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転生!DORAGONBALL THE WORLD!!

作者:山葵。
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人造人間編
  第十九話 亀仙流の教え 弟子2人の超バトル!!

 
前書き
どっどどどどおどどっどどらごnぼーるあおまんdらh...アアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!

ドラゴンボールの新作アニメ、ドラゴンボールDAIMAの放送がけってぇしたァァァァァァァァァァ!!!!!!

私が初めて見たのはブウ編からでその後GT、超、そして漫画で無印からブウ編ラストっていうなんかようわからん順で見た人なんですけど、予告ムービーの初めにGTの超サイヤ人4悟空が出てきたの、アレはやばかった鳥肌がぶわぁ~って。
まぁそんなことはどうでもいいんですよ。ドラゴンボール新作アニメ決定おめでとう!!
DAIMAが来る前にこの小説が終われればいいなぁ~先クッソ遠いけど(゚∀゚)アヒャ 

 
今は朝の6時。すっかり早起きの習慣が身についてしまったようだ。
俺はベットから起き、身支度を整え、朝食をとった。

「今日はみんなのところに顔を出しに行くか。」

そう独り言を呟くと、俺は15人前ほどの朝食を一瞬でほおばり、外へと出た。


街を抜け、遠く離れた山地についた。ここはパオズ山だ。こんな山の中にはポツンと家が建っていた。
そこは悟空達孫一家が住む家だ。
俺はその場所目掛け空を飛び、家の付近で武空術を解き地に足をつけた。

なぜ俺がここに来たって?そりゃ挨拶だよ。チチさんも心配してるだろうから悟空の安否を知らせておきたいし、小さい頃の可愛い悟飯ちゃんにも悟飯ちゃんにも会いたいからね。ぐへへ...

というわけで扉の前に立ってドアをノックしようとしたら、何やら家の中から縄がしゅんしゅんと唸っている音がした。何かその音が気になったので見に行くと、一人のスーツを着た男性が悟飯を鞭でぶっていた。

「オラオラ!お前みたいなサルは殴られねぇと理解できないようだな!まったく、お前の父親の顔がみてみたい!」
現代の教育に合わないような虐待教育が目の前で起こっていた。
悟飯は一か所だけ傷を負っており、額から血を流していた。

「お父さんを...お父さんを悪く言うな!!」
悟飯は父親のことを悪く言われたことに怒り立ち上がった。

「な...なんだ...その目は!!私は家庭教師だぞ!!全く、これだから野蛮な奴は...」

「ほら席に着け!!まだ10ページしか終わってないぞ!あと90ページが最低ノルマだ!!」

そういい、もう一度狂師が鞭を振るった。
しかしその鞭は動かなかった。
なぜかって?俺が握っているからだ。

流石に我慢の限界(この間わずか十秒。)で、瞬間移動でつい部屋の中に入ってしまった。

狂師は急に鞭が動かなくなったことで態勢を崩しその場に転んでしまった。

「えっ...?」

悟飯は衝撃に備え目をつむっていたが、衝撃が来なかったのと派手な転んだ音が聞こえたので目を恐る恐る開けた。

「えぇっ⁉ワサビさん!!」

悟飯は喜んだ顔を見せてくれた。ああ~心がぴょんぴょんするんじゃ~

「誰だ!!お前は!まさかこのサルの父親か⁉」

仮に俺が父親だったとしてその目の前で子供をサルと呼ぶ神経の図太さだけは見てめてやらんことでもない...ってこれ俺舐められてる⁉

「違うな。俺は悟飯の父親ではない。」

「じゃあお前は部外者だ。私の教育に文句をつけないでもらおうか‼」

「待てよ。俺は悟飯父親ではないといっただけだ。俺には別の役割がある。」

「なんだ..⁉」

「俺は、貴様を倒すものだ。」

狂師の腕を乱暴に掴み家の中を壊さないように瞬間移動で庭に出た。
そしてそのまま怒りの拳を狂師にぶつける。
拳はメリメリと狂師の顔面にめり込み衝撃で歯が何本か...いや、すべて砕け散ったようだ。
狂師は川へと真っ逆さまに吹っ飛んだ。水切り石のように水上で3回バウンドすると。川から打ち上げられ動きが止まった。狂師はピクピクとかすかにふるえていた。

