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寿司屋とフレンチでの同窓会

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第一章

                寿司屋とフレンチでの同窓会
 その提案を受けてだ、寿司屋の息子である杉本幸夫長方形の顔で黒髪を短くした穏やかな顔立ちの一七〇位の背の彼は提案してきた高校時代のクラスメイト名倉知憲大柄で四角い顔に小さな目と唇がある黒い癖毛の彼に言った。
「同窓会をうちでやるのはいいけれど」
「それで二次会はお隣のフレンチでな」
 名倉は杉本に呼んだ喫茶店の中で一緒にコーヒーを飲みつつ話した。
「そう考えてるんだよ」
「お寿司にフレンチだね」
「豪勢にな」
「同窓会やるんだ」
「俺が幹事だからな」
「どうしようか考えて」
「それでな」 
 そのうえでというのだ。
「一度ゴージャスにって思ってだよ」
「丁度僕の家がお寿司屋で」
「隣がフレンチだしいいと思ってな」
「うちでやるのは嬉しいけれど」
「金が高くなるか」
「そこはいいの?」
「高くなっても美味いし楽しめるだろ」
 名倉は強い声で言った。
「そうだろ」
「味には自信があるよ」 
 杉本は自分の店の味については確かな声で答えた。
「お父さん凄いから。僕だって」
「ああ、お前も自信あるよな」
「それでお隣さんもね」
「フレンチも評判だな、どっちもぐるなびとかホットペッパーの口コミでも評判いいし」
「それでなんだ」
「ああ、ハシゴでいくな」
 名倉は笑って言った。
「そうしていくな」
「値段はいいんだね」
「どっちも一番いいコースでいくな」
「うちもお隣も飲み放題つけなくても一万オーバーするよ」
「それでもだよ、皆には口コミの話もするしな」
 ぐるなびやホットペッパーのそれをというのだ。
「それでな」
「来てもらうんだね」
「それぞれ参加費用持ってな、それぞれのコースの料金な」
「団体だったらどっちも割引あるよ」
「じゃあその分の参加費ってことでな」
「お金はきっちりとだね」
「これは揉めない様にな」
 名倉も社会人だ、それも常識あるそれなので弁えていた。
「やってくな」
「そこまで言うなら」
「まずはそっちでな」
 杉本の店でとだ、こう話してだった。 
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