け止め、致命ダメージを喰らったとしても、肉体ダメージは精神体ゆえに皆無である。

また、念じるだけで人知を超えた計り知れない事象を起こすことが可能で、その力はあの仮面ライダーソロモンを凌駕する。またバグヴァイザーXにガジェット生成能力がある。

また、液体金属を任意の人物に発射することでアークゼロへと強制変身させることが可能。

常用武器はデウスラッシャーとデウスランパート

しかしその力の本質は『相手の能力の模倣』及び『あらゆる負の感情の吸収によるパワーアップ』にある。
 

 






千陽の舞……あれはまさしくこの世のものではない。明らかに別世界と繋がっている——————そんな気がしてならない。

そして驚きなのが、全く関係ないはずのスクールアイドルに通ずるものを感じたことだ。

1つ分かっているのは千陽が千歌の先祖であるということだ。瞳以外は全て生写し————しかしそれだけを理由に片付けて良い問題ではないはずだ。何か手がかりが……



「あっ、才くん!」
「千歌…じゃなくて、千陽か。」


夜道を歩いているところを千陽の声がかかる。ちょうど避難街の方向に戻っている最中にだった。


「もう大丈夫なのか?」
「うん。」
「そうか……」
「ところで————才くんはどこで泊まるの?」
「どうしようか…避難所はいっぱいだろうからな——」
「よかったら私の神社に来ない?安全な場所の中で一番内浦に近い場所だよ?」


千陽の言うことが本当なら、敵の領域の最前線ということになる。位置的にも寝床にはピッタリか……ここはお言葉に甘えよう。


「ありがとう、助かる。」
「どういたしまして♪」
「改めて名乗ろう。俺は伊口才。戦士の名はエグゼイド……こう呼ばれている。」
「よろしくね才くん♪」


何かやけに上機嫌なような気がするが……まぁいいか。


「じゃあ行こ?」
「おう。」
「(千陽ちゃん…頑張れ!)」
「(こら!聞こえる!)」
「(アンタの声も大きいわよ。)」
「?—————」


戦闘態勢でない俺に草むらの奥に潜む渡辺先祖、津島先祖、松浦先祖の声に気づかなかった。



〜〜〜〜〜〜〜



神社への道中に黙るわけにもいかない。なるべくこの時代の情報を集めよう————すると千陽から話しかけてきた。


「才くんはどこからやってきたの?」
「遠い…遥か遠くの未来からやって来た———そう言ったら信じるか?」
「信じる!」
「おぉ…マジか。」
「私は石英くんや小原くんの戦いを何度も見てるんだよ?——そこで何度も不可思議な体験もした。私だって————」
「?」
「私ね。女神様の声が聞こえるの。」
「女神?」
「女神様がいろんな知恵を教えてくれたり、何をどう行うべきかも教えてくれる。あの舞だって……」


女神様———おそらくアマテルという女神のことだろう。ところで太陽と光の女神といえば、同じく光の人工知能ルーとの関連も気になる。

俺の推測だがナムロドの知能をベースにアークが生み出されたならを参考にすると、ルーとはアマテルの肉体をベースに作られた人工知能ではないかと思う。

となると千陽が聞いているのはルーの声か……それとも、アマテル本人の魂だろうか?


「舞も女神から教わったのか?」
「教わったっていうか——思いついたら自然と体がスーッと動くんだ。」
「そうか……お前は戦いの最中に何してるんだ?」
「私は秘術を使って戦いの傷を癒したり、みんなを守るための結界を張ったりしてる。」
「それも女神が?」
「うん。私の行動には、必ず女神様の啓示があるの。でも———」
「でも?」
「あなたをここに呼んだのは女神様の啓示じゃないよ?これは私の、れっきとした意思だよ?」
「———————そうか。」




