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新オズのリンキティンク

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第四幕その十一

「一つーーです」
「考えておるか」
「落語もーーです」
 こちらもというのです。
「いいとーーです」
「さっきナターシャ嬢達が言ったしのう」
「はいーーですから」
「何でもやってみることじゃ」
 リンキティンク王はチクタクに笑顔で応えました。
「興味があるなら」
「やってみたいーーならーーですーーね」
「そうじゃ」
 まさにというのです。
「お笑いでも何でもな」
「それーーでは」
「わしも色々やってみているしのう」
「王様ーーもーーですーーか」
「そうじゃ、そしてな」
 それにというのです。
「わしも実は漫才や落語をじゃ」
「されてーーいますーーか」
「まだしておらぬが」
 それでもというのです。
「面白いとな」
「お考えーーですーーか」
「落語をな、しかし落語は台本を読んだだけでじゃ」
 まさにそれだけでというのです。
「ついついじゃ」
「そうですよね」
 王子が笑って応えました。
「王様は笑ってしまいますね」
「腹を抱えてのう」
「そうですね」
「いや、今だってじゃ」
 漫才を観つつ笑い転げています。
「この通りじゃ」
「笑い上戸ですから」
「極端な、な」
「だからですね」
「もう自分がやるとなるとな」
 それこそというのです。
「もうじゃ」
「それどころでなくなりますね」
「台本を読んだり考えるとな」
 もうそういったことだけでというのです。
「その時点で、じゃ」
「笑い転げて」
「そうなってしまってな」
 それでというのです。
「自分がやるどころではない」
「そうですよね」
「だからのう」
 その為にというのです。
「わしは自分ではな」
「出来ないですね」
「お笑いはな」
「リンキティンク王はオズの国一の笑い上戸だからね」
 こう言ったのは魔法使いでした。
「何と言っても」
「わしが一番か」
「うん、間違いなくね」
「そんなに笑っておるか」
「何かとね」
「そこまで笑っておるか、しかし自分がやる前に笑っては」
 また言うリンキティンク王でした。 
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