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ドリトル先生と桜島

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第六幕その九

「桜島にね」
「護られてたんだ」
「その一生を」
「そうだったんだ」
「そうかもね」 
 こう皆にお話しました。
「悲劇的な最期でも」
「それで士族の人達の叛乱が終わって」
「明治政府は確かになったし」
「その死まで意味があったね」
「日本の為になったね」
「西郷さんは叛乱を起こす様な人じゃなかったけれどね」
 決してというのです。
「それでも士族の人達が暴発して」
「それで担ぎ出されて」
「西郷さんも腹を括った」
「覚悟を決めて」
「この戦争で死ぬとわかっていて」
「そうしたけれどね」 
 このこともというのです。
「全てね」
「日本の為になったね」
「その死も」
「それも運命だったんだ」
「そして立派な最期だったよ」
 その死もというのです。
「潔くてまさに武士で」
「堂々としたね」
「少しも悪いところのない」
「見事なものだったね」
「そして死んでからも」
 それからもというのです。
「明治帝は賊とはされなかったね」
「そうそう、あの方ご自身がね」
「西郷さんは逆賊じゃないって言われてね」
「自ら言われて」
「後で高い位を与えられて」
「弟さんも西郷さんについていった人も重く用いられたね」
「その西郷さんもね」 
 まさにというのです。
「桜島に護ってもらっていたのかもね」
「ううん、凄いことだね」
 まさにとです、トートーは頷いて言いました。
「そこまで考えたら」
「桜島は鹿児島県を護っていて」
「西郷さんもだったのね」
 チープサイドの家族もお話しました。
「鹿児島の人だから」
「そして日本の為に純粋に動いてくれる人だから」
「最期の最期まで護って」
 ポリネシアは考える顔で言いました。
「死後までなのかな」
「西郷さんはまともな人なら貶めないわよ」 
 ダブダブは断言しました。
「絶対にね」
「そうだよね」
「立派な人だったことは間違いないからね」
 オシツオサレツはダブダブの言葉に二つの頭で頷きました。
「火との見方はその人それぞれで批判する人はいても」
「まともな人は貶めないよ」
「そんな西郷さんも護っていて」 
 ジップも言いました。
「必要な時に働ける様にしていたのかな」
「大久保さんという人がいてくれたことも」
 チーチーはこの人のことも思いました。
「そのうちの一つかな」
「西郷さんって何度も何度もピンチを迎えたけれどね」
 ホワイティは腕を痛めたり流されたりしたことを言いました。
「いつも奇跡的に最後は救われてるしね」
「やっぱり護られていたんだろうね」
 老馬も思いました。
「桜島に」
「そして運命のまま生きて」 
 ガブガブは桜島の方を見て言いました。 
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