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私の 辛かった気持ちもわかってよー

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3-5

 2月になって、彼等の高校入学試験があったのだけど、3人とも無事合格していて、3月の卒業式を迎えていた。私のお母さんはお店があるので、いけないけど高校の入学式には必ず行くからと言ってくれていた。私は、別にどうでも良かったのだけど・・・まぁ、入学式の時の方が良いかー 知り合いも居ないしー こころ細いから。

 そして、春休みにみんなで卒業の記念にと、植物園にピクニックを兼ねて行こうとなっていた。私は、期末試験が終わってから、殆ど厨房に入っていたのだけど、変な話だが、その日だけお休みを貰っていた。

 私と亜里沙で手分けしてお弁当を用意して・・・どうしても女の子の仕事になっちゃうんだよねーと、亜里沙と話していたのだ。そして、樹羅ちゃんも特別参加になっていた。

 待ち合わせをしたとき、私と亜里沙は短パンで来ていたのだけど、樹羅ちゃんはピンクのチェックの半袖シャツとやっぱりパステルピンクのミニのラップスカートで・・そして、髪の毛がふわっとしていて長めなのだけど所々をリボンで結んでいる。私から見てもなんと可愛いのか、肌の色も白くて柔らかそうで、アニメから飛び出してきた女の子みたいに。まだ、子供体形なのだけど、よく見るとアンダーパンツ付きのもので、見えちゃうんじゃぁないとヒヤヒヤしていた私も馬鹿みたいだけど安心していたのだ。

 最初、村沢君が持ってきたフリスビーで遊んでいたのだけど、そのうち、キラちゃんにせがまれて白木屋君は手を繋いで園内の散歩に出て行った。私は亜里沙に気を使って、疲れたと座り込んでいたのだ。本当は、私も・・って思ったんだけど。

 そして、仲良さげに手を繋いで二人が帰って来て・・・なんで、そんなに自然なのーって、私は思いながら、お弁当を広げたのだけど、キラちゃんもちゃんとみんなの分のサンドイッチとサラダを用意してきていたのだ。カツサンドにツナ、卵とみんなの好きそうなのばっかー。それに

「これっ オレンヂをいっぱいいただいたので、お母さんが持って行けってー 絞ってきました 100%ですよ 甘いの!」と、コップにみんなの分を注いでいたのだけど、白木屋君にだけ手渡しで・・ちゃんと手を添えて、そのしぐさが・・。私、この子は可愛いだけじゃあないなと・・・。白木屋君にはもったいなすぎるぅー 言い方悪いけど、やっぱり、早いことツバつけといて良かったね と、思い知らされていた。

 お弁当を食べ終わった後も、フリスビーで遊んでいて、その時、キラちゃんはわざと白木屋君の足もとをねらって投げていて、取り損ねると

「わぁー 匠 どんくさー」と、茶めっ気たっぷりで、白木屋君も足元めがけて投げ返すんだけど、キラちゃん小さいから平気で受け取っていた。意外とキラちゃんは運動神経が良いのだ。

 そして、帰る時に白木屋君が

「いゃー 楽しかったよ 山城山葵 学校は違っても 俺等 4人 仲間だからな 何かあったら 直ぐに言えよ 駆けつけるから」と、〆の言葉を言ってくれた。私は、嬉しくって・・・少し、涙が滲んでいたが

「なぁ 私は? 4人だけなん? 私は仲間違うん?」と、キラちゃんが

「違う まだな 俺等の絆は前からなんや 樹羅とより 深い」と、白木屋君が言ったら、段々と、キラちゃんは悲しそうな顔になって白木屋君を見あげていた。

「白木屋君! キラちゃん 違うんよー 今日の5人は・・・そうなんよ」と、私は慌てて、何言ったらいいのかわからなかった。

「樹羅 俺は悪いけど 樹羅は樹羅やー 仲間は仲間 仲間のほうが大切や 樹羅が仲間になるんやったら 皆が認めてくれないと・・」 

 キラちゃんは大きな瞳からぼろぼろと涙が落ちてきていた。私は取り乱してしまって。

「白木屋君 そんな言い方ないんじゃぁない? 私は、もう キラちゃんも仲間だと思っているよ ねぇ 亜里沙は?」

「うん そう 今日も一日 仲間だったもん」

「僕も 賛成 匠が選んだ娘なんだから キラちゃんを迎えよう なぁ 匠」

「すまん みんな 樹羅も 仲間だぞ」と、大袈裟なことになったが、白木屋君はキラちゃんの肩を抱いていた。そして、キラちゃんは涙でくしゃくしゃの顔がとびっきりの笑顔が戻っていたのだ。そして、白木君にべったりひっついて、みんなに「よろしく お願いします」と頭を下げているのだ。しかし、あの突き放したような言い方は何なんだろう そんなとこにキラちゃんは白木屋君の魅力を感じるんだろうか。私なら、カチンときて、こんな優しくないのって嫌! って思っていただろうなぁー。

 この素直で純真な娘を、この後、このガサツな男はどうしていくんだろう・・・。だって、キラちゃんもいつまでも子供じゃぁ無くってよー 今は、どうなんだろう キラちゃんは白木屋君のこと男として見てるんだろうか

 
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