単純な感謝の念を抱く。

が、女神の啓示ではないと宣言した———これの意味が俺にはわかっていなかった。





———————現代———————




「ナムロドが復活した!?!?」


伊口邸に設置された巨大モニターで覗に連絡する魁たち4人。比較的…というかほとんど怪我をしていない祝が怪我の手当てにあたる。特に竜介と虎太郎は重傷で、ベッドで寝かされている。

よって魁が覗と話す。


「あぁ。ガシャットのエネルギー切れで助かったが、通常攻撃で危うく内浦が吹き飛ばされるところだった……防ぐ代償も、あまりにデカすぎる。」
「クウガの原子操作と日月の剣で防げなかったのか……これは———俺たちだけでは無理かもしれないな。」
「才に頼るしかないか……」
「しばらくはナムロドはガシャットのエネルギーを蓄積するのに時間がかかるだろう。故にしばらくは姿を現さないだろうが……問題は、ナムロドが復活したことで《《ヤツら》》も復活するかもしれないことだ。」
「ヤツら?」

魁が聞き返す。

「ナムロド直属の戦士———その名もロード・オブ・クロウ。」
「クロウ…カラスか。」
「別名 大烏(おおがらす)————そしてコイツら復活の鍵を握るのは……」



プツン



「え……」
「どうやら電池切れのようだね。」
「才……アイツやりあがったな————」
「しかし、我々はもう手負いだ。しばらく傷が言えるまでここで待つしかないだろう。」
「くっ……もうやってられるか!!」


魁は近くの引き出しに入っていた味タバコを無造作に取り出して、ジッポライターで炙り、吸い始める————が、強烈な匂いが漂い、魁も煙を吐き出してしまう。


「ゴホゴホッ…何だこれ!何味だよこれ!」
「この匂い、納豆じゃないかい?」
「勘弁してくれ!!俺は納豆嫌いなんだよ!!」


タバコを窓から捨て、もう一本を新たに取り出す———が、再び独特な匂いに包まれる。


「ケホケホ…これキムチ味じゃねぇか!!こんな味絶対売れるわけねぇだろ!!」
「まぁ、我が主人曰くベストセラーになっているとは聞くが———コーヒー味もあるんじゃないか?」
「次こそコーヒーこい!!」


魁が味を選ぼうとしていると、手負いの竜介が起き上がる。肩に巻かれた包帯の下はまだ痛むらしく、そこを抱えながら行動する。


「魁……!」
「竜介先生…!まだ傷は!」
「いや……もう13時だ。千歌たちが…帰ってくる。」
「!!———そうか……わかった。俺が迎えに行ってくる。」
「いや…俺も」
「ううん。ここに残って先生は傷を癒してくれ。もし助けが必要なら、その時連絡する。」
「そうか……頼んだぞ——!」



互いにシュシュを握りしめる。





————————※————————



神社で寝床を貸してもらうことになり、少し飯もいただいたところで縁台に立つ俺————今日は月夜の晩。

みかん味の煙が漂う。


「あっ、みかんの匂い!」
「みかん好きなのか?」
「うん!大好き!!」
「じゃあ今度みかんたらふく送ってやる。」
「本当に!?最近みかん食べてないから食べたいなぁ〜♪」
「ふっ。」


喜んだ千陽はルンルンとして神社の奥の方に罷る。すると、そこに密かな影が忍び寄る。


「伊口才。」
「お前は……!」


俺に声をかけたのは40代目クウガ————名無しのクウガ。


「気になっているようだな……千陽という人物が。」
「———————」
「『世界を作りし太陽の地母神、飛来せし全知全能の……完全なる自由な者と結ばれ、世界を楽園へと導く。』」
「太陽の地母神?」
「内浦のみんな……いや、世界中のありとあらゆる人間がこれを聞いても意味がわからないだろう。だがこれこそクウガ継承者に伝わる最後の伝説だ。」
「どういうことだ?」
「……昼間に言った話。あれは半分嘘だ。」


嘘—————?

