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夢幻水滸伝

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第三百十話 インジアナ州侵攻その十二

「三十万の兵でな、そして残る十万は」
「どうしますか?」
 ジェーンが尋ねた。
「その十万は」
「フォークナーが率いてな」
 残る星の者である彼がというのだ。
「ラファイエットから敵の本拠地のな」
「シカゴにですか」
「向かう様にや」
 フォークナーに顔を向けて話した。
「見せる、しかしな」
「あくまで今はですね」
「インジアナ南部の掌握や」
 そちらに力を入れるというのだ。
「そうするで」
「そうですか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「出来るだけ早くや」
「インジアナ州南部を掌握するのですね」
「それが済み次第すぐに今言った様に動くけどな」
 フォートウェーンそれにラファイエットの方に動くというのだ。
「今はな」
「その動きを見せるだけですね」
「ああ、ボーム達も敵がフェートウェーンにおるとな」
 この街にというのだ。
「迂闊にデトロイトまで進めん」
「そうなりますね、若しデトロイトに向かえば」
「フェートウェーンから攻められるからな」
 その敵軍にというのだ。
「そやからな」
「だからですね」
「ここは動かん」
 ボーム達もというのだ。
「トレドからリマのラインでな」
「止まりますね」
「そうなる、しかしな」
「それでもですね」
「インジアナの南を迅速に掌握して」
「大軍をそれぞれ動かしますと」
「二人もや」
 ルイーザとギンズバーグもというのだ。
「どうしてもや」
「対処の仕方が限られる」
「シカゴに兵を向けられますと」
 ヴォネガットが敵の立場になってみて考える顔で話した。
「危ういですね」
「そうなるな」
「はい、今あの街の守りは手薄です」
「ほぼないに等しいわ」
「左様ですね」
「そこでシカゴにまで兵を向けるとな」
「すぐにシカゴまで戻る」
「そうするしかないわ」
 本拠地を攻め落とされる訳にはいかない、それ故にというのだ。メルヴィルはそうしたことも頭に入れて話した。
「まさにな」
「そうですね」
 ヴォネガットもそれはと頷いた。
「そうなれば」
「今すぐにでも十万でも兵を向けたいが」
 フォートウェーンそしてラファイエットからシカゴにというのだ。
「物事には順序があってな」
「補給路や工法の安全を確保する為にも」
「まずはな」
「インジアナ州の南部をですね」
「掌握するで」
「ではすぐにです」
 ここでジェーンが提案した。
「州の南部の街や村にです」
「使者を送ってな」
「そうして降る様に言いますね」
「それで喧伝もな」
 自分達のそれもとだ、メルヴィルは話した。 
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