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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その八

「それでもだ」
「すぐに去って」
「そして世捨て人になっている」
「そうしてイスラムの信仰にのみ生きていますね」
「そうした宗派もあるしな」
 あえて世を捨て信仰に生きる宗派はイスラムにも存在している、ただし俗世と一体化しているこの宗教では特に少数派だ。
「だからな」
「そちらに入りますね」
「その時はな、しかし」
「我々は」
「それはない」
 あくまでというのだ。
「それはな」
「そしてですね」
「戦う」
「ティムールの為に」
「この国の勝利の為にな」
「そうしますね」
 中佐もこう応えた。
「必死に」
「そうする、だが」
 艦長もここで言った。
「艦内の士気が落ちているのは事実だ」
「このことは何とかしないといけないですね」
「気晴らしにだ」
「そしてですね」
「士気の鼓舞が必要だ」
「ではどうするか」
「こうした時は」
 中佐はカードを一枚交換した、だが出て来たカードが思わしくないものであったので内心舌打ちしつつ言った。
「イベントをして」
「そうだな」
「そして気持ちを晴らし」
 気晴らしを行いというのだ。
「そしてです」
「さらにだな」
「士気を鼓舞しますか」
「それかそれを同時に行うか」
 艦長はこうも言った。
「そうするか」
「両方をですね」
「行うか、ならな」
 艦長はさらに言った。
「一ついいものがある」
「といいますと」
「映画だ、DVDでもテレビ番組もだが」
「映像ですか」
「戦争ものを流してな」
 そうしてというのだ。
「その鑑賞の時に特別に酒も許す」
「艦長の裁量で」
「そうだ、飲んで食いながらな」
「戦争映画を観てですか」
「そのうえでだ」
「士気を上げますか」
「気持ちを晴らしてな」
 艦内の沈んだ空気もというのだ。
「そうしてだ」
「艦内の空気を変えますか」
「配置についている者はそのままだが」
「休んでいる者はですね」
「そうしてもらう、配置についている者達もだ」
 その彼等もというのだ。
「配置が終わればな」
「そうなればですね」
「楽しんでもらう」
「映画と酒を」
「それでどうだ」
「いいですね、正直です」
 今の艦内の空気、二度の敗北により沈んだそれをどう変えるかということを考えればとだ、艦長は話した。 
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