理解できないとはどういうことか?———謎だ。

「世界を創造せし母神……そんな偉大な存在が、アマテルと呼ばれて人々に親しまれるだろうか———そうではない。アマテルもまた神の女僕であり、それとは別に全てを超越した母神がいる。私はそう解釈している。そして確信している、『高海千陽こそ、創造を司る母神の意思そのもの』だと。」


そして、彼は溜まった息を全て吐き出して言い放った。驚きの一言を。天地を揺るがす一言を。


「そして今日確信した—————伊口才、君こそ高海千陽と結ばれるべき、全知全能の存在だ。少なくとも俺はそう見ている。」
「………なぜそうだと?」
「『仮面ライダー』————歴代クウガに伝わる伝承には、全能者を見分ける方法として異能の存在を仮面ライダーと呼ぶと伝わっている。そしてロード・オブ・クロウをあんなにあっさり退けられるのは、そうとしか考えられない。」
「はぁ……」


突然、自分が全能者だと言われても困惑するに決まっている。俺もその例に漏れなかった。しかしこの40代目クウガは諸国の歴史にも精通している————おそらく初代からの伝承と自分の諸国での調査の結果だ。となると、事実ではないとは言い難い。


「この世界には数多の『神』と崇拝される存在がいる———諸国を旅する中で、その正体はおそらく君の言う『仮面ライダー』という異能の力を持つ者だ。」
「仮面ライダーが……神だと?」
「世界には数多の仮面ライダーがいる。それは現代においても変わらない……が、もうこの世界に存在する仮面ライダーはもうほとんどいない。」
「何でだ?」
「ナムロドたちに倒された。神話の改竄と共にな。今至上神と諸国で呼ばれている者の正体はナムロド————またの名を、マルドゥク……仮面ライダーマルドゥク。」
「マルドゥク————」
「マルドゥクに改竄によって隠された存在……それは真実のGODだ。」
「GOD……全能の神か。」
「そう。だが印度(インド)では最高神は創造・維持・破壊を司る三神は一体の存在である………3つの最強の形態を持つ至高の仮面ライダー————それが君だ。」
「3つの容態……だが、俺の最強フォームは1つしかないぞ?」
「今は維持の力のみを持っているが……いずれ手に入れるさ。」


未だ腑に落ちないところだらけだ。その様子を察したのか、40代目クウガは腕を組んで落ち着くように答える。


「まぁ、これ以上話しても空論だろう。実際起こってみないと分からないに決まっている。」
「はぁ……」
「だから——いいか?これから起こること……全て見ておけ。聞いておけ。考えておけ————これが、《《現れた時代のクウガとして言うべきとされる言葉》》だ。」
「どういうことだ?」
「君がこの時代に現れたことで……伝説が動き出すってことだ。」


伝説か……何か壮大な話に巻き込まれている気がする。壮大すぎて話にならない。しかし仮面ライダーとされる連中が多神教における神とするのは信憑性のあるように思える。

だがそれ以外はどうも胡散臭いような雰囲気が漂う。


「では、また会おう。全能なる自由人よ。」
「お、おう……」


草むらに消えていった。


〜〜〜〜〜


「クウガ、どうだった?」
「間違いない。彼こそ伝承にあった全能なる神次元の戦士だ。反応も伝承通りだ。」
「ふふふ……私の歴史研究が最終的に神の創造せし音に行き着くという推測は正しかったというわけだね!!Let’s go paradise!————って、何言わせとるんだ!!」
「アンタが勝手にやったことだろプロフェッサーブルーム。」
「その名は過去の名前……極東にやって来た私の名は———プロフェッサー桜内だ!!」
「はいはい————」




———————※———————




「よく寝た……か。」


久々に寝るとどうも落ち着かない。特に最近は怪人の出現率も増している。故にそこまで安らかには眠っていなかった。

すると檜の戸がスルスルと開き、剃髪した好々爺が挨拶に伺う


「お目覚めですか?」
「あぁ…はい。あなたは?」
「この辺りの社寺の管理をしております花庵(かあん)と申します。千陽様を寺社の管理をする身として預かっております。」
「今日は寝床を貸してくれてありがとうございます。」