あの様子なら顎周辺の骨も何本か逝っただろう。

「なんだべ!!何が起こっているだ⁉」

騒ぎを聞きつけチチさんが庭へ飛び出してきた。

冷静に、狂師を見下しながら言った。

「チチさん、この狂師、教師の立場だからって鞭で悟飯を何回も殴ってました。ちょっと...トドメさしていいですか?」

チチさんは悟飯の額から流血している血を見て確信したのか、表情が鬼のように変わった。

そして「なんだと...よくもうちの悟飯ちゃんを!!オラおめぇを許さねぇだ!!」とまるで悟空のようなことを言うとキレッキレの動きで狂師の懐に潜り込み正拳突きを叩き込んだ。
衝撃で吹き飛んできた狂師の両腕を俺はがっしり掴み、まるで台風のようにぶん回す。

「俺は優しいから街まで返してやる。二度とその面見せんな!!」

セリフと共に掴んでいる狂師を街の方向へ本気で投げ飛ばした。狂死の安否?知らんな。

「ふぅ...」と息をつき悟飯の方を見るとチチさんがすでにケアに行っていた。



「助かっただ!!オラとんでもねぇ奴を家庭教師にしてちまってたみたいで...悟飯ちゃん本当にごめんな。」

「大丈夫ですよお母さん‼それとワサビさん。助けてくれてありがとうございます。」

「たまたま通りかかっただけだからな。気にすんな。感謝だけはもらっておくぜ。」

「それでワサビさん。その髪の毛...もしかして染めただか?」

「へっ..?髪の毛?」

俺はもともと緑がかった黒髪だ。それはチチさんも知ってるはずだけど...

「ワサビさん。金髪になったんですね!」

「き...金髪?」

身に覚えがない。いや、あるわ。

「すみません、鏡見してもらえませんか?」

「ああ、それならあそこにあるべ。」

俺は鏡に行って髪の毛を見た。

「あっ...いつの間にか超サイヤ人になってますやん。」

「...悟飯君。俺っていつから超サイヤ人に?」

「え~っと...確か『俺は貴様を倒すものだ』って言ったあたりから...」

ふむふむ...なるほどなるほど。
つまり俺は超サイヤ人でまあまあ本気で殴ってそのままぶん投げたと。
.....死ぬくね⁉普通に。

通りで体が軽くて、高揚感があったわけだ。
俺は急いで超サイヤ人を解いた。

「え~っ!!ワサビさんが急に金髪から黒髪になっただ!!」


「もしかしてワサビさんもお父さんみたいに...」

「ああ、超サイヤ人になれるようになった。」

「凄い!!お父さんだけじゃなくてワサビさんもなれるなんて!!」

「なんだべ?その超サイヤ人ってのは。」

「ああ、それは...」

青年説明中

「どっひゃーっ!!その超サイヤ人になれば全てが50倍になるだべか!!」

「まぁそんな感じです。」

「でもオラなんか金髪は嫌だなぁ...不良みていで...」

「まぁ、でもこの金髪になったおかげで宇宙も地球も平和になったんですから。」

「そりゃそうだけんどよ...」

「それに金髪=不良ってわけでもないですしね。今やファッションにも生まれつきの個性にもなってますから。」

「時代の流れだべか...」

「ああ、それとさっきはすみませんでした。」

俺は頭をチチさんに下げた。

「なんでワサビさんが謝るべ、むしろ頭下げて感謝したいのはこっちのほうだ!」

「いやぁ...ついカッとなって家庭教師を...」

「あんなん家庭教師じゃないべ!悟飯ちゃんを傷つけるような奴を家庭教師として雇えるか!!」

「そうですよワサビさん。助けてくれてありがとうございます!!」

「そこまで言ってもらえるとと嬉しいです。」

「でも困っただ...悟飯ちゃんの勉強はどうするだか....」

「ああ、じゃあ俺がやりましょうか?」

「ええ⁉ワサビさん勉強もできるだか!」

「一応高校終了ぐらいまでは。」

「悟飯ちゃんはどうしたいべ?」

「僕もワサビさんに教えてほしいです!」

「それじゃあ決まりだ!ワサビさん、いやワサビ先生!悟飯ちゃんをよろしくお願いいたしますだ!」

「そんな、先生なんて。」

こうして狂師退治から自分が悟飯の教師になってしまったワサビ。果たしてこれからどうなってしまうのか!!(まだ終わりではない)


