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仮面ライダーカブト 明日のその先へ

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第十章

「俺がいつも通り全体の指揮にあたる。御前はサポートと接近戦を頼むぞ」
「わかりました」
「ライダーが十二人ですか」
 加賀美はボードの面々を見て言う。
「心強いですね」
「そうだな。これでゼクトルーパーの負担も減る」
 後ろに控えるゼクトルーパー達を見ての田所の言葉だった。
「いいことだ」
 ゼクトルーパーの指揮は当然ながら田所が執っている。これはザビーの資格者であるから当然のことであった。やはりゼクトにとってザビーは象徴であったのだ。
「じゃあ行くか」
「そうですね、早速」
「岬」
 田所は通信を入れた。そして後方にいる岬に連絡を取ってきた。
「今から攻撃を仕掛ける。いいな」
「わかりました」
 岬は通信室にいた。そこから田所に応える。
「それではすぐに」
「ところでドレイクとは連絡が取れたか」
「いえ、あれ以来は」
「そうか」
 それを聞いても別に何も顔には出さなかった。想定の範囲内であったようであった。
「わかった。ではこのまま突入するぞ」
「わかりました。ではお願いします」
「よし、行くぞ」
「はい」
 加賀美がそれに頷く。早速彼等の周りにザビーとガタック、そして金と銀、銅の三匹のカブトムシが姿を現わした。それはそれぞれの資格者の腕の中に収まったのであった。
「変身」
「ヘンシン」
 電子音も復唱される。そうしてまずはマスクドフォームになった。しかしそうなったのはガタックとザビーだけで他の三体のライダーはそうならなかった。
「あれっ、あの三体はマスクドフォームは」
「我々はそのままライダーフォームになるシステムだ」
 大和がそう答えてきた。
「じゃあホッパーと同じなのか」
「そういうことになるな。これでわかってくれたか」
「ああ、じゃあ行こう」
 彼等と共に渋谷に入る。それを見て剣崎達も動いた。
「変身」
「ターンアップ」
「チェンジ」
 七人のライダーは歩きながらボードをくぐりライダーになった。ボード独特の変身の仕方であり人間に戻った剣崎も人間となった相川も同じ変身であった。彼等は田所達に続いて渋谷に入る。その後にゼクトルーパーの面々が続く。
 渋谷に足を踏み入れるとすぐにワームの面々が姿を現わしてきた。しかしまだ皆サナギの形態であった。田所は彼等を見てすぐに指揮をはじめた。
「ゼクトルーパーは後方から波状攻撃だ」
「了解」
 彼等はそれに従い散開する。十二人のライダー達が前に出て彼等のフォローを受けるという陣形になっていた。
 ライダー達はそのまま前に出る。ガタックが砲撃を開始しギャレンとカリスも銃や弓で攻撃をはじめた。
「ラルクも援護射撃だ」
 橘は三輪にそう指示を出した。
「いいな」
「了解」
「グレイブとランス、レンゲルは剣崎と共に攻撃に入れ、いいな」
「わかりました」
「頼むぞ、剣崎」
「はい」
 剣崎も橘の指示に頷く。そうして彼等は剣崎と橘を中心としてフォーメーションを組んで戦いに入っていた。かなり統制が取れていた。
 それはゼクトの面々も同じだった。田所はゼクトルーパーの圧倒的な火力を統制しながら敵の中に飛び込む。それに黒崎、織田、大和が続く。彼等はその拳でワーム達を次々と薙ぎ倒していく。とりわけ黒崎の攻撃力は圧倒的でワーム達を寄せ付けなかった。
「何か凄いな」
 加賀美は彼等の戦いぶりを見て素直に驚いていた。
「あれだけの戦いができるなんて」
「驚いている暇はないぞ、加賀美」
 だが彼に田所が述べてきた。彼は戦いながら加賀美に声をかけたのであった。
「敵の数は圧倒的だ。それに」
「それに?」
「来たぞ、主力が」
 脱皮したワーム達がやって来た。それもかなりの数だった。
 
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