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X ーthe another storyー

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第十八話 秘密その四

「封真さんがどうしてもです」
「言えないとですね」
「言ってまして」
「そして小鳥さんですね」
「あの娘には絶対にです」
「言わない様にですね」
「言われました」
 このこともだ、空汰は話した。
「そうでした」
「ではですね」
「はい、あの剣のことはです」
「わからないですね」
「残念ですが」
「それなら仕方ないです、ですが」
 征一狼は穏やかだが真剣な顔で述べた。
「剣のことは必ずです」
「知らないといけないわね」
 火煉が言ってきた。
「私達は」
「そうです、僕達もです」
「剣は必要でね」
「持っているべきなので」
 征一狼は火煉にも話した。
「ですから」
「そうね、そのことはね」
「絶対ですから」
 それ故にというのだ。
「知る様にです」
「すべきね」
「絶対に」
「剣は二本あるので」
 護刃はこのことから話した。
「ですからもう一本はですね」
「僕達のところにです」
「来ますね」
「最後の天の龍が持つべき剣は」
「そうですね」
「しかしです」
 それでもとだ、征一狼は護刃にも話した。
「それはです」
「まだですね」
「一切です」
 残念そうな口調での言葉だった。
「わかりません、剣は誰が持っているのか」
「そのことすらも」
「果たして」
「そうですね、手がかりはです」
「本当になくて」
「僕達は待つしかないですね」
「待つことは性分に合わないわ」
 火煉は腕を組んで言った。
「だからね」
「僕達の方から探して」
「見付けたいけれど」
「手がかりがです」
「全くないから」
「そもそもです」
 嵐はここでこう言った。
「桃生神社に何故剣があったか」
「地の龍に渡ったあれね」
「それすらもです」
「彼が言わないならね」
「何もです」
「手がかりがないわね」
「それすらもわからないのでは」
 そうした状況ではというのだ。
「どうにもならないです」
「そうね、困ったことにね」
「言いたくないことを無理強いするにも」
「私達はおかしな警察じゃないのよ」
 火煉は嵐に言った。
「言いたくないことを無理して聞き出すことはね」
「出来ないですね」
「ええ、だから彼にも無理強いしていないわね」
 火煉は今度はこう言った。
「天の龍になれとね」
「神威にですね」
「それは彼の選択だから」
 それで決められるものだからだというのだ。 
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