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新オズのリンキティンク

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第二幕その六

「球場で観戦出来るならな」
「それが一番ですよね」
「そうじゃ」
 何といってもというのです。
「だからじゃ」
「野球の試合もですね」
「観てな」
「楽しむんですね」
「そうもしようぞ、あのチームは最高じゃ」
 リンキティンク王は満面の笑みでこうも言いました。
「この街はお笑いに美味いものにな」
「あのチームですね」
「お城も通天閣もあってな」
 そうしてというのです。
「看板もよいしのう」
「河豚や蟹の」
「それに紅白のおじさんもな」
 こちらもというのです。
「そうしたものが揃っておるし動物園もじゃ」
「あって」
「もう何もかもがじゃ」
「楽しいんですね」
「それがこの街じゃ」
「そうですか」
「だからのう」
 リンキティンク王はこうも言いました。
「わしはこの街にずっといたい位じゃ」
「それはーー流石にーーです」
 チクタクは真面目に言ってきました。
「無理ーーですーーね」
「うむ、わしも王様じゃからな」
「戻らーーれて」
「そしてじゃ」
 自分のお国にというのです。
「働かねばならん」
「そうーですーーね」
「いや、王様も忙しいのじゃ」
 チクタクに少し苦笑いを浮かべてお話しました。
「どうもな」
「そうなんだよ、王様は何かとお仕事があるんだ」
 ボボ王子も言います。
「何しろ国を治めているからね」
「大臣や議会、役人達とな」
 そういったものをとです、リンキティンク王はお話しました。
「皆いてくれるが」
「それでもね、王様はね」
 アン王女もわかっていることです、何しろ実のお父さんが王様なので。
「何かとね」
「やることがあるのう」
「ええ、だからね」
「わしも今は親善として来ておるが」
 この街にというのです。
「戻る日が来ればな」
「その時はよね」
「戻らねばならん」
 自分のお国にというのです。
「どうしてもな」
「そうよね」
「だからこの街でずっと遊びたいが」
「それでもよね」
「そうもいかん」
 こう言うのでした。
「わしもな」
「よく遊んでよく働く」  
 笑顔で言ったのはカエルマンでした。
「オズの国だね」
「うむ、働くことも楽しくでな」
「そうだね」
「だからわしもじゃ」
「お国に帰って」
「働くぞ」
 こうカエルマンに答えました。
「帰る時になればな」
「楽しくだね」
「そうするぞ」
 まさにというのです。 
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