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そんな爺いるか

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第三章

「子供作ったりな」
「付き合ったりか」
「手を出したりな」
「そんなことはないな」
「何か漫画だとな」
 こちらではというと。
「三回も四回もで毎日な」
「ははは、そんな爺さんいるか」
 長倉はその話を聞いて思わず笑った。
「一度に三回も四回もか」
「それも毎日な」
「どんな爺さんだ」
「しかも無理矢理押し倒したり夜這いとかな」
「余計にあるか、もう歩くだけでな」
 自分達はというのだ。
「充分な運動でな」
「力仕事だってな」
「さっぱりになったんだぞ」
「力も体力もなくなったな」
「七十過ぎたらそうだろ」
 最早というのだ。
「そもそも定年する頃にはな」
「もうそうなってるな」
「大体四十過ぎたらな」
 長倉はその頃にはと話した。
「もうな」
「そうしたことはな」
「かなり衰えてな」
「定年の頃にはな」
「さっぱりになるんだ」 
 こう小羽に話した。
「それならな」
「とてもだな」
「ああ」
 そうだというのだ。
「本当にな」
「そこは漫画だな」
「漫画でも有り得ないだろ」
 また笑って言った。
「そんな爺さんいたらな」
「教えろだな」
「あれだろ、わしも男だとか言って」
「手を出すんだよ」
 若い女性にというのだ。
「そうした欲があってな」
「一度に三回も四回もでか」
「毎日な」
「そうした爺さんって何食ってるんだろうな」
 小羽はこうも言った。
「一体」
「毎日大蒜や鰻食ってるのかもな」
「それでもどうかな」
「歳取るとな」
 長倉はそうなると、と返した。
「そういうものもな」
「あまり食えないしな」
「だからな」
 それでというのだ。
「そんな風な爺さんはな」
「いないな」
「漫画だと言えばそれまででも」
「現実味ないな」
「ああ、若し七十過ぎでそうした欲があってな」
 そしてというのだ。
「毎日でな」
「子供も作ったらか」
「その爺さんある意味超人だ」
「全くだな」
「人間歳に勝てないんだよ」
「もうな」
「三回も四回も毎日ってな」
 長倉はこうも言った。
「十代のな」
「本当に中学生高校生だな」
「七十過ぎいや定年過ぎて十代並なんてな」
 それこそというのだ。 
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