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X ーthe another storyー

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第四十六話 結想その十四

「何でもありません」
「そうなのですか」
「そうであればいいですが」
「例え戦がどうなるかわからずとも」
 その結果がというのだ。
「希望はです」
「ある」
「そうなのですね」
「わらわにも見えてきました」
 そうだというのだ、だが顔は笑っていなかった。
「希望が」
「これまでのことで、ですね」
 玳透が言ってきた。
「そうですね」
「そうです」
 丁も答えた。
「最初はどうしてもです」
「絶望しかですね」
「見えませんでした、夢を見ても」
 己の力でというのだ。
「見えるものはです」
「悪い未来しかですか」
「見えず」
「絶望されていましたか」
「それが桃生の主のことから変わり」
「小鳥さんも生きていて」
「それで運命は変わってきていますので」
 だからだというのだ。
「私も今はです」
「希望をですか」
「見ています、若しかしますと」
「幸せな結末にですか」
「至れるかも知れません、ですから」
「征一狼さん達をですね」
「導いていきます、貴方も」
 玳透にも告げた。
「このままです」
「はい、丁様のお傍にですね」
「いて頂ければ」
 それならというのだ。
「有り難いです」
「そうさせて頂きます」
 笑顔でだ、玳透も答えた。
「是非」
「そのお心受けます、では」
「それではですね」
「貴方はこの場で」
 これからもというのだ。
「お願いします」
「そうさせて頂きます」
 玳透も強い声で答えた。
「何があろうともです」
「わらわをですね」
「お護りします」
 このことを約束するのだった。
「僕は」
「はい、それでは」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「わらわはわらわの」
「丁様の」
「戦いをしていきます」
 自分が見ているものを前にして言った。
「そうします」
「丁様のですか」
「はい」
 そうするというのだ。
「これからも」
「夢見は戦いでもありますか」
「鏡に対しても」
「鏡?」
「何でもありません」
 ここでも自分の言葉を打ち消した。 
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