どうも親しみやすさに隠れた高尚さに俺は自然と敬語が出てくる———昔、俺は《《人を写す鏡》》みたいだと言われたのが今身にしみてわかった気がする。

平静な起床……と思いきや、玄関の方からドタドタと音が大きくなってゆく。


「国木田上人!!」
「おぉ、どうした。」
「物の怪が現れました!!急いでお逃げください!!」
「そうか……では我々も。伊口殿、お願いしますぞ。」
「わかった!」


この和尚もわかっているのか—————俺はすぐさま靴を履いて、神社を飛び出した。


〜〜〜〜〜〜


どうやら怪人通知システムは過去でも通用するみたいだ……さすがオーマジオウ。システムが感知した三津海岸までやってくる————すると、結構な量の怪人が跋扈していた。それも多種多様。

そして物陰に隠れて戦況を見守る少女が1人……


「千陽!」
「才くん…!」
「あの2人が怪我したら手当頼むぞ。俺がこの戦いを終わらせてやる……!」
「ちょ、ちょっと!」



確認できる怪人はクローンスマッシュ3体に、ロイミュードと幼虫ワードが数体か。それらを相手にダークキバとソーサラーが戦っている。

そして……


「アーク…!」
『ハハハ———』
「伊口殿!!」
「2人とも三下は任せた……俺はアークの息の根を止める。」


≪マイティアクションX!≫


「大変身!」


≪ガチャーン! レベルアップ!≫

≪マイティマイティアクション X!≫


初期フォームであるアクションゲーマーに変身し、ガシャコンキースラッシャーを装備する。


「行くぞ!!」


1番体の負担のないアクションゲーマー……とはいえ、色々とバフをかけさせてもらっているので、クロックアップほどのスピードは出せる————無論、アークゼロは高度な未来予測ができる…が、それは俺も未来視という点で同じ。あとはスピードが物を言うわけだ。

ハイスピードでアークゼロの装甲にキースラッシャーの斧を叩きつけまくる。俺の推察通り、アークゼロは高速連続斬りに翻弄される。

このままある程度までこれを繰り返す。


『グッ……』
「一度倒した敵に俺は負けることはない———ラーニング前のお前なら特にな。」


≪ガシューン!≫


ゲーマドライバーからガシャットを取り出し、キメワザスロットにセットする……その時であった。

突如として斬撃が俺を襲撃する————2人の漆黒の従者。


「お前ら……!!」
「ロード・オブ・クロウ!」


アルティメットクウガが突如として現れ、2人に殴りかかる。しかし2人は難なく交わして数歩下がる。そしてロード・オブ・クロウの1人が放ったレイピアによる高速の刺突によって、砂浜を引き擦って吹き飛ばされる。恐らくかなりのダメージが入ったろう。


「アーク。あの2人の人間を早々に始末せよ!!」
『……!』
「させるか!」


俺はパーフェクトパズルの力でエナジーアイテムをアークに与える。アークはその場だけ時を止めたように動きを失ってしまう。


『停止!』
「なっ…!」
「これでしばらく動けないはずだ。」
「貴様……何者だ?」


刺突剣を持つロード・オブ・クロウが恐ろしい声色で問うてくる。それに俺は自信満々で答える。


「俺は仮面ライダーエグゼイド。天才ゲーマーであり…自由を愛する戦士だ!」
「我が名はロード・オブ・クロウの一員 アシュク。」
「同じく…ロード・オブ・クロウ サンバヴァ。」
「ほう…礼儀はあるようだな。」
「貴様はこの世界の危険因子!!我々の総力挙げて粛清する!!」
「面白れぇ…!」
「気をつけろ!奴は例の大烏だ!」
「わかってるさ……黙って見てろ!」


