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バケモノクラゲ

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第二章

「レオでな」
「あれよね、主人公達の基地襲った」
「他にも大切な人襲ってな」
「滅茶苦茶したのよね」
「とんでもない奴だったよ」
「そうだったわね」
「あいつが実在したのかよ」
 真顔のまま言うのだった。
「すぐに光の国に連絡しろよ」
「いや、あの円盤獣じゃないから」
 円もそれは否定した。
「安心してね」
「そうなんだな」
「そうよ、確かに洒落になってない大きさだけれど」
「あんな大暴れしないんだな」
 この特撮シリーズでも屈指の暴れ様であったと伝説になっている。
「そうなんだな」
「幸いにね」
「だといいけれどな」
「ただ浮かんでるだけで」
 海の中にというのだ。
「しかもいるのは南極だし」
「ああ、じゃあな」
 南極と聞いてだ、加藤は何でもないといった顔になって述べた。
「もう好きなだけな」
「いていいのね」
「日本近海に出ないならな」
「それで浮かんでるだけなら」
「精々ニンゲンか南極のゴジラとかと戦ってな」
 難局にいる未確認動物達と、というのだ。
「凌ぎ削ってくれ」
「南極の海で」
「ヒョウアザラシの群れでもいいよ」
 アザラシであるが立派な猛獣である、人間も襲って来る。
「兎に角な」
「南極ならいいのね」
「ああ、しかしそんなクラゲがいるなんてな」
 このこと自体はとだ、加藤は円に神妙な顔になってこうも言った。
「やっぱり海は危ないな」
「そう言うのね」
「だからこれからもな」
「泳ぐならプールね」
「ああ、そうしような」
「私のこと考えてだし」
 円は自分の安全も考慮している加藤の気遣いに微笑んで応えた。
「それじゃあね」
「水遊びはな」
「プールね」
「今みたいにな」
 円に笑顔で言って彼女の乗るゴムボートを後ろからプールに入ったうえで押していった。そうして共に遊んだ。そうしたクラゲも他の生きものもいないプールは確かに安全で二人も心から楽しむことが出来た。
 そしてだ、加藤はプールを出て帰る時に円に笑顔で言った。
「また行こうな」
「そうね、温水プールだから冬でも泳げるし」
「何時でも楽しめるしな」
「そのこともあるしね」
「また行こうな」
「そうしましょう」
 二人で寄り添い合いながら話した、そのうえで帰っていったのであった。二人は何処も怪我をしえいなかった。


バケモノクラゲ   完


                     2023・9・19 
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