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転生!DORAGONBALL THE WORLD!!

作者:山葵。
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人造人間編
  第二十一話 宇宙からの訪問者 見せろ!!断崖のエネルギー波!!

 
前書き
前書きほど書くものを悩むものはない。

あ!やっと次の話から原作に入れます。やったね!!(4か月もオリジナルの話を書いていた模様。アニオリもビックリ!!)

そんなこんなで本編はじめます。 

 
バーダックとの闘いから時は流れ、半年後。

地球には、魔の手が迫ろうとしていた。

「大王様。あの星が、地球でございます。」

「ほう、あの星が...」

フリーザ第二形態のような姿をした大柄で貫録のある男が青い惑星を眺めて呟いた。

「見た限りには私の見てきた中で一番環境のいい星だといえるな。」

「では、当初の計画は?」

「中止にし、あの星を侵略することにしよう。」

「はっ!直ちに手配いたします。」

黄色い顔をした宇宙人はスカウターに手を当てながら、せかせかと扉を開けて部屋をあとにした。

「フリーザよ。貴様の恨み、この私が晴らしてやろう。」

フリーザ一族の元長は、地球が映る窓ガラスに不敵な笑みを浮かべていた。


悟飯の勉強も終わり、昼食をモリモリ食べて、しばらくして。
温かく昼寝のしたくなるよう平和な雰囲気は、空から聞こえる爆音のエンジンの音と、地球に迫る異質な気によって崩壊した。

「ワサビさん!今の気って!!」

悟飯が家からドタドタと走ってきた。俺も空を見て空中で眠っていたのを辞め、地に足をつける。

悟飯と俺が感じ取った気は、ナメック星で激戦を繰り広げた敵、フリーザのものにそっくりであった。

ついに現れたか....フリーザ。 ナメック星で悟空とバーダックが完全に消し去ったのかと思ったが、流石宇宙の帝王というべきか、あの攻撃と星の爆発をかろうじて耐えたその耐久力は敵ながらほめてやりたいところだ。

「悟飯、いいな?」

俺は悟飯に確認を取った。今から地球で大規模な戦いが始まるのは目に見えている。それを踏まえてこの先の戦いについていく覚悟があるのかを俺は問いた。

「はい!お父さんがいない今、地球を守れるのは、僕たちだけですから。」

悟飯はケツイのこもった眼で俺を見てきた。たった半年でここまでよく強くなったものだ。俺との修行も役に立ったようで嬉しい。

「悟飯、俺の手につかまれ、瞬間移動でアイツの元まで移動する。」

俺がそう言って左手を出すと、悟飯は右手で強く手を握りしめた。

その時、家からチチさんが飛び出してきた。

「悟飯ちゃん!急に家を飛び出してどうしただ!!」

「お母さん...」 悟飯は返答に困ったようで俺をちらっと見てきた。

「チチさん、少し悟飯君を借りてもいいですか?」

チチさんは表情が少し硬くなり、聞き返してきた。

「フリーザ...だか?」

「お母さん...なんでそれを⁉」

「私は悟飯のお母さんだべ?悟飯のことなんて何でもお見通しだ。」

親子の愛、といったところか。そしてチチさんが俺に伝えたいことも分かる。それでも俺はこの判断を曲げることは出来なかった。いつしか来るかもしれない、最悪の未来を防ぐためにも。

「チチさん、不安に思っていることは俺だって重々承知しています。それでも悟空がいない今、そして俺たちサイヤ人が勝てない敵が現れた時、この間のようにこの子にも手伝ってもらわなければいけません。恥ずかしい話ですが。ですがこの子は実戦経験が少ない。だから、この子が、そして俺たちの生きる可能性を高くするためにも、経験値が必要だと思っています。
何かあれば私が命を懸けて守りますし、その何かも起こらないようにしますので、ここは折れてもらえませんか?」