そんなこんなで翌日になりまして、俺は悟飯の家庭教師をしていた。

「ここの一次関数とここの一次関数の値を代入して連立方程式で解けば答えが出るぞ。」

「分かりました!!」

悟飯は僅か5歳にも関わらず、中学の範囲まで勉強が進んでいた。
やっぱり英才教育なんだな~と思っているといきなり悟飯が質問してきた。

「ワサビさん。なんで今も超サイヤ人になっているんですか?」

「これも修行の一環だ。超サイヤ人はパワーやらなんやらはめっちゃ上がるけどその代わり通常よりも燃費が悪ぃんだ。まぁ界王拳よりはいいけどな。だから体に慣れさせてんだ。」

「そうなんだ...」

まぁ正直まだ悟飯に超サイヤ人を教えるのは早いだろう。
そう思っていたのだが...

「ワサビさん!僕も超サイヤ人になってみたいです!」

「えっ?」

思ってもいなかった言葉が悟飯から聞けた。そもそも悟飯は戦うのが好きじゃなかったような...


「なんでそう思ったん?」

「だってカッコいいじゃないですか!お父さんみたいになりたいです!」

「ダメですか?(うるうる)」

悟飯は子供心ながらにフリーザと戦うお父さんを見てあこがれたのだろう。
いいじゃねぇか。燃えてきた。このうちの悟飯(妄言)を最強にしてやろう。
ていうかほんと可愛いな。もらっちゃおうかな...

「俺はいいし、うれしいけどお母さんに聞いてみないとな。」

だが、これが最大の敵であった。チチさんは過保護というか...(ドラゴンボールの世界観が異常なだけで正しい考え方だけども)超サイヤ人も嫌いだしなぁ、(そう言いながらワサビは常に疲れるまでは超サイヤ人になっています)説得は骨が折れるなぁ。

でもまぁうちの悟飯ちゃんが言っているのでお兄さん頑張っちゃうぞ!!(キャラ崩壊)

というわけで悟飯を連れてキッチンに向かったのだが、
「ああ、別にやってもいいだよ。」ともらえたのは意外に肯定的な意見であった。

「ただし、修行は息抜きぐらいでやることと、怪我はしねぇこと!」という2つの条件が課せられた。まぁその程度なら別に支障もないので悟飯と話し合って、勉強一日4時間、修行2時間で家庭教師をすることになった。


というわけで修行1日目。
まずは今の悟飯の体力をはかることにした。初めの戦闘力を知っておけば、上がったときにさらにモチベが上がるからな。というわけで悟飯の体力をはかるために組手をすることになった。流石に超サイヤ人になるとベジータでさえまともに戦えないので、超サイヤ人は解除した。

「よし、悟飯どっからでもかかってこい!!」

「はい!ワサビさん。お願いします!」
悟飯はペコッと礼をすると、いきなり真正面から突っ込んできた。子供といえど種族がサイヤ人なので舐めてると痛い目を見る。俺は悟飯の乱打を手先を使って器用にはじいたり、受け流す。

悟飯はただの乱打ではダメージが入らないと感じたのか、一歩下がった。
その判断はとてもいい。
次に悟飯は手を何度も前に突き出し気弾を乱射してきた。
結構な数の乱射だが、ダメージは精々どしゃ降りの日の雨程度であった。
というか、俺も修行の成果(改変エネルギーでもらったもの)がちょっと試したくなったので、気を体に貯め、体中を覆う球をイメージして展開した。ボワンっという音とともに緑色の球体が身を包む。

『ワサビはエネルギーフィールドを覚えた!!』

すごいなこれ。ノーダメージだし、気もあんまり使わないし。流石ブレイカーズ環境トップなだけはある。

悟飯はエネルギーフィールドを張ったことに気づいていないのかまだ気弾を連射していた。
格上へのグミうちはフラグなことを今度教えてあげよう、と思っていると最後に特大の気弾を放ってきた。一応エネルギーフィールドの強度を高めておいて地面をしっかり踏んでおくと、余裕で耐えることができた。だが、今の気弾にはあまり気が入ってなかったような...
巻きあがった煙の中でそんなことを考えていると、急に使ったからかエネルギーフィールドが解けた。
こいつにも慣れていかないとな、と思っていると、煙の影から悟飯が飛び出てきた。
さっきのは囮か!と気づいたときには悟飯は目の前に迫っており、反応が遅れたことで乱打を大量に受けてしまった。そしてフィニッシュに右足の回し蹴りをもらうと、山に激突した。