2つの刺突剣を持ったアシュクはものすごいスピードで俺に襲いくる。しかしその動きを完全に視認した上で、2本の刺突剣を掴む。

遅れてサンバヴァは重い戦斧と大剣を振り下ろすと、キースラッシャーでこれを受け止める。


「ふっ……!」
「——————!」


掴んだ武器を不意に放し、一瞬怯んだところをキースラッシャーで円を描きながら2人に刃を当てる。


「馬鹿な…俺の剣を片手の剣で止めるとは————ありえん!!」
「落ち着きなさいサンバヴァ……しかし、これは厄介な戦士が現れたものですね————ですが!!」
「!!」


アシュクは先ほどとは比べ物にならないほどのスピードで俺の周囲を走り回る。恐らくこのスピードは今まで見てきた中で1番のスピードだ。今までその上で、レイピアによる高速連続突きを繰り出す……俺は動体視力を持って間一髪そのレイピアを避け続ける———


「——————しかし、俺の動体視力は予想のはるか上を行っている。」
「あの高速で繰り出される刺突剣を片手で掴むとは…さすが。」
「ぐっ……」
「俺とスピード勝負はやめた方がいい。それと…《《知略》》勝負もな。」


片手で掴む傍ら、キースラッシャーのアックスモードで脇腹を切り裂く。そしてその腹に蹴りを入れ、吹き飛ばす。


「なるほど…油断ならぬ相手というわけか———だが決め手にかけるのではないか?」
「確かに初期フォームでは火力不足か……なら。」


≪ハイパームテキ!≫

≪ドッキーング!≫


「ハイパー大変身!」


≪パッカ〜ン! ムー!テー!キー!≫

≪ハイパームテキエグゼーイド!!≫


突如として降り注いだ黄金の流星が俺の鎧となり、ムテキゲーマーへと変身を遂げる。


「その姿は…!」
「悪いが……瞬殺されるかもよ?」


サンバヴァとアシュクが何か感じる瞬間……もう2人の腹に連続斬りが繰り出されてゆく。

クロックアップ中にいるような感覚……相手はクロックアップ級のスピードの使い手なのに————この体感時間。

そして俺は動きを止めた。


「どう?俺の実力。」
「ぐっ……ここまで理を逸脱した戦士がいるとは———どうやら本気で排除に動かなくては!」


俺の体はふっと光の粒子になってアシュクの元まで瞬間移動し、彼の持っているレイピアを握る。


「!?」
「『本気出す』なんて真剣勝負に通用するわけないだろ……俺が殺ると言ったら殺るんだよ。」


ムテキガシャットの頂点に輝く、星のスイッチを押す。


≪キメワザ!≫


「この私を倒すだと…?数万年以上戦ってきたこの私が滅びるだと———この肉体は易々とは滅びるわけなかろう!」
「どうかな……?無限に続く再生と破壊———お前が諦めるまで攻撃は続くさ…」
「バカな……」


流星をかたどったスイッチを押し、トドメを刺そうとした——————その瞬間。


「「!?」」
「「「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」


邪悪な高エネルギー弾が現れ、突如として俺の至近距離で大爆発を起こす。無論、ムテキゆえにダメージはないが吹き飛んでしまったので、バク宙で見事砂浜に着地する。

アシュクは俺に離され、少し遠くにいたサンバヴァと共に膝をつける。

だが高エネルギー弾の被害は俺の想像の上を行った。

怪人らが一掃されたが、クウガが巻き添えを喰らい大ダメージ。そしてダークキバとソーサラーの変身は爆発とともに解除され、2人は深傷を負ってしまう。特に黒澤先祖の傷は放っておくと危ない……