俺は懸命に訴えた。地球を守るため。悟飯を守るため。
俺が超サイヤ人2の悟飯を生で見るt…ゲフンゲフン

そんな俺の熱意を受け取ってくれたのか、チチさんは唸るほど悩みはしたが、

「分かっただ。ワサビさんがそこまで言うのならオラもう何も言わねぇだ。」、と言ってくれた。

「ただ一つ約束してけれ...悟飯ちゃんを危険な目には合わせねぇと。」

「はい、約束しますよ。言った通り何かあれば私が守ります。」
俺がそういうとチチさんは少し安心したようで悟飯に

「気を付けていってくるだよ、無茶だけはしないでけろ。」と言って悟飯を抱きしめた。

そうして俺たちは瞬間移動をして宇宙船の場所へと移動した。



ーフリーザの宇宙船着陸場所にてー

「コルド大王様、本当にこの星に来てもよろしかったのですか?」

老人のフリーザ兵の一人がコルド大王におずおずと尋ねた。

「失礼ですが、コルド大王様はフリーザ様よりも戦闘力がお低く、更に戦いから身を引いてから長い時間がたっております。それなのにフリーザ様に勝ったサイヤ人が住む星を侵略するなんて、正直私は宇宙からこの星を破壊したほうがよろしかったかと...」

「フン、我が息子フリーザが殺されておいてワシがそんな程度で満足すると思っておったのか、フリーザを倒したというサルどもはナメック星の爆発とともに死んだようだが、その子孫はまだこの星にいるであろう。そいつらにケジメをつけてもらわらねばワシの気はすまん!!それにこの星には興味深いものもあるようだからな。」

元フリーザ軍最高地位を持っていた者の貫録を兵士に見せ、フリーザ軍の士気は高まった。

「今ここでワシらには向かった愚か者を殺し、“新生フリーザ軍”としてのスタートを切るのだ!
!」  『おおーーーーっ!!』

コルド大王は高らかにそう宣言し、それにつられてその場にいた数十人の兵士は拳を上げ咆哮を叫んだ。

「それと、お主。臆病で無駄に人思いの貴様のことだ、さっきの言葉。今回は許すが次は許さんぞ。」

コルド大王は先ほどの兵士をにらみつけると、不敵な笑みを浮かべ、「ワシだってうぬぼれてはいない。戦いの感を取り戻すために3か月修行をしたのだ。今のワシはフリーザよりも強い」といい、
心配は無用だということを伝えた。

またこれに兵士が惹かれ、咆哮を上げていた。

そして最後にコルド大王が締めた。

「いいか、我がエリート部隊の兵士たちよ。今回の目的は3つ!!1つが我が息子、フリーザを殺した愚か者どもの子孫への粛清!、そしてこの星に眠るといわれるドラゴンボールとやらの回収!
そして最後がこの星を征服し、ここを拠点として新生フリーザ軍を作ることだ!!」

「では総員、各々の目的をしっかり遂行し、ワシの役に立ってくれ。行くぞ!!」

コルド大王が熱意のこもったスピーチをしている中で、俺と悟飯は一応気を消してひっそりと奴らの様子を見聞きしていた。

「聞いたか?悟飯。」

「はい、奴らはフリーザを生き返らせるためと僕たちに復讐するために来たんですね。」

「ああ、その通りだ。」

「でもあのフリーザが一回変身した姿に似ている奴は誰なんでしょうか?」

「確かアイツはフリーザの実の父親だ。でもフリーザよりも戦闘力は低かった気がするぜ。気を読んでみてもフリーザよりは大したことないだろ?」

「そうですね、ワサビさんやおじいちゃんの気の方が大きいです。」

「よし、それじゃああいつらが地球に危害を加える前に叩きのめしてやるぞ。地球は俺たちで守るんだ!」

「は...はい!!」

そう返事した悟飯はどこか気負ってるみたいでどこかおびえているようだった。
それでも俺はコルド大王の方へと向かっていった。悟飯も少し遅れて歩き始めた。
そんな俺たちに気が付いたのか、コルド大王はこちらを向いていった。

