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イベリス

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第百二十五話 品選びその一

               第百二十五話  品選び
 咲は喫茶店のマスターから近藤のことを聞いていった、そして彼の好きなものの具体的なことを把握していった。
「ハンバーガーはビッグマックですか」
「それが好きでお握りは梅干しだよ」
「わかりました」 
 言われてメモもしていった。
「それでベルトは黒ですか」
「一番好きな色はな」
「覚えておきます」 
 このこともメモした。
「絶対に」
「それでヒヤシンスはな」
「大きなのですね」
「色は何でもよくてな」
 それでというのだ。
「あと渋谷だとな」
「ここならですね」
「ヒヤスンスのいい店はな」
 マスターもそのことを話した、その店の名前を場所を話した。
「そこだよ」
「はい、行ってきます」
「それで何時何処で告白するんだい?」
 咲にこのことを尋ねた。
「一体」
「ええと、色々考えたんですが」
 そのうえでとだ、咲はマスターに答えた。今は彼が前に話した紅茶をミルクを入れて飲みながら話をしている。
「交番に行って」
「あの人がいる時にだね」
「それで、です」
「金曜日にかい」
「行って来て。事前におられるか確認もして」
 交番の方をというのだ。
「それで、です」
「告白するんだな」
「そうします」
「そうか、まあな」 
 マスターは咲の話を聞いて腕を組んで考える顔になって述べた。
「そうした方がな」
「いいですか」
「ああ、プライベートな場とかな」
「私知らないですし」
「知ってたら何だってなるだろ」
 その様にというのだ。
「嬢ちゃんが知ってるんだってな」
「そうですよね」
「若し知ってたらな」
 その場合はというと。
「ストーカーかってな」
「思われますね」
「ああ」
 実際にというのだ。
「今はな」
「そうですよね」
「ストーカーって思われたら」 
 その時はというと。
「もうそれだけでな」
「大きなマイナスですよね」
「もうその時点で終わりってな」
 その様にというのだ。
「思ってもいいさ」
「そうですね」
「そこまで考えるとな」
「交番に行ってですか」
「言った方がな」
「いいですね」
「そうだな、それに俺もな」
 マスターもというのだ。
「あの人のプライベートの場所とかはな」
「ご存知ないですね」
「家とかな」 
 そうした場所はというのだ。
「知らないからな」
「だからですね」
「交番に行ってな」
「告白します」
「それでその時はか」
「ハンバーガーやお握りやベルト買って」
 そうしてとだ、咲は答えた。 
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