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イベリス

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第百一話 残暑を感じてその五

「それがです」
「失恋なんですね」
「ですから失恋した人をからかったりはです」
「したら駄目ですね」
「そのトラウマに触れますと」 
 そうすると、というのだ。
「これ程痛いことはありません」
「心の傷に触れられると」
「はい、痛く思い」 
 そしてというのだ。
「そうしてきた相手を怨みます」
「心の傷を攻撃してきたとですね」
「認識して」
「痛かったですし」
「身体に何かされるよりもです」
「心にされるとですね」
「痛いものですから」
 それ故にというのだ。
「その怨みはです」
「深いですか」
「下手をすれば一生です」
 そこまでというのだ。
「怨まれます」
「一生ですか」
「そうなります、ですから」
「失恋した人はそっとしておくことですね」
「間違ってもからかったりしてはです」
「駄目ですね」
「こちらは軽い気持ちでしても」 
 それでもというのだ。
「相手はです」
「余計に傷付いて」
「一生怨んできかねないので」
「したら駄目ですね」
「はい、一生怨まれたくないですね」
「絶対に」
 咲もこう答えた。
「そんなことは」
「ではです」
「最初からですね」
「怨まれない様に」
「人の失恋のことは言わないことですね」
「労わるか」
 若しくはとだ、速水は話した。
「そっとしていることです」
「失恋した人は」
「そうです、本当に嗤ったりです」
「その傷口に触れるとですね」
「それは非常に敏感な部分になっているので」
「触られると痛くて」
「膿みもするので」
 そうもなるからだというのだ。
「痛くてしかも化膿もする様な傷ということはです」
「とんでもなく怨まれますね」
「人は痛めつけられると怨みます」
 ごく自然にとだ、速水は述べた。
「そうなりますので」
「だからですね」
「はい、決してです」
「そうしたことはしない」
「小山さんもそうされて下さい」
「人を傷付けるなは絶対ですね」
「その通りです、例え軽い気持ちであったとしても」
 その時はというのだ。
「それは相手に一生怨まれ」
「最悪後で何されるかわからないですね」
「怨みは時として日が経つにつれ大きくなり」
 そしてというのだ。
「おぞましいものになります」
「それだけ怨まれるんですね」
「そして憎まれます」
 怨まれるだけでなくというのだ。 
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