「おっと、いつの間にかこの星の住民が近づいていてきていたようだ。ご機嫌よう。私はコルド大王だ。今はわけあってフリーザ軍の最高地位を務めている。」

丁寧に挨拶をするコルドの横で、一人の兵士がスカウターに手を当て戦闘力を測った。

「フヒヒ!こいつら、戦闘力たったの5だ!ゴミめ!」

今の俺たちは地球に住む一般人と同じ気の量まで下げていた。気のコントロール技術のない一般兵とコルド大王には俺たちが戦闘力5の雑魚としか映っていなかった。

「おい、そんなことを言うな。すまんな、うちの兵士が。」

まるで優しい王のように言葉を放つコルド大王だったが、俺達にはその仮面はすでに暴けている。
だが俺たちもその茶番に乗ってやっていた。

「そんな宇宙の帝王がこの星に何の用だ?」

「ああ、私たちはとある奴らとこの星にあるものを探していてね。」

そういうとコルド大王は横に目をやり、兵士に指示をした。
指示をされた兵士は俺たちに向かってきて腕力で俺たちを拘束する。

「手荒な真似をしてすまないね。少し教えてほしいことがあるのだ。」

「ほう、それはなんだ?」

横にいる兵士は「なんだその態度は!」と怒鳴るが、俺たちは無視して話を進めた。

「一つ、この星に我が息子フリーザを殺した奴の子孫がいるらしくてな、そいつと話がしたいのだ。そしてもう一つ、この星に眠るドラゴンボールとやらを探している。何か知っている情報はないか?」

「そんなものは聞いたことがないな。」

「そうか、では残念だ。言うのが忘れたが、我々にはもう一つ目的があるのだ。それは...」

「この星を侵略することだ!!」

そういうと俺たちを縛っていた兵士が銃を構え俺たちの頭に突き立てた。

「ほう...なるほど、初めから俺たちは殺される運命だったというわけだ。」

「えらく落ち着いているな。この星の人間はみんなそうなのか?」

「さぁな、わからねぇよ。なんせ...俺たちは純粋なこの星の人間ではないからな。」

刹那、とてつもない強風が吹き、俺たちを拘束していた兵士が横に吹き飛んだ。

「おっと、強風が吹いたみたいだな。気をつけろよ?この星は気性が荒いんだ。」

コルド大王は一瞬目を見張ったが、すぐに冷静さを取り戻すと、こういった。

「ワシだって伊達にフリーザ軍の王を名乗っておらん。これは貴様らがやったことだろう?」

「そしてこれは勘だが貴様らサイヤ人だな?ワシは長くサイヤ人を見てきているからな。お前らはサイヤ人の特徴にそっくりだ。気性が荒く、戦いに飢えた獣のようだ。」

、とズバリ言い当てた。若干偏見が混じっているような気も...気も...いや、俺らは純粋な血筋じゃないですしまぁいいか。

「ああ、その通りだ。」

「ふっふっふ...こちらから出向く無駄がなくなったな。バカめ、おとなしく隠れておればよかったものを。」

「ならば話が早い、どうせ貴様らがフリーザを倒した奴の子孫だろう?もう一人はまんまガキだからな。我が息子の恨み、ここで晴らしてくれよう。」

コルド大王は既に戦う気が満々のようだ。

俺は悟飯の肩に手を当てていった。

「悟飯ここはお前一人で戦うんだ。」

「ええっ!僕一人で...僕はまだ超サイヤ人にも慣れないんですよ!!ワサビさんなら簡単に勝てるかもしれませんが...僕にはまだ...」

「悟飯、普段は俺とばかり戦っているからわからないかも知れないが、お前はこのたった半年でとてつもなく成長している。それこそそのうち俺が負けそうなぐらいにはな。」

「でも僕は...戦いなんてしたくはないんだ...」

「悟飯...もしも俺たちがいなくなったら、地球を魔の手から救えるものはお前しかいなくなるんだ。」

「でも、クリリンさんもピッコロさんだってまだ...」

「悟飯。お前はサイヤ人だ。今よりも何倍も何十倍も強くなれる。それは俺たちが見せてきただろ?」

「はい...」

「悟飯、怯えんな。奴から地球を守るんだ。正しいことのために力を使うのは悪い事じゃない。地球を、お母さんを、仲間たちを、お前の手で守ってやってくれ。」

俺が思いつく言葉全てで悟飯を説得すると、悟飯は決意したようにこちらを見ていった。

「分かりました、やってみます。お父さんの代わりに、僕が地球を!!」

その目は幼ながらに、悟空のような超戦士の目をしていた。

「話は終わったか?ふん...サイヤ人とはつくづく馬鹿な種族だ。
二対一で戦いを挑めば勝てる可能性も多少なりと上がるというのに。」

「ワサビさんが、僕に託してくれたんだ。お前の相手なんか、僕一人で十分だ!」

そう啖呵を切った悟飯は先ほどとは違い、もう震えてはいなかった。

「ガキが...貴様らは簡単には死なさんぞ!!」


両者が戦いの構えを取り、戦闘が始まった。

始めに仕掛けたのはコルド大王であった。俺の中にあるイメージとしてのコルド大王とは違い、いきなり近接戦闘を繰り広げていた。その巨体を活かした大振りの攻撃には悟飯も苦戦を強いられており、体格差から悟飯は反撃をすることが出来ていない。

どうやって相手のペースから自分のペースに持っていくかだな...

