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私の 辛かった気持ちもわかってよー

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5-6

 私は、中間考査の時に、天神中学を訪れて、テニス部の前のキャプテンの彩《あや》を訪ねていた。コートの隅に来てくれて

「彩 もうクラブやってないよね ごめんね 呼び出したりして」

「いいえー 山葵先輩 近畿大会 準優勝でしょう? すごいなぁー」

「まぁ たまたまネ 今日はね 矢田花音のこと まだ、クラブやってたの?」

「ううん 去年の秋から 学校にもあんまり来てなかったみたい それにね 多分 3学期も全然こなくなって・・・途中から 親が山村留学という形で転校させたみたいよ」

「そう・・・」

「山葵先輩 あの時のウワサのことでしょ? たぶん あのウワサ流していたの花音じゃぁないかしら ウチには言わなかったんだけどね 下級生には、山葵先輩のひどいことを言ってたみたい それとね もしかすると、男をけしかけたのも花音かも・・ 後輩からね そのこと自慢してるって聞いたの きっと、先輩に逆恨みしてしまってー あの子 男の人とデートして食事するだけでお金もらえるからと後輩を誘惑してひどかったのよー あの時、ウチ クラブのことでいっぱいで・・ 悩んでたんだけど、先輩にそのこと相談できなくってー ごめんなさい」

「いいのよ ウチのほうこそ ごめんなさい ウチのことで余計な心配かけてしまって もう いいの ウチも・・忘れるワ どうするの? 高校は?」

「うーん ウチ あんまり勉強出来ひんしー 二条高校かなー ほんまは 先輩の後ついてって 音女に行きたいんやけどー 親が私立はダメっていうからー でもテニスは続けますよー うまくなんないんですけどネッ」

「そう じゃぁー 大会で会えるの 楽しみにしてるワ」

 そーだったのかー 矢田花音か。あの時、璃々香先輩が制服姿の女の子を見かけたと言っていたのを思い出した。あいつだったんだ。男をけしかけて、その様子を伺っていたんだ。そんなに、私のこと憎かったんだろうか。でも、キャプテンの件があってから、余計に曲がってしまったのかもー。

 でも、あの時、私は悔しくて辛くって、毎晩、泣いていたのよ。それに、璃々香先輩を疑って、ずーと、恨んでいた。バカよね 私 確かめもしないで・・。ごめんなさい 璃々香先輩 私 やっぱり 先輩についていきます。厳しいけど、テニスに集中することが出来たし、伸ばしてくれたんだもの。 
 
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