(舐めてると痛い目を見るって言っておきながら舐めて痛い目を見たな...流石悟空の息子だ。戦闘センスもピカイチだ。)

俺は体を起こし悟飯と再び対峙する。

「やるな、悟飯。今のは驚いたぜ。」

「僕だってやるときはやるんです!」
悟飯は分かりやすく、どや顔をしていた。これで体力と戦闘力は大体わかったのだが、お互いにまだ戦いをやめるつもりはなかった。サイヤ人の血が戦闘を求めているのだ。
俺たちはくたくたになるまで、ジャスト2時間戦いあった。

それから毎日、俺たちは勉強と修行を繰り返した。
修行については時々ピッコロやクリリンたちも交えてやったので悟飯も楽しそうに戦い、どんどん上達していった。


悟飯と修業を始めてから4日後、俺が地球に帰ってきてから5日後に俺はカメハウスにへとやってきていた。

「おお!こりゃワサビじゃないか。」

家の中でムフフな雑誌を読んでいた亀仙人は俺の顔を見ると表に出てきてくれた。

「気で戻ってきておったのは知っていたが...立派になったもんじゃのう。」

「ありがとうございます!亀仙人様!」

そんな話をしていると、家の裏からクリリンが出てきた。

「おお!ワサビ。来てたのか。」

「ああ、ちょうど今来たところだ。」

「こんな事を今言うのも変じゃが...元気にしとったか?」

「はい、おかげさまで何とか。亀仙人様もお変わりなくお元気で良かったです。」

「ほっほっほ、さて、ワサビよ。急にこっちに来よってなんかあったのか?」

流石は亀仙人様だ。一瞬で私の悩みに気づいた。

「はい、それが超サイヤ人になってから気はそのものの量はとてつもなく大きくなったのですが、如何せんその状態だと興奮状態になって気を抑えるのが上手くいかないんです。」

「なるほどのう...どれ、ちょっと超サイヤ人になってみぃ。ワシもどんなもんなのか気になっておったんじゃ。」

「分かりました。」

全身に力を入れて開放し、超サイヤ人へと変身した。
変身時間で言えば20秒といったところか。初めになった時よりは随分と早くなった。

「おお...これがあのフリーザを倒したという...超サイヤ人か。」

亀仙人はワサビの放つ次元が違う気の大きさに圧倒していた。
クリリンも少し慣れたとはいえ驚いている。

「フリーザを倒したのは俺じゃないんですけどね。」

「まったくすごい威圧感だ。それに、まだもっと気をあげれるのじゃろ?」

「はい、今は自分なりに気を抑えているつもりなのでまだ限界ではないですよ。」

「いやはや、長年生きていた中で一番の威圧感じゃ。」

「取り合えず、今のお主の力を軽く見せてくれんか?」

「いいですけどどうやって?」

「そりゃあの。クリリンよ!」

「ええ⁉俺ェ?」

「ちょっと軽くでいいからワサビと組み手をしてみなさい。」

「武天老子様!流石に今のワサビとは相手になりませんって!何ならまた死んでしまいますよ!」

「ええいそれでも武闘家か‼...まぁそりゃそうじゃ。ワサビよ。超サイヤ人のままで軽~く、本当に軽~く戦うことはできんか?」

「善処します!!」

「ほれ、ワサビもこう言ってることだし、さっさと戦わんか。時間は有限じゃぞ。」

「ああ、俺まだ女の子と付き合ってもいないのに...」

というわけでクリリンは大分嫌そうだが、海上で組み手をすることになった。

「いや~クリリン。お前と戦うなんて滅茶苦茶久しぶりだなぁ!!」

「ああ、そうだな。天下一武闘会の準決勝以来か。」

「ああ、あの時は負けちまったからな。リベンジと行かせてもらうぜ。」

「おいおい、昔と今じゃずいぶん違うんだから...お手柔らかに...せめて死なないぐらいで戦ってくれよ?」

「ああ、安心しろ。楽しもうぜ!!」

二人は構えを軽くとると、まずは互いに牽制として気弾を放った。
俺の気弾は数が少ないが、一つ一つにパワーがこもっていて、逆にクリリンのは球数が多かった。
しかし、球数が多くても気弾の密度はばらけているので、今の俺にはかすりもしないし、俺の気弾はクリリンの気弾を貫通していた。