コルド大王は引き続き反撃の隙を与えない攻撃を連続で繰り広げ、悟飯を防戦一方にまで追いつめていた。悟飯は腕をクロスにして連撃をガードしていたが、容赦のない連撃によってガードが破れ、そこにコルド大王が右手を握りしめ大振りのパンチを顔面に叩き込もうとした。
だが悟飯はそれを逆手にとり、頭を下げて拳を躱すと、空いた胸元に武空術を使って頭から突撃した。これにはコルド大王もたまらず胸を押えて一歩下がった。
だがそんな隙を見流すようには育ててられていない。コルド大王へとドタドタと走って直進し大きく飛び上がって首元に蹴りを叩き込む。更に追いかけて浮いた体に拳を何発も叩き込んで殴り飛ばすと、急激に気を上昇させて両手を額に持っていき、叫ぶ。

「魔閃光!!!!」

両手から黄色い気功波が放たれて、コルド大王に直撃し、巨大な爆発を起こす。
辺りにあった瓦礫は吹き飛び、地面はまっさらになった。

悟飯は今までの攻防で疲れたのか肩で呼吸をしていた。

つい俺も小さくガッツポーズをしてしまった。

「中々末恐ろしいガキだ。流石フリーザを倒したサイヤ人の息子といったところだ。」

コルド大王は立ち上る煙の中から姿を現わし体についた土を払いながら言った。

「フリーザを倒した奴の子孫なだけはある。ガキだと言って舐めすぎていたようだ。
 だが勘違いするな。ワシはまだ半分の力も出していないのだからな。」

そういうとコルド大王は悟飯の目の前まで一瞬で近づいた。
不意を突かれた悟飯は一瞬立ち止まったが、すぐに気を取り戻して思いっきり頬を殴った。
バシッ!!といった音が鳴り、クリーンヒットしたように思えたが、コルド大王は不気味な笑みを浮かべたままその腕を払いのけると、頭を鷲掴みにして悟飯の身体を持ち上げた。

「サイヤ人のガキと言えどガキはガキだったようだな。」

コルド大王は悟飯の頭を強く握り始めた。

あまりの痛みに悟飯は呻き声をあげている。

コルド大王の腕から逃れようと体をじたばたさせるが、がっちりとつかまれているようで悟飯は何もできなかった。身体にある気を全力で開放して思いっきり蹴りを食らわしても、大したダメージにはならず、かえって相手をいらだたせただけだった。

「フン...そんなに死にたいのならすぐに殺してやろう。」

コルド大王は悟飯の頭を握りしめる力をさらに強めた。頭蓋骨が軋むような音が聞こえる。
悟飯はもはや声にならないような声を出していた。

それでも俺は助けることができなかった。単にコルド大王に怯えているわけではない。
あんな奴など一瞬で消し飛ばせる。俺が危惧しているのはそんなことではない。

今のうちからでも少しでも悟飯に戦闘力を上げていてほしかったからだ。

もしこの世界が悟空が病気で亡くなる絶望の世界だった時、未来を担うキーはこいつなのだ。
もちろん俺だってそんな未来は望んでいない。できる限り最善を尽くすつもりだ。
だが俺の策がすべて尽きたとき、頼れるのはこいつに眠る潜在能力だけだ。

人造人間なら俺でもどうにでもなる気がするが、超に入ってしまうとどうしようもない。
ぽっと出の神々どものせいでこの歴史が完全に消されるなど本当に許せない。

だから今のうちに、師匠ができるうちに少しでも力を上げてほしい。
あわよくばこの痛みに怒って超サイヤ人になってほしい。もうすでに悟飯は超サイヤ人になる条件はクリアしている。ただ悟飯は優しすぎるんだ。まだ怒りを思うように解放できるタイプではない。

