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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第三百三十九話 アポカリプス その1

第三百三十九話 アポカリプス その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

地球の深層に存在する『内核』。
PGS(パブリックガーディアンズ)は数年前、長年の調査によって、この『内核』に、存在する生命体こそがパブリックブレイク現象の原因である事実を突き止めることに成功する。
しかし、その生命体がいるのは、地球内部である。
政府はパブリックブレイク現象の原因を知りながらも、地球崩壊のリスクを考慮して、内核の生命体との交渉を避けてきた。
しかし、月日の経過とともに発生する、各国家間の、武力による食料の奪い合いに、人類の終末が近いことをさとった、政府は、人類終末回避のために、ついにPGSに内核に潜む、謎の生命体との交渉を許可する。
PGSが、内核に潜むパブリックブレイク現象の原因となる生命体との、交渉に成功すれば、人類は約束された終末の回避に成功し、未来を勝ち取れるのだ。
それは、食料確保を目的とした国家間の武力衝突の一時的な停止を意味している。
しかし、内核に潜む謎の生命体との交渉に失敗すれば、いったいどうなるのか、その事実を知る者はまだ、この地球にはいなかった。
PGSはすでに、専用の武装をした軍隊と、PGSが管理するパブリックモンスター達と専門家で構成された特殊部隊SPPGS(スペシャル・パブリックガーディアンズ)を地球内部に派遣していた。
SPPGSはPGSが数年前から、内核に潜む生命体との交渉のために、地球内部を採掘して作った地下通路を使って、内核へと歩みを進める。
この地下通路は、それこそ、政府の内核への交渉許可が降りる前から、採掘されていたのだ。
政府に無許可で作られた地下通路を、SPPGSは進む。
SPPGSのメンバーの中には、PGSで政府長官を務める、爆炎の断罪剣士・宮本テツヤも参加していた。
これは、単純に内核に潜む生命体との交渉に失敗したときのことを考慮しての、参加である。
他の断罪剣士達が、野球場で乱闘騒ぎを起こしている裏で、SPPGSはついに内核に潜む生命体との接触に成功した。
SPPGSのメンバーの一人が歓喜の声を上げる。
「宮本さん!見てください、これはどうみても、生命体です‼」
「そんなことは見れば、わかる...」
内核に潜む謎の生命体との遭遇に、防護服を身にまとったSPPGSのメンバーたちはお互いの顔を見合わせ、歓声を上げる。
しかし、この生命体との交渉に成功することが出来なければ、人類は滅亡する。
この、発見と遭遇は決してゴールでない、むしろスタートなのだ。
なにしろ、その生命体は、人間の姿をしており、簡単に説明すると、小柄な少女といったほうがわかりやすいかもしれない。
SPPGSのメンバーの1人が突然、奇声を上げる。
他のSPPGSのメンバー達が危険を察知したときにはもう、遅かった。
奇声を上げたSPPGSのメンバーは、そのまま、宮本テツヤに姿を変え、宮本テツヤ本人に襲いかかる。
二人の宮本テツヤが争う、しかし、それによって、他のSPPGSのメンバーたちは、どちらが本当の宮本テツヤであるか、わからなくなってしまう。
そう、なぜなら、今、存在する二人の宮本テツヤは、共に爆炎の断罪剣・グレンセイバーを所有していたからだ。
そして、戦闘能力もほぼ同じ。
宮本テツヤは急遽起きたアクシデントに対して、他のSPPGSのメンバーたちに命令する。
「今すぐ、偽物ごと、私を殺すんだ!」
しかし、遅かった。
偽物の宮本テツヤはそのまま、爆炎の断罪剣グレンセイバーからパブリックフレイムを放ち、SPPGSのメンバー達を一瞬で焼死させる。
宮本テツヤは、姿・形・能力を自分そっくりに変えた敵に対して、結論を言い放つ。
「そうか、君は日本に潜入した『K国』が軍事利用していたパブリックモンスターの、最後の生き残りだな?」