「マジかよ、ここまで差が出るなんてな。」

クリリンは俺に通用しないことが分かり気弾を打つのを止めた。
それを見て俺も気弾を打ち終わる。

「今のでだいたい分かっちまった。今の俺じゃどうやってもお前には勝てない。」

「まさかお前がここまで強くなってるとは思わなかったぜ。けどな?まだあきらめたわけじゃないぞ!全力でお前と戦ってやるからお前も全力で来い!」

「おお!クリリン!」

クリリンは俺に言葉を言い終わるといきなりかめはめ波の構えに移った。
一気に決着を決めるつもりなのだろう。確かに長期戦は分が悪い。
だが、短期戦も分は俺にある。そのことはアイツもわかってるはずだ。一体どうするつもりなのか?

そんなことを考えつつ、俺もかめはめ波をため始める。

「「か め は め...」」

「「波ぁぁぁーーーーーっ!!!」」

二人の気功波が近づく。
しかし衝突することはなかった。

クリリンは気功波どうしが衝突する前にかめはめ波を上に曲げたのだ。
そして俺が放ったかめはめ波も空中にジャンプすることで交わした。

まさか...俺は急いで上を見る。自分のちょうど上空には青く輝くかめはめ波があった。
そのかめはめ波はクリリンが手を広げると辺りに拡散した。
クリリンは両手を大きく振りかめはめ波を操って流星群のように気功波の雨を降らせ始めた。

俺は落ちてくる気功波を咄嗟の判断のみで躱し始めた。幸いスピードは大いにある。着弾しそうだなと思ったところから離れることで何個か爆風によるダメージは受けたが、気功波をしのぐことができた。実は気を読んでそれから回避に専念することもできたのだが、そのことは頭になく、つい癖で上を見て躱してしまった。

そのことが裏目に出た。俺は上に、及び気功波に視界と集中を奪われ、クリリンの位置を把握できていなかった。

クリリンは低姿勢で背後から俺に近づき、サマーソルトキックを当て、俺を浮かす。
更にわざと一つ空中に留めておいた気功波を操り、俺に命中させた。
俺は焦って追撃を防ぐために簡易的なエネルギーフィールドを張って、クリリンの方を向いた。
だがクリリンは追撃をすることなく、ただ近づいてきただけだった。
そしてクリリンは額に手を当てる。やばい!!と思った時にはもう遅かった。
目をつぶる前に光と声が聞こえた。

「太陽拳!!」

とてつもなく眩しい光がエネルギーフィールドの中に入り、更にエネルギーフィールドがガラスのように光を超絶に反射しまくった。光のせいで目は一時的に見えなくなり、視界が真っ白になった。
とてつもなく目が痛い。更に光のエネルギーがエネルギーフィールドを通ったことで熱へと変わり、
まるで炎の中のように、身体を焼いた。上半身の道着が焼け落ちた。

「クリリンの奴...あのワサビをここまで追い詰めるとは...気の使い方だけはワサビより大きく上かもしれんな。」

今の行動は武天老子を唸らすほど凄かった。

クリリンは容赦せずに右手を上に掲げると円状の気の刃を作った。

「ワサビ、今俺は気円斬を構えている。お前は目が見えないはずだ。どうだ?参ったと言え!!」

(まさかあの隙に太陽拳を合わせてくるとは...クリリンも全然侮れないな。俺は超サイヤ人になったことで慢心していたみたいだ。さて、ここからどうする?瞬間移動でクリリンの背後をとるか?
いや、とったところでその後の攻撃が当たらないかもしれねぇ。目が見えない状態で近づくのは危険だ。だったら瞬間移動してすぐに気爆破でクリリンを吹き飛ばすか?いやだめだ。クリリンをこれで倒せる確証がねぇ。)