そんなことを思っているうちに遂にコルド大王も飽きたのか「興覚めだ。」と言って左手に気をため悟飯の腹にかざしてきた。悟飯も睨み反抗の意思を見せるが、コルド大王は気にすることもなく笑っている。

流石にこれ以上は悟飯が殺されてしまう。急な焦りの感情が出てきて俺は額に手を当てコルド大王の目の前にまで瞬間移動をした。

瞬間的に子ルド大王の目の前にまで移動をし、思いっきり腹をぶん殴って吹っ飛ばした。
だが、その衝撃はなぜか他の方向からも加わり、俺の思った以上に相手が吹き飛んだ。

「あ?テメェどうやってあの距離を移動したんだ?」

もう一人、俺とともにアイツを殴ったやつが俺に声を掛けてきた。

その若干怒気をはらんだ声に俺は恐縮するとともに、顔を見て驚いた。

「バ...バーダック⁉」

「何だ、化け物でも見たような顔しやがって。半年ぶりじゃねぇか。積もる話もちっとはあるんじゃねぇか?ああ?」

そういうバーダックの目は全く笑ってはおらず、その顔に俺は恐怖を覚えた。
ここまで恐怖を覚えたのは初めて死闘を繰り広げた時以来であろう。

「あの...バーダック..さん?怒ってらっしゃいます?」

俺は恐る恐る訪ねた。空気はさきほどとは一変し、少しでも話す内容を間違えれば殺されてしまうような緊迫感があった。

「あ?なんだ藪から棒に。怒ってるはずがねぇじゃねぇか。」

いや、完全に怒ってますやん。額に筋入ってるし、気がさっきから段々と上がっちゃってるし、何ならもう金色のオーラが見えるぐらいには超サイヤ人になりそうですし。

「いいから目の前の敵に集中しろ。話はそれが終わってからだ。.......これが終わったらあとで思いっきりテメェをぶん殴ってやるよ。」

あ~終わったわ。どうしよ。遺書書く暇あるかな?あの世に行ったらブルマにドラゴンボール集めてもらうように言っておこ。

、と言っても俺も少しやりすぎたかもしれねぇな。バーダックのおかげで目が覚めたわ。最悪の未来を恐れすぎて俺らしくないことをしてしまっていた。後で悟飯に謝っておこう。死ぬ前に。

「おじいちゃん?ワサビさん?えーっと、あのコルド大王がなんかすごいイライラしてこちらを見てるんですけど...」

「フン、あんな奴なんか俺一人で十分だ。見た感じ自分の実力に自信があったようだが、それでもフリーザの野郎の方が戦闘力は上だ。ほとんど上でふんぞり返ってるような半端な経験だけで実力差が簡単に覆せるわけがねぇだろ。」

「な...何だと!!急に出てきただけではなく、人を無駄に待たせた挙句、このワシをコケにするとは。決めたぞ。貴様から殺してやろう。」

「時間云々はこの馬鹿に言え。お前の時代は終わったんだ。掛かって来い、ちっとはましな勝負してくれることを願ってやるぜ?」

「その言いよう、貴様...我が息子を殺したサイヤ人だな!ここで息子の恨みを晴らしてくれよう...フン!!」

コルド大王は体に力を籠め、気を上げた。

「てめぇは引っ込んでろ。流石に過剰戦力だ。」

そういわれたので俺はおとなしく下がった。俺とともに悟飯も下がろうとしたのだが、バーダックに引き留められた。

「悟飯、お前は戦うんだぞ?前に出てこい。」

「えっ!!でも僕さっき負けちゃったし...どうせ...今のままじゃ。」

「バカヤロウ。それでもサイヤ人の血を引いてるのか?悔しいとは思わねぇのか?いつまでも守ってもらえると思ってあまったれてんじゃねぇぞ。てめぇはもう立派な戦士だ。良いから黙って体を動かせ!!」

「は...はいっ!!」

「くたばれ!!サルどもが!!」

コルド大王はバーダックに向かって突っ込んでいった。

「遅せぇ。」

バーダックは突っ込んできたコルド大王の背後に移動し、背中からラッシュを浴びせる。

とてつもなく激しい連撃の中に悟飯は入る余地が無く、ただ突っ立っていることしかできていなかった。そんな悟飯を見かねたのかバーダックはコルド大王を悟飯の方へと蹴り飛ばし、試すような眼をして悟飯を見た。

