| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十七話 おみちの本その十七

「そっちも使ってです」
「色々な場所行ってるの」
「大宇陀とか菟田野も行きますよ」
 これまた奈良県の地名でした。
「宇陀市の中の」
「本当に色々行ってるのね」
「はい、何処も面白い場所です」
「新一君何処も好きなのね」
「奈良県はそうですよ、大阪も」
「どちらもなのね」
「京都も行ったことありますけれど」
 こちらもというのです。
「好きで神戸も」
「好きなのね」
「そういえば嫌いな場所は関西ではあまりないですね」
 こう私に言いました。
「関東はあまり、でしたけれど」
「あっちも行ったことあるの」
「はい、ですがぱっと見て物価が高くて」
 東京の辺りだと思いました、東京は関西に比べて物価が高いです。
「それで寒くて巨人ばかりなんで」
「新一君巨人も嫌いだったわね」
「この世で一番嫌いなんで」
 嫌いなものは徹底的に嫌い抜くこの子がこの世で一番嫌いとなるともうとんでもないだろうと聞いて思いました。
「ずっと負けて欲しいですね」
「巨人の本拠地だしね、あっちは」
「東京ドーム見てりっぷくしました」
「それでなのね」
「関東は馴染めない」
 私にはっきりと言いました。
「そう思いました」
「根っからの関西人なのね」
「そうですね、おうどんも駄目ですし」
「あの黒い?」
「本当に墨汁みたいに黒いんですよ」
 東京のおうどんはというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