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がりがりだった娘が今では

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第二章

「胸はね」
「あっ、そこね」
「変わったわね」
 たわわなそれを見て言うのだった。
「凄くなったわね」
「いや、大きくなったの」
 恥ずかしそうにだ、房江は答えた。
「背は一六二でね」
「胸はなのね」
「九十あってお尻もね」
「そっちも大きいわね」
 言われてみればとだ、こはくも頷いた。
「確かに」
「そうよね」
「変わったわね、子供の頃はがりがりだったのに」
 こはくはしみじみとした口調で話した、今二人は大学の図書館の一階のロビーで向かい合って座ってくつろぎながら話している。
「今じゃそうって」
「そう言うこはくちゃんも変わったわよ」
 房江もこはくに笑顔で話した。
「物凄く可愛くなったわ」
「そうかしら」
「凄くね」
「だといいけれどね」
「子供の頃じゃわからないわね」
 笑顔でだ、房江はこうも言った。その誰が見ても子供の頃から比べると驚くべきまでに可愛くなっている彼女に。顔立ちは子供の頃のままでも全体のレベルが飛躍的に上がっていた。
「全く」
「大人になったらどうなるか」
「それはね」
「そうよね、だから私達も大学でまた会ったしね」
 こはくも笑顔で応えた。
「人間どうなるかね」
「わからないわよね」
「私達はまた友達同士になって」
 そしてというのだ。
「房江ちゃんの胸は大きくなって」
「こはくちゃんは可愛くなって」
「わからないわね」
「人間ってね」
 子供の頃はどうでもとだ、こう話したのだった。
 そして二人でキャンバスライフを過ごしていった、二人の外見は確かに変わった。だが復活した関係はそのままだった。


がりがりだった娘が今では   完


                     2023・7・19 
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