飛んでくるコルド大王と、自分を試すバーダックを見た悟飯は目の奥に決意をたぎらせ、コルド大王をバーダックの方へと蹴り返した。

バーダックは表情を柔らかくすると

「なかなかやるじゃねぇか、さてと、せっかくいいパスを貰ったんだ。応えてやらねぇとな。」と言い、コルド大王を地面へと蹴り飛ばした。
コルド大王は急速に地面へと墜落していき、地表に大きなクレーターを開けてその中心で地面に埋もれた。

「ち...ちくしょーーー!!!!」

コルド大王は激高すると、地面から飛び上がった。

「このワシがたったサルに二匹に....!!!」

「いい加減テメェらの時代は終わったんだよ。とっとと地獄へ落ちやがれ。」

「誰が地獄へ落ちるか!!その言い方からすれば貴様はフリーザを倒した奴らの一人であろう!!ここで貴様らを殺せば、我が一族は宇宙に永遠と栄光を掲げれる!!」

「実力も中途半端にしかない老人になにができるってんだ。」

「ふっふっふ...ワシもなめられたもんだ。若造が。ワシにはフリーザとは違い年を多く重ねておる。貴様らを直接殺さずとも始末することなど容易い。」

コルド大王は空中に大きく飛び上がると、右手から気功波を放った。俺たちのいない反対側の遠くへと。

「なっ⁉しまった!!」

バーダックはそれが地球へ向けた攻撃だということを察すると、地を思いっきり蹴って食い止めに行った。だがその距離は途轍もなく遠く、まったくもって追いつける気がしない。

「ワサビーーーーーッ!!テメェも何とかしやがれーーーーーーーッッ!!!!」

バーダックの咆哮によって意識が覚醒した俺は思考を始めた。

バーダックに追いつけない距離だ。今更俺が行ってどうこうできるものじゃない。ならば瞬間移動で大本を叩きに行くか?だめだ....大本を叩いてもそれまでに放たれた気功波で地球が壊れちまうかもしれねぇ。そんな賭けには出れない。考えろ...ドラゴンボールの知識から...あの距離を一瞬で移動する方法を...

俺が考え抜いた結果、禁忌ともいえる方法に手を伸ばそうとした瞬間。

悟飯の声がその場に轟いた。

「お父さんたちが守ってきた...地球をお前なんかに壊されてたまるかーーーーーーっっっ!!!」

悟飯がそう叫び、俺が悟飯のいた場所に目を向けた瞬間、その場には土煙一つなく、俺が急いで気功波の方を見ると、片手で気功波を打ち消した悟飯の姿がそこにあった。
悟飯の黒髪はほのかに金色に染まっており、気も金色に近くなっていたが、それはすぐに消え去った。スパークがほとばしっていたように見えたのは気のせいだろう。

....見えなかった。戦闘力なら現時点で1.2を争う俺が見えなかったのだ。超サイヤ人になった状態で超サイヤ人に慣れていない悟飯の姿が。
バーダックもそうだ。悟飯を見るその目は茫然としており、それでいて好奇心に駆られている。
奴のことだ。今すぐにでも悟飯と戦いたいのだろう。だが、それはだめだ。悟飯を育てたのは俺なのだからまず初めに俺が戦うべきだ。

ふざけている場合ではないか。ただ一つ言えるのは、悟飯はこの場で一つ殻を破ったということだろう。まったく...嬉しいねぇ。亀仙人様もこんな気持ちだっただろうか。

「悟飯、やるじゃねぇか。正直俺たちには出来なかった。そうだろ?ワサビ。」

「ああ、まったくだ。悟飯、助かった。礼を言わさしてくれ。ありがとうな。」

「いえ、僕だって何が起こったのか分からなくって...ただ気づいたときにはここに。」

「それでもいいんだ。今のでお前は気づけてなくてもお前の体はきっとコツを掴んださ。こっからものにしていけばいい。」

「はい!!」

「さてと...ケリをつけるとするか。行くぞ、悟飯。」

「ま...待て!!ワシが悪かった話せば分かる!!ワシの権力のすべてを貴様らにやろう。人生を何十回繰り返しても遊びつくせるほどの富を!!」

「まったく...貴様らは最後に絶対命乞いをしなければいけねぇのか!!自分のケツぐらい自分で吹きやがれ!!」

バーダックが右足をコルド大王の腹にたたきこむと、その後ろから悟飯が飛んできて腹に何度もラッシュを浴びせる。腹部に浴びせられた強烈なパンチによって浮いた両腕はバーダックに背後から掴まれ、バーダックの前の方へと投げ飛ばされた。

