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ドリトル先生と桜島

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第九幕その五

「このカレーライスは本当に美味しいよ」
「うん、お代わりしようかな」
「あまりにも美味しいから」
「そうしようか」
「皆で」
「そうしようかな」 
 こうしたお話をしてでした。
 皆でカレーをお代わりもして食べてです。
 そうしてから午後は特攻隊の資料館にバスで案内してもらいました、すると皆さっきとはうって変わってです。
 しんみりとなってです、こうお話しました。
「ここがだね」
「あの特攻隊の人達がいた場所だね」
「ここで寝泊まりして」
「それから出撃して」
「皆死んだんだね」
「そうだよ、絶対に帰って来ない出撃に出てね」   
 先生も悲しい表情でお話します。
「そのうえでね」
「敵艦に体当たりして」
「敵艦ごと死んだんだね」
「そうしたんだね」
「もうね」 
 それこそというのです。
「その時の日本は後がなくなって」
「決死の覚悟でだね」
「自分が死んでも敵を倒す」
「その必殺の精神を以て」
「それでそうしたんだね」
「日本人に意地を見せて」
 そしてというのです。
「散華と言うけれどね」
「それを見せて」
「戦争の後も侮れない」
「そして魂だけになっても日本を護る」
「その考えで特攻したんだね」
「こんなことは人類の歴史でなかったよ」
 特攻隊の様な行動はというのです。
「確かにスパルタ軍は死ぬまで戦ってネルソン提督もね」
「そうそう、トラファルガーで戦って」
「勝ったけれど戦死したね」
「そうして天国に行かれたね」
「けれどそのネルソン提督もね」 
 英雄であるこの人もというのです。
「自分の命をぶつけてね」
「敵を倒すことはしなかったね」
「あの戦いでは狙撃されて戦死されてるから」
「特攻とは違うね」
「またね」
「死ぬまで戦う、戦わさせられることはあるよ」 
 その場合はというのです。
「ソ連軍なんか無理にでもだね」
「後ろに機関銃持った人達がいて」
「退いたら撃たれたね」
「味方である人達に」
「それで無理矢理突撃させられたりね」
 若しくはというのです。
「地雷原を突っ込まさせられたりしたよ」
「物凄く酷いね」
「ソ連軍のそのやり方は」
「無茶苦茶にも程があるよ」
「人の命を何と思ってるのかな」
「僕の最悪の行いだと思ってるよ、けれどね」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「特攻とは違うね」
「爆弾搭載した航空機で体当たりして敵艦を倒すのとは」
「またね」
「そうだよ、他に回天なんて兵器もあったよ」 
 先生は皆にこちらの兵器のお話もしました。 
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