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夢幻水滸伝

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第三百八話 ケンタッキー州占領その十四

「そんな状況でも諦めんとどうする」
「といいますと」
「そやから圧倒的な劣勢下でそうなるとや」 
 諦めず戦うならというのだ。
「一体や」
「どないして戦うかですか」
「そや、自分やとどうする」 
 貝殻の向こうのボームに問うた。
「一体」
「ワテクシならウルリクルミを駆使しますね」
 ボームは考えながら答えた。
「夜にでも敵軍に向けて」
「攻撃するな」
「はい」
 そうするとだ、ボームは述べた。
「そうします」
「そやな、それでルイーザちゃんはネクロマンサー、ギンズバーグは牧童や」
「それぞれアンデットと獣やモンスターを使役しますね」
「そうした職業やな」
「事実ルイーザさんは先の戦闘でアンデットを使いました」
「ギンズバーグは防衛ラインを敷いたけどな」
「そうでしたか」
「しかしあいつの本領はな」
 牧童としてのそれはというのだ。
「やっぱりな」
「獣やモンスターを使役することですね」
「内政でもそうしたモンを使役してや」
「特に牧業や酪業に力を発揮するやろ」
「はい、基本内政向きの職業ですね」
「牧童はな、しかし戦をする時もな」 
 即ちこの度の様にというのだ。
「しっかりとな」
「獣やモンスターを使えますね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「この度もな」
「そうしてですか」
「戦うことをな」
 このことをというのだ。
「予想出来るやろ」
「アンデットやモンスターで劣勢を補いますか」
「それもな」
 メルヴィルは鋭い目と声になって話した。
「後方や油断した時を衝く」
「ゲリラ戦ですか」
「ゲリラ戦の一つや、少数の戦力ごとに敵の弱い部分や油断を衝いてな」
「攻めるのですね」
「それも一撃離脱でな」
 そのやり方でというのだ。
「徐々にダメージを与えかつ精神的消耗も計る」
「それをしてきますか」
「ゲリラ戦は軍服を着ないで民の間に紛れて仕掛けるやり方もある」
 メルヴィルもこちらのゲリラ戦の話をした。
「しかしあの二人はや」
「そちらのゲリラ戦はせえへんですね」
「これは民を巻き込むからな」
 このことも言うのだった。
「せんわ」
「それは有り難いですね」
「ああ、しかしそうしてや」
「後方等をですね」
「一撃離脱でチクチク攻められるとな」
「非常に厄介ですね」
「補給路とかを攻められるとな」
 そうされると、というのだ。
「ほんまな」
「厄介ですね」
「そやからな」 
 だからだというのだ。
「ここはや」
「考えてですね」
「戦うで」
「そうしますか」
「ゲリラ戦術は確かに厄介や」
 メルヴィルはこのことは事実とした。 
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