「ぐっ…!」
「大丈夫か黒澤!」
「任せて王太郎くん!!」
「千陽…頼んだ!———なんだ今の攻撃は…!」


千陽は急いで黒澤先祖と小原先祖の治癒にあたる。千陽が手を翳すと緑のオーラが2人の体を少しずつながら回復させてゆく。





その瞬間、現れる——————邪なる神。





「諸君!———ごきげんよう。」
「誰だお前?」


俺が尋ねた問いに答える男……金色の枠にかたどられたローブを着た、肌と髪共に茶褐色の人物が不気味な笑顔と共に話す。


「我が名はナムロド……この宇宙の支配者となった男だ!」
「まさか…この戦場に現れるなんて思いもしなかったな……」


40代目クウガが驚くその人物……いや、神。その反応からして、コイツがライダーたちの前に現れること自体があり得ないのだろう。

神のオーラというのが、人間のようでありながら伝わる……異形の存在だ。

彼は見たこともない金色のバグヴァイザーを取り出し、アークゼロをデータ状にしてそのバグヴァイザーに収納してしまう。


「アークゼロが……只者じゃないな。」
「天帝陛下!あのような者どものためにわざわざお姿を現さずとも……!」
「サンバヴァ、黙っていなさい。」
「はっ!」
「大烏の一角を圧倒し弄ぶほどの戦士……私が放っておくわけにもいかないでしょう?」


≪オムニツリー!≫


「金色のガシャット……?」


バグヴァイザーをベルトとして装着……黄金のバグルドライバーのAボタンを押す。すると邪金のガシャットが宙に浮き、巨大な樹木を投影する。


「偉大なる力に———跪きなさい。」


金色のオーラを伴ったガシャットがバグルドライバーに挿さる。


「変身。」


≪バグルアップ!≫


≪OPEN THE BIBLE!≫

≪THE ONLY GREATEST GOD!≫

≪KAMENRIDER MARDUK!!≫
 
≪ The LEGEND has just begun……!≫
 


エグゼイドに酷似した様子でありながらも、頭部の5本のアンテナはまるで王冠。黒いスーツをベースに金メッキがかたどられた戦士…いや、神。


「仮面ライダーマルドゥク……これが私の名です。」
「マルドゥク……!」
「さて……始めましょうか?」
「!」


俺はキースラッシャーを構える。

さすが神を名乗るだけある……今まで大烏たちに向いていた注意も今や殆どがマルドゥクへと向いている。本来なら背後を取られて攻撃されてもおかしくないくらい。しかしそれをさせてくれなさそうな威圧感がすでに空間に孕んでしまっている。

薄っぺらい実体———同時にプライドの高さが窺い知れる。

この威圧感を可能にしているのは、やはりパワーの大きさとしか言いようがない。


≪ソニックアロー!≫


マルドゥクは召喚したソニックアローに邪気を溜め、その弓を引っ張る。


「では————手始めに戦闘に邪魔な人間を消してしまいましょう。」
「まさか!!お前ら逃げろ!!」
「え……!?」
「はぁっ!」


突如として矢の向きを千陽が治癒している所へと変え、邪悪な矢を放つ。アルティメットクウガの呼びかけに応じられても攻撃は避けられない—————しかし。

超光速の流星はその矢を弾く。


「ふん!」
「才くん…!」
「大丈夫か?」
「うん……」


千陽と小原黒澤の無事を確認すると、俺は矢を放ったマルドゥクを仮面の下から睨みつける————激しい怒りを伴い。


「何故無関係の人間を攻撃する?」
「理由などありませんよ————ただ目障りだったんですよ。」
「何……?」
「この世に生ける存在は全て私の被造物……私が作ったモノを壊そうが改変しようが自由でしょう?」
「何だと……ふざけるのも大概にしろ!」
「ふざけてなどいませんよ。全ては私のため……被造物が創造主に贄を捧げ、平伏し崇め奉るのは当然————被造物ごときが生きることを要求するなどおこがましい。」



嫌いだ。



激しい怒りが————太陽の如く湧いてくる。

 
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