「正解、俺のコードネームはピョヌァ、『K国』の言葉でピョヌァは変化の意味を持つ...」「君の目的はなんだ?この内核に潜む生命体との交渉に成功すれば、人類は滅亡せずに済むんだぞ!なぜ我々の邪魔をする?」
「お前、バカだろ?」
「どういう意味だ?」
「人類の終末なんて、パブリックブレイク現象が発生する前から、決まってただろうが、環境汚染に、戦争、自ら滅亡に向かっているのは、今も昔も同じだろ?」
「君の言っていることは正しい、でも、君にだって守りたいものがあるはずだ!君は我々の計画を邪魔することが、結果的に、君の大事なものを傷つけることになることが理解できないのか?」
「守りたいもの?大事なもの?あったさ!俺には共に任務でこの国に潜入した、戦友たちがいた!でも、もうみんな死んじまった!ファヨムも!カルも!チュンシクも!もう、俺には守るものも大事なものもなにもない!だから、壊してやる!どうせ、パブリックブレイク現象がなくても、人類は自らの手で滅ぶはずだったんだ!なら、俺の手で全部、壊してやる‼俺たちを人間扱いしない祖国を!お前たちの国を!この世界を‼ぶっ壊す‼」
「イカれているな...」
「イカれてんのは、世界の方だろ...?」
「悪いが、これ以上、君に私の計画を邪魔させるわけにはいかない、死んでもらう‼」
爆炎の断罪剣・グレンセイバーを手に持った二人の宮本テツヤが激突する。
実力は、ほぼ互角。
お互い一歩も引かない、切り合いの応酬に、二人は長期戦を確信する。
しかし、バトルフィールドは地球の深層・内核である。
そして、その内核に適応した防護服にも時間制限がある。
つまり、防護服に設定された制限時間を超え、その機能が停止すれば、人知を超えた力を持つ二人も、内核の中から放たれる熱を浴びて、死ぬことになる。
二人に残された時間は少ない。
しかし、それこそがピョヌァの作戦、最強の断罪剣士である宮本テツヤとの圧倒的な実力差を埋めることができる唯一のチャンス。
先に痺れを切らしたピョヌァが、内核に潜む生命体に向かって、パブリックフレイムを放つ。
「このチビ女を殺しちまえば、もうおめぇらは、交渉すらできない!人類は終りだァ‼」「させるかぁぁぁぁぁッ‼」
宮本テツヤは、自らに変化したピョヌァが放ったパブリックフレイムをその身に受け、内核に潜む謎の生命体を体を張って守る。
自らの体を盾にしたことで、防護服は爆砕し、肉体に灼熱の炎を浴びる宮本テツヤ。
そう、それは、宮本テツヤの死を意味していた。
「やっぱり、そう来ると、思ってたよ、宮本テツヤ...」
「貴様、最初から、そのつもりで、内核に攻撃を仕掛けたのか...」
「ああ、そうさ。アンタが、あの内核のチビ女を助けるために、その身を盾にすることなんて、最初から予想済みさ、なんたって、俺の能力は相手の全てをコピーする能力、アンタの思考なんて最初から、お見通しさ。アンタ、どうして自分が負けたかわかるか?」
「お前が、卑怯者だからだ...!」
「違うねぇ!答えは簡単、アンタには守るものがあって、俺には守るものがなかった!ただそれだけさ、なにかを守る為に生きてる奴は、その守るべき存在のために、常に自分を犠牲にしなければならない、でも、何も守るものがない奴は逆だ!何も守るものがないやつは、常に自分勝手に自由に生きること、決断することができる!人間、守るものを見つけちまったら、そこで弱くなっちまう!会社・軍隊・国家、そういう同調圧力で構成された大多数の価値観に、自分の守りたいものを人質に取られて、一生、その大多数の価値観の言いなりになるしかねぇ!それが自然界を生きる生命体の姿であっていいわけがない、俺たち人間はもっと自分勝手に自由に生きるべきなんだ‼だから壊してやる全部、最強の断罪剣士の力を得た、この俺が‼」
本来の姿に戻ったピョヌァが、死亡した宮本テツヤの手から、爆炎の断罪剣グレンセイバーを奪う。
左右の手に持った2本の爆炎の断罪剣グレンセイバーを、地面に音を立てて引きずりながら、ピョヌァは内核に潜む謎の生命体に向かって、こう告げる。
「さぁ、世界の終末の始まりだぁ...!」

次回予告 アポカリプス その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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