ワサビは思考をめぐらした。今までの経験を生かして打破をする策を考える。
そして一つの結論にたどり着いた。

「まだ参ったとは言えないな。なぜならここから勝てるビジョンが見えるからな。」

「そうか、なら食らいやがれ!気円斬!!」

クリリンは気円斬を放った。

気円斬は空気を切り裂きながらワサビの胴体に向けて迫る。
だがワサビは気円斬が来る前に大きくジャンプすることで躱した。

「ワサビ!!それで終わりだと思うんじゃないぞ!!」

クリリンが大声で叫び気円斬を気のコントロールで操り、再びワサビの方へ仕向けた。
クリリンも初撃は躱されるだろうと思っていた。だからこその二段構え。
今度はワサビがいる場所が空中だ。空中ではどんなに能力が高くても身体を動かしにくい。
今は気円斬の格好の的だ。

ワサビは今、目が見えない。つまり五感の内の一つを潰されている。
こんな話を聞いたことがないだろうか。視力を失った青年が聴力を武器にして、音楽関係で有名になったという話を。

一つの物を失ったことで一つの物を開花させる。これは今のワサビにも例外ではなかった。
ワサビは今、一時的に視力を失ったことで、別のものが急成長した。
それは気だ。今のワサビは視力を失ったことで相手の位置やその他もろもろの多くの情報が手に入らなくなった。だからこそ今ワサビに情報を与えられるのは気しかない。

ワサビはクリリンの気と気円斬の気をしっかりと捉えていた。


気円斬が後方から迫ってくる。このままでは右半身がえぐり取られるだろう。
ワサビは身体を左に動かした。クリリンは一瞬驚いたが、続けて気円斬をワサビに向けた。

だが一度よけれた技はもう通用しない。ワサビは真正面からくる気円斬を衝撃波で破壊し、クリリンの気がある方へ向き、かめはめ波の構えをした。

クリリンはまぐれだろうと思い、高速で逃げ回るが、ワサビの身体の向きがこちらを常に追っているのを見てその線を追うのは諦めた。

だったらかめはめ波が放たれる前に叩き落すしかない。
クリリンは岩場を蹴り、ワサビへと一気に近づいた。

だがその瞬間もうかめはめ波のチャージは済んでおり.....



「そこまで!!」

亀仙人の声がしたことでお互いが戦うのを止めた。

俺は手に溜めた気を空へと逃がし、超サイヤ人の状態を解く。
クリリンも気の開放を止め、亀仙人様のところへ向かっていった。俺も後を追いかけ、カメハウスに降り立つ。

「ほっほ、長生きはするもんじゃ。なかなかいい試合を見させてもらった。お前たちはどうだ?何か思うことはあったか?」

「そうですね、やっぱり超サイヤ人の力ってのはとてつもなく大きかったです。初見殺しの技を放ちまくったってのに、すぐに対応してきちまうし...」

「でも、やっぱ気の扱いはクリリンの方が大分上だと思わされたな~俺の行動を殆ど予測されて、前半は対処するのでいっぱいだったな。」

「そうか、さてワサビよ。クリリンとの戦いでお主の答えは見えてきたか?」

「はい、僅かですが。」

「ゆうてみぃ。」

「今の俺は気の上限が大きくなっただけで、気の扱いは全く変わっていなかった。だから今自分が持っている気を20%しか使えていない俺と100%で使えているクリリンとは大きな差ができていた。そこがやっぱり課題ですかね。自分の持っている気を把握して己と向き合うようにしてみます。」

「そこまで考えれていたらほぼほぼ完璧じゃ。今のお主は借り物の気を使っているようなもんじゃ。超サイヤ人になる前の気の扱いをその借り物の大きな気に当てはめているからズレが生じて気がうまく扱えておらん。これから頑張るのじゃぞ。」

「はい!亀仙人様!あと、超サイヤ人状態で気を消すにはどうしたらいいですか?やっぱり高揚感が身体を包んで少し冷静を欠いてしまって....」

「そりゃ簡単じゃ。今のお主は超サイヤ人のパワーを全力で出している状態で気を抑えようとしておるのだ。気の荒々しさで簡単に分かる。力を抑えるのに力んでいるまま弱めようとする奴なんておらんじゃろ?超サイヤ人という力に騙されず、今まで通りにやればいいんじゃ。」

