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ドリトル先生の落語

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第八幕その七

「こちらの落語には鯖も出て来るね」
「へえ、そうなんだ」
「このお魚もなんだ」
「落語に出るの」
「そうなのね」
「大阪では昔からよく食べるからね」
 その鯖を食べつつ皆にお話します。
「だからだよ」
「それでなんだ」
「鯖も落語に出るんだ」
「成程ね」
「食べものもネタになるけれど」
「鯖もなんだ」
「そうなんだ、それでこうしてだよ」
 先生は鯖の上に乗せた大根おろしも食べて言いました。
「今も食べていてね」
「ネタにして」
「落語家さん達はお話してくれるんだね」
「そうなんだね」
「そうなんだ、それとね」
 先生はさらに言います。
「バッテラってあるね」
「あっ、お寿司だね」
「鯖を使った四角いお寿司」
「握り寿司とはまた違う」
「箱寿司っていうのよね、あれ」
「そうだったわね」
「バッテラもね」 
 このお寿司もというのです。
「大阪のものだよ」
「他の地域にはないんだ」
「大阪名物だったんだ」
「そうだったのね」
「船場ではお吸いものもあるしね」
 鯖のというのです。
「大阪は鯖もだよ」
「よく食べるんだ」
「バッテラにもして」
「そしてお吸いものにも」
「そのうえで落語のネタにもする」
「そういうことだね」
「そうなんだ、あと河豚もね」  
 このお魚もというのです。
「食べていたしね」
「そうそう、鉄砲」
「当たると死ぬからそう呼んで」
「それでも食べていたね」
「大阪だと」
「江戸では禁じられていて」
 こちらではというのです。
「食べていなかったけれどね」
「大阪じゃ違ったんだ」
「河豚も食べていたんだ」
「昔から」
「こちらでも禁止されていたみたいだけれど」
 それでもというのです。
「ほら、大坂は町人の街でね」
「ああ、お侍さんが少ない」
「それこそお侍さんに一生会ったことがない人がいる位」
「それじゃあ警察だった奉行所の目もね」
「あまりなくて」
「こっそり位ならね」
 それならというのです。
「食べる人がいたみたいだよ」
「成程ね」
「大阪じゃそうだったんだね」
「鯖も食べて」
「河豚もだったんだ」
「他には牡蠣の土手焼きもあってね」
 こちらのお料理もというのです。 
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