| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新オズのリンキティンク

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九幕その十一

「南蛮料理にしてもよいのう」
「一つ聞きたいのじゃが」
 リンキティンク王もアクアパッツァを食べています、そのうえで秀吉さんに対して尋ねるのでした。
「南蛮は何処じゃ」
「欧州じゃ」
 秀吉さんはすぐに答えました。
「外の世界で言うな」
「あちらか」
「そうじゃ、わし等が外の世界におった頃はな」
「あちらをそう呼んでおったか」
「スペインやポルトガルをな」
 こういった国々をというのです。
「主にそう呼んでな」
「それでか」
「うむ、欧州の他の国もじゃ」
「南蛮と呼んでおってか」
「それで今もじゃ」
「そう呼んでおるか」
「わし等はな」
 こうお話するのでした。
「その様にしておる」
「成程のう」
「まあわし等の頃の呼び方でな」
「何かと思ったが」
「そこをわかってくれたらな」
「よいか」
「わしはな、しかしじゃ」 
 秀吉さんはあらためて言いました。
「このアクアパッツァはな」
「美味いのう」
「鯛や鱈でも美味いが」
「鱧でもじゃな」
「これが美味い」 
 笑顔で食べつつ言います。
「まことにな」
「全くじゃな」
「うむ、それでデザートじゃが」
「それは何じゃ」
「氷菓じゃ」
 こちらだというのです。
「今で言うとアイスクリームじゃ」
「そちらか」
「豆乳もな」
「おお、あれか」
「お主も知っておるか」
「美味いのう」
 豆乳のアイスクリームもというのです。
「実にな」
「和風でな」
「あれもまたよいのう」
「わしも好きでな」
 秀吉さんもというのです。
「それでじゃ」
「よく食するか」
「デザートとしてな」
「この人はあれなんだよ」
 ねねさんは天麩羅を楽しみつつ言いました。
「新しいもの珍しいものが好きでね」
「殿と同じじゃな」
「そうだね、本当に」
「影響を受けたか」
 こうもです、秀吉さんは言うのでした。
「この猿顔からな」
「好奇心旺盛だっていうんだね」
「猿はそうであるからな」
「お前さんもかね」
「そうかもな、しかしな」
 秀吉さんはねねさんに応えて笑ってお話しました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