なるほど。流石亀仙人様だ。俺が全く思っていなかったことを俺の思考までズバリと当てられた。

「少しやってみてもいいですか?」

俺はそういうと超サイヤ人になり息を吐いてリラックスすると体中から溢れる気を身体の内側に抑え込んだ。

「おお!ワサビの気がいつもと変わらないぐらいまでには減ったぞ!!」

確かに気は抑えられた。だが、通常状態で気を抑える時よりも身体から放たれる気の量が大きく、身体がすぐに爆発しそうな状態になった。俺は急いで超サイヤ人の状態を解く。

「はぁ...はぁ...危ねぇ....」

「うーむ。やはりその力は強大すぎてまだお主の体に慣れておらんのじゃ。ここからが頑張り時じゃぞ。ワサビ。」

「はい、この力を自分のものにして見せますよ。」

「その粋じゃ。ワサビよ、一つだけ言わせてくれ。」

「何でしょうか?」

「いいか、そのお主の鍛えているその力は他人を傷つけ、暴力を振るい他人を脅かすものにしてはいけない。その力は己を鍛え、高め、そして困っておるものを助けるためにあるのじゃ。」

「はい、心得ます。」

「そうか、亀仙流はお主とともにある。もう行くのか?」

「はい、私の疑問は解決してもらったので。悟飯も待っていますし。」

「そうか、たまには顔を見せに来いよ。」

「はい、亀仙人様もお元気で。今度はお茶菓子も持ってまいります。」

「ワサビ、また今度戦おうぜ!」

「ああ、クリリン。今度は完膚なきまでに勝ってやるからな!」

「それはこっちのセリフだ!」

「ああ、それでは。また今度。」

ワサビは空を飛び雲の先へと一気に姿が小さくなった。

それを最後まで見送ったクリリンは亀仙人にこう言った。


「武天老子様、俺にもう一度修行をつけてもらいませんか?」

「ほう、なぜじゃ?」

「ワサビと戦って、自分はまだまだこれからだなって思って。昔のようにアイツと対等に戦ってそして勝ちたいって思ったんです。」

「そうか、分かっておるだろうがワシの修業はちと厳しいぞ?」

「お願いします!!」

「そうか、ではもう一度お主を一から鍛えてやろう。」

クリリンの顔が笑顔に染まった。

「ありがとうございます!!」

「ちょうどブルマに頼んでおいた修業道具があったんじゃ。」

「それってどんな奴なんですか?」

「ほれ、お主も悟空と一緒につけておったじゃろ。」

「ああ!あの亀の甲羅か!」

「そうなんじゃが...ちと違う点があっての...」

「ゴクリ...」

「ブルマに頼んだら張りきったみたいで一トンの甲羅が贈られてきたんじゃ....。」

「い...一トン⁉」

「というわけでこれを着て昔と同じ...いやもっときつい修業をつけてやろう。」

「チクショウ...聞いてねぇぜ。でもやると決めたんだ!我武者羅にやってやる!!」

「ほっほ。その粋じゃ。」

亀の甲羅をつけて修業ををするクリリンを眺める亀仙人は(若さとはいいもんじゃのう...)と思い、一歩も動けていないクリリンを眺めていた。


<クリリンよ!このまま動けんままでおったら夕食を抜きにするぞ~!!

<ヒェ~ッ!!! 
 

 
後書き
はい、作者です。 一つ重大なことに執筆中に気づきました。
勘が良い方ならお気づきでしょう。そう、クリリンです。
原作ではクリリンはフリーザに殺された後、地球でのドラゴンボールで甦れず、(2回目の死だったから)ナメック星のドラゴンボールで生き返っていましたが、この作品ではそれをうっかり忘れていて、普通になんかいました。(∀`*ゞ)テヘッ
え~っと...凄い無理やり言い訳をすると、ワサビがタンバリンをなんとかしてクリリンが死ぬのを防ぎました!!
うん!防いだ!無印でクリリンは死んでいない!QED!!

.....すみませんでした。以後気を付けます。許して。


※教師の安否 

ぶち切れて超サイヤ人になったワサビに本気でぶん殴られて、挙句の果てに町までぶん投げられてしまった教師ですが、心の優しい方は教師の安否が気になるでしょう。
ですが安心してください。彼は生きてます。ギャグ補正があってよかったよかった。
話がずれますが最強のギャグ補正があれば魔人ブウだって倒せるんですかね。
アラレちゃんがそうでまさかのブルーのベジータをぶっ飛ばし、さらにブルー悟空と張り合うアラレちゃんは魔人ブウも倒せてしまうのか...まぁブウもどちらかといえばギャグより(他の敵に比べれば)ですしフリーザとたたかわせた方が勝敗が見えてきそうですが。

 
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