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X ーthe another storyー

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第二十話 外力その五

「是非な」
「そうさせてもらう」
「お父さんが帰ってきたら」
 一緒にいる小鳥も言って来た。
「今度は四人でね」
「食うか」
「そうしましょう」
「そういえばおじさんとは帰ってきてからあまり合っていないな」
 神威はこのことに気付いた。
「東京にそうしてから」
「そうね、けれどそれは今のことでね」 
 小鳥は神威の言葉を受けてこう返した。
「これからはね」
「違うか」
「だって神威ちゃんは私達の家族みたいなものだから」
 それ故にというのだ。
「お父さんもね」
「子供の頃よく可愛がってもらった」
「それならね」
「今もか」
「うん、だからね」
 それでというのだ。
「きっとね」
「退院されてか」
「うちに帰ってきてくれたら」
 その時はというのだ。
「今度は四人でね」
「一緒にだな」
「楽しく食べられるわ」
「そうなるか」
「きっとね」
「ならその時を楽しみに待たせてもらう」
 神威は小鳥に応えた。
「俺もな」
「それじゃあね」
「それで最近どうなんだ」 
 封真は神威にあらためて尋ねた、三人で座っているテーブルにおいて。
「学校では人と話す様になったな」
「ああ、話してみるとな」 
 神威はここでも微笑んで応えた。
「悪い奴等じゃない」
「クラスメイトはか」
「皆な。友達になれそうだ」
「それは何よりだな」
「俺は勝手に心に壁を作っていたな」
 このことは俯いて反省する顔で述べた。
「小鳥も封真も運命に巻き込みたくないと思って」
「それで他の誰にもだな」
「そうしていた」
 俯いたまま言った。
「今思うとな」
「反省しているか」
「ああ、変に心を閉ざしていた」
 心に壁を作っていたことをこうも言った。
「どうもな、しかしな」
「もうだな」
「そんなことはしない」
 決してという返事だった。
「もうな」
「それならいい、ならこれからはな」
「学校でもだな」
「親しくしていくことだ」
「そうしていく」
「ああ、天の龍の人達ともな」
「そういえば空汰さんと嵐さん東京から出たって言ってたわね」
 小鳥は天の龍と聞いて二人のことを思い出した。
「そうなのね」
「今はな。けれどすぐにな」
「戻って来てくれるのね」
「そうなる、だからな」
「心配はいらないのね」
「全くな」
「ならいいわ、それがお仕事でも旅行になったら」 
 小鳥は微笑んで話した。
「いい息抜きにもね」
「なるな」
「そうもなるから」
 実際にというのだ。 
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