そして二人で足並みをそろえてコルド大王を蹴り飛ばす。初めてでここまで合うのはやはり血筋だろう。

「合わせろ!ご飯!!」バーダックはそう叫ぶと、コルド大王の上空を陣取った。
悟飯もバーダックを追いかける。

「ただでは終わらんぞサイヤ人!!!全力で貴様らを殺してやる!!」

コルド大王は死なばもろともぐらいの勢いで全身のすべてに気を右手に集め、バーダックたちに向けて放った。

「打ち返すぞ!!、って何頭に手をもってきてんだよ、もっと力の入るポーズとかねぇのか?一応敵のフルパワーだぜ?...テメェの親父の技、あれ程汎用性の高ぇ技はなかなかないぜ?もうわかるだろ?行くぞ!!全力でやれ!!」

バーダックと悟飯は空中でお互いに片手を並べると叫び始めた。

『か.......』その叫びは大地を揺るがし、『め.......』その光は希望を照らし、
『は.......』その気は嵐のように高まり、『め.......』その魂は悪を滅する。

「まったく....粋なことするじゃねぇか。アツいな...やっぱカッコいいよな....」

光は太陽のごとく燃え上がり、最大限以上に高まっていた。

『波ァァァァーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!』

二人の放ったかめはめ波はコルド大王の気功波を容易く飲み込み、更にコルド大王も飲み込み。
何一つ言わせる間もなく完全に消し去った。
地面からは青い火柱が立ち上り、地球から放たれた光が宇宙一帯を数秒間光輝かせたと噂になったようだが俺達には関係ない話だ。

俺は戦った二人の戦士の所まで労いの言葉をかけに行った...ら....おもっくそ殴られた。

痛い!!なんで!!

「忘れたとは言わせねぇぜ?言っただろ。お前を尋問してやるってな。」

ああ、さっきの地球破壊のひと悶着のせいでうっかり忘れていた...ひでぶっ!!!!

「ったく...調子が狂うぜ。さて、聞かせてもらおうか。悟飯一人でたたかわせた理由をな。」

バーダックがすっかり保護者になってるなと思いながら、バーダックに説明を開始した。
ちなみに悟飯は疲れたようで寝ている。バーダックならまぁ話してしまっても大丈夫だろう。
というかコイツ勘良すぎるから遅かれ早かればれていただろうしな。

「なるほどな。人造人間と最悪な未来か。それにしてもカカロットが病気で死ぬってのはなかなかキツイもんだな。サイヤ人ならせめて戦いの中で命を落としてほしいが。まぁ老死が一番だがな。」

「で、それを防ぐためにテメェは頑張ってるわけか。」

「まぁそういうわけだな。」

「つーかなんでテメェはそこまで知ってやがる?初めからそうだ。テメェは未来のことをほぼ全て知ったうえで行動しているような気がする。」

「あ~えっとそれはだな....」俺が返答に困っているとバーダックが口を開いた。

「そんなに狼狽えなくてもいいじゃねぇか。言いたくねぇなら言わねえでも構わねぇさ。されにこだわってるわけでもないしな。まぁどうせ未来視みたいな能力をテメェもつけられたんだろ?」

バーダックが勘違いをしてくれたのでもうそれでいいだろう。というかあながち勘違いでもない?最初にすべて見るか小分けに少しずつ見るのかの差ぐらいだろ?

