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バオバブの木

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第二章

「捨てられたことは悲しいよ」
「全くだね」
「何でもアビクが生まれてすぐにアビクが生まれた村ではやり病が流行って」
「それでアビクのお父さんとお母さんも亡くなって」
「村で沢山の人達が亡くなって」
「それがアビクのせいにされて捨てられたんだ」
「僕そんなことしないよ」
 アビクはさらに悲しくなって言いました。
「病気を流行らせるなんて」
「そうだよ、僕達はわかってるよ」
「アビクはとてもいい子だよ」
「絶対にそんなことしないよ」
「不思議な力があってもね」
「そうだよ、そんなことしないよ」
 こう言って泣いてしまってです。
 アビクは森の中で一番大きなバオバブの木よく皆と一緒に登って遊んでいるその木に登ってでした。
 その木の枝に腰掛けて歌を歌いました、それは自分が流行り病を流行らせたと言われて捨てられたこと何よりもお父さんとお母さんそれに沢山の人が亡くなったことを悲しむ歌でした。
 アビクがその歌を歌うとでした。
 アビクを捨てた村だけでなく村がある国全体に雨が降らなくなりました、その状況を見てなのでした。
 国の王様は困り果てて占い師に原因を調べさせました、すると占い師は占ってから王様に言いました。
「ジョレの村ですが」
「あの村に原因があるのか」
「あの村で昔です」
 ここでアビクのことをお話しました。
「こうしたことがあり今です」
「そのことを悲しんでか」
「そしてです」 
 そのうえでというのです。
「嘆いている歌を歌って」
「その歌が不思議な力を持ってか」
「天に届いてです」
 その嘆き、悲しみがというのです。
「天の神々も悲しんで人々の行いを怒り」
「雨を降らさなくなったのか」
「左様であります」
「それならだ」
 王様は占い師の占いの結果を聞いて言いました。
「すぐにだ」
「その子をですね」
「助けてな」
 そうしてというのです。
「村に戻そう、そしてだ」
「そのうえで、ですか」
「村人達にこの度のことを反省させ」
 流行り病をアビクのせいにして彼を捨てたことをというのです。
「そしてだ」
「その子に謝らせますか」
「そうしよう」
 こう言うのでした。
「是非な、そしてだ」
「そして?」
「そしてといいますと」
「その子がどういった子か興味を持った」
 こうも言うのでした。
「だからな」
「お会いになられますか」
「その子と」
「そうされますか」
「是非な」
 確かな声で言ってでした。
 王様は村の人達に森まで行かせてでした、そのうえでそこにいるアビクに謝らせました。アビクは謝ってくれたならと笑顔で言ってでした。
 いいとなりました、そしてです。
 王様はアビクをご自身の宮殿まで呼ぶとアビクは家族である森の生きもの達と一緒に来ました、王様はそのことに驚いて言いました。
「獣達も一緒か」
「僕の家族なので」
 アビクは王様に笑顔で答えました。
「皆に来てもらいました」
「そうなのだな」
「駄目でしょうか」
「いや、かなりの数でかなりの種類の種類の獣達だ」
 王様は森の皆を見て言いました。 
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