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新オズのリンキティンク

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第二幕その四

「いかんからのう」
「この街に来たなら」
「そうじゃ、それも忘れてはいかん」
「そうね、それじゃあ」
「楽しむぞ」
 こうお話してそうしてでした。
 皆でカレーを食べます、そしてその後で。
 皆で今度は善哉のお店に入りますがその善哉は二つで。
 リンキティンク王は笑って言いました。
「ここはこれじゃ」
「お碗が二つあって」
 アン王女はその善哉を見てリンキティンク王に応えました。
「夫婦みたいね」
「そうじゃ、それでじゃ」
 まさにとです、リンキティンク王は王女にお話しました。
「夫婦善哉とな」
「そう言うのね」
「この善哉はな」
「実際にそうなのね」
「そうじゃ、そしてな」
 それにというのです。
「量も多い感じがするのう」
「二つあるからね」
「それもよいところじゃ」
 この善哉のというのです。
「だからな」
「この善哉は楽しめるのね」
「そうじゃよ、何でもこの世界に来た日本の作家さんもじゃ」
 この人もというのです。
「好きらしいぞ」
「そうなの」
「さっきのカレーもでな」 
 それでというのです。
「この善哉もじゃ」
「その作家さんも気になるわね」
「そうじゃな、ではこの善哉を食ったら」 
 その後はといいますと。
「歌舞伎の夜の場を観るか」
「そうするのね」
「これもよいぞ、食べて笑ってな」
 そうしてというのです。
「楽しみ尽すぞ」
「それではね」
 王女も笑顔で応えてでした。
 皆で善哉を食べます、そしてリンキティンク王が案内をしてです。
 歌舞伎を観ました、すると。
 これが中々ユーモアがあってです、ナターシャは驚きました。
「あれっ、観たら楽しいわ」
「そうだよね」
「ユーモアがあってね」
「面白い場面も多いね」
「そうよね」
「元々歌舞伎は大衆の楽しみだからね」
 魔法使いが五人にお話します。
「芸術としてだけでなく娯楽でもあるからね」
「だからですね」
「面白い場面もあるんですね」
「楽しい場面も多くて」
「それで、ですね」
「ユーモアのある場面もあるんですね」
「そうだよ、だからリンキティンク王もだよ」
 見ればここでもお腹を抱えて笑っています。
「この通りだよ」
「楽しまれてるんですね」
「思いきり笑って」
「そうされてるんですね」
「落語や漫才と同じ様に」
「そうされてるんですね」
「そうだよ、そして私もだよ」
 魔法使いもというのです。
「楽しんだよ、歌舞伎は堅苦しいものじゃないんだ」
「こうしてですか」
「笑って観てもいいんですか」
「楽しんでいいんですね」
「お腹を抱えたりして」
「そうしてもいいんですね」
「そうだよ、しかし今日だけで随分笑ったね」
 魔法使いはしみじみとして述べました。 
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