「まぁ、テメェが頑張ってるとこ悪いが俺はしばらく宇宙を旅させてもらうぜ。」

ん?え?どゆこと?初耳である。

「あ?だから宇宙を旅するっていってるじゃねぇか。目的なんか言わなくてもいいだろ?まぁしいて言うとすりゃ...やりてぇことが見つかったってわけだ。」

「そうか...」

「なんだしけた顔すんなよ。人造人間だろうと最悪の未来だろうと、カカロットに悟飯がいれば何とかなるさ。だってあいつらは俺のガキなんだからな。それにテメェもいるんだ。何とかしてくれるだろ?俺は元々死んでる身だ。俺は俺の好きなようにやらせてもらうぜ。」

バーダックの言葉の圧に俺は無言でうなずいた。なによりあの言葉は俺を頼っている証拠だ。
それが何よりもうれしかった。

「さてと、俺はもう行くぜ。」

バーダックは後ろを向くと空を飛ぶ構えをとった。

「バーダック!!」

俺が声を呼ぶと振り向くことはなく足を止めた。

そうして俺は宣言をする。

「次は俺が勝つ!!」

「フン...上等だ。かかって来やがれ。」

そうして俺たちは別れを告げた。次に来る再開へと向けて。





空を飛ぶ途中。バーダックは懐かしい現象に再び遭遇した。
急な脳を殴るような痛みに悶えた瞬間。走馬灯のように知らない記憶は脳に流れ込んでくる。

薄い紫色の髪をした剣を持つ青年。2人の機械のような人間。そして体中に黒い斑点のある緑色の巨大で凶悪な敵。そしてその中で戦う自分の姿。

そして...紅に染まった一人の人間の姿。

「面白れぇ...」

膨大な情報に空中で体制を崩したバーダックだったが、すぐに立て直し飛ぶスピードをさらに速めた。

「サイヤ人の本能か...更に鍛えておくか。まったく...わくわくしてきやがるぜ...」 
 

 
後書き
私がこの小説を書いている間にドラゴンボールレジェンズっていうスマホアプリ(ドラゴンボール好きなら知ってるような気もするけど。)に新しいキャラで悟空&バーダックが出てきたんですけどね、ストーリーからキャラの演出、(性能は初心者だからわかんないけど強そう)がものすごくよくって、何よりもガチャ画面のBGMがソリッドステートスカウターだったりしてね、バーダック好きにはたまらないんですよね~
それになんか友達が年末にゴジータ4が出るかもとか言ってて、好きなキャラ2ピックで出してくるのがマジでアツすぎてヤバい(脳死)


・フリーザとコルド大王

フリーザはナメック星での戦いで死にました。流石に超サイヤ人悟空+バーダックになるとしぶとさが桁違いでも耐えられませんでした。もし耐えていても更に星の爆発も食らっていますし。
完全にフリーザは詰んでいました。

その復讐兼ドラゴンボール集め兼地球征服できたのがコルド大王。ちなみにクウラはいません。
なんででしょうね?コルド大王はフリーザに勝ったサイヤ人を倒すため4か月も修業したらしいのですが、慢心やら老化やらで戦闘力は1億ぐらいになっています。超サイヤ人の敵ではないですね。
ちなみにコルド大王が新生フリーザ軍と言っているのを見ておかしいなと思った人(自分もそう思った)もいるかもしれないですけど、ゼノバースの方でフリーザ一族という種族で設定されているようなのでフリーザ軍でいいかな...って。コルド軍がしっくりときませんでした。

・トラ〇クス
コルド大王は来ましたが、諸事情によってスルーします。  <ハァッ☆!!
言ってしまうと次の話で出てきます。良かったね!!絶望の未来は来ないみたいだよ!

「イケメンすぎるんですよ...僕が!!これからこの小説はこの超絶イケメントラ〇クスのものに...
ピャャャァーーーーーーーーーーッッッ!!!!」        
なりません。



・バーダック×悟飯のかめはめ波

これは書いてるうちにレジェンズの悟空&バーダックが出たりして入れたくなってノリでぶち込みました。カカロットをやっている時に、悟飯がセル編後半ぐらいでかめはめ波を覚えてたのですが、だったら今覚えさせても変わらんやろと思って、悟飯、そしてバーダックに撃たせました。
バーダックもかめはめ波は見たことあるだろうし、ゼノバース2のカスタムでもTPメダル購入で変えたので、かめはめ波を撃ってもらいました。完全に私の趣味です。私は満足しました。ヨシ!

先日、初めて作品に対する感想を頂きました。ありがとうございます。
初めての作品なので、至らぬところが多いと思います。些細なことでも、感想でも、アドバイスでもなんでもいいので、コメント、更には評価の方を頂けると励みになります。
これからもこの作品をどうぞよろしくお願い致します。 
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