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それは双六だ

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第四章

「もうな」
「それになるわね」
「じゃあルーレットを回して」
「出た分だけ動かしましょう」
「そうしような」
 夫婦で話してそれぞれの駒も選んでだった。
 ゲームをはじめた、最初に決められた金ゲームの中のそれも持ってはじめた。そのうえで駒を進めると。
「お金貰ったぞ」
「私は落としたわ」
「儲かったな」
「私は損したわ」
「止まったマスによって何かあるな」
「お金のこと以外に怪我とかもあるわね」
「ああ、一回休みとかな」
 そうしたこともというのだ。
「あるな」
「そうね」
「それで出世もな」
 それぞれの職業でというのだ。
「あるな」
「そうよね」
「当然降格もあるな」
「何かそれ見たら」
 妻は言った。
「まさにね」
「人生だな」
「結婚もあるしね」
「子供も出来てな」
「祝言もあって」
「お金貰ったり出したりな」
「お家も買って」
 そうしたこともあってというのだ。
「車も買って」
「財産も出来て」
「色々あるな、駒が進む度に」
 その都度というのだ。
「何もないマスもあってな」
「あるマスに来たら」
「人生の節目みたいなこともあるな」
「そうね」 
 妻が観てもだった。
「あるわね」
「ああ、これは面白いな」
 虎次郎はしみじみとした口調で述べた。
「これは」
「そうね、あの子達も遊んでたのよね」
「楽しそうにな」
「その価値はあるかしら」
「あるな」
 実際にというのだ。
「これはな」
「面白いしね」  
 妻にしてもだった。
「やってみたら」
「ああ、じゃあお互いあがりまでな」
「いきましょう」
「遊んでいってな」
 二人で話した、そしてだった。
 共に遊んでいった、すると先に妻がゴールに辿り着き次に夫がだった、二人共それぞれの家庭と財産を持ったうえでそうした。
 そのゴールに辿り着いてだ、虎次郎は沙幸に言った。
「やっぱりな」
「双六よね」
 妻もこう言った。
「やってみたら」
「そうだな」
「お仕事とかお金とかあってね」
「色々加えられているけれどな」
「やってみたらね」
「双六だな」 
 妻に腕を組んで述べた。 
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