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ドリトル先生の落語

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第十幕その十

「あれではね」
「全くよね」
「番組制作の人達も出ている人達も面白いと思っていないならね」
「面白い筈がないし」
「誰それっていう不愉快なだけの人達ばかりでも」
「面白い筈がないわ」
「そうだね、そういえば僕達もね」
 先生はちゃぶ台のテレビを観て言いました。
「最近チャンネルを点けてもBSとかばかりだね」
「時代劇チャンネルとかね」
「スポーツの実況とかね」
「そういうのばかりで」
「普通の民放観ないね」
「NHKも番組によるわ」
「そうだね、兎に角ね」
 先生は眉を曇らせて言いました。
「今のテレビはね」
「面白くない」
「それに尽きるね」
「民法は特にね」
「そう言うしかないね」
「そうだね」
 こうお話してです。
 皆で晩ご飯のお話をしようとしたらトミーが言いました。
「実は王子から電話がきまして」
「王子からなんだ」
「日本の料理人の方から河豚を貰ったそうで」
「河豚なんだ」
「それを持って来てくれるそうで」
「へえ、そうなんだ」
「それで河豚鍋をしようとなりまして」
 それでというのです。
「僕がお鍋の食材を買っておきました」
「もうだね」
「お葱に白菜にお豆腐に茸に糸蒟蒻をです」
 こうしたものをというのです。
「全部です」
「買っておいたんだ」
「それで今晩は皆で」
「河豚鍋だね」
「そうなります、てっさもです」
 こちらもというのです。
「あるそうです」
「お刺身だね」
「そうです」
「いや、落語でもね」
「河豚は出ますね」
「そうなんだよね、これが」
 先生はトミーに笑顔でお話しました。
「面白いことに」
「本当に面白いですね」
「それでね」
 先生はさらにお話しました。
「あたるお話もね」
「やっぱりありますね」
「そうみたいだよ」
「そうなんですね」
「それで僕が面白いと思うのは」
 河豚についてというのです。
「鉄砲と呼ぶところだよ」
「こちらで、ですね」
「そう、関西でね」
「あたると死ぬからですね」
「鉄砲もあたると死んで」
 そしてというのです。
「河豚もね」
「あたると死ぬということで」
「そう呼ぶのがね」
「面白いですね」
「いい語呂合わせだよ」
「駄洒落みたいですね」
「言葉遊びといえばね」
 そう考えると、というのです。
「これはね」
「まさにそれですね」
「そしてね」
 さらに言う先生でした。 
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