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神々の塔

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第十八話 文化的英雄その六

「確かに相当問題のある人やったが」
「いい働きをした人はか」
「人種とかの関係なくな」
 人種的偏見も強かったがだ。
「日本でもそっちの沢村さんをや」
「あの沢村栄治さんか」
「そや、あの人にマウンドまで行ってな」
 こうした逸話も残っているのだ。
「ナイスピッチングってな」
「言ったんか」
「この話知らんかったか」
「ああ、洒落にならん性格やったとしかな」
 攻撃的で粗暴で利己的でその人種的偏見とだ。
「聞いてへんかったが」
「それでもか」
「そうした部分もな」
 長所と言っていい部分もというのだ。
「あったんや」
「そやってんな」
「そしてや」 
 彼はさらに話した。
「この度はな」
「ああ、ちゃんとやな」
「わし等を認めてくれたんや」
「そういうことか」
「その通りだ、これからもそのファイトだ」
 タイ=カップはメルヴィルの話を認めたうえで彼等に告げた。
「それで塔の頂点にまで至れよ」
「それじゃあ」
「さて、次は俺だ」
 ベーブ=ルースが出て来た。
「宜しくな、楽しい勝負をしようぜ」
「ほなな」
「今度は野球の神様か」
 施が唸って言った。
「そうなるか」
「この人も弱点あるで」
 今度はトウェインが言ってきた。
「神様でもな」
「足遅いか」
 施はトウェインにこう返した。
「それか」
「そや、それがな」
 まさにというのだ。
「野球の神様の弱点や」
「物凄いホームラン打ってもか」
 その頃驚異的なホームラン数であり彼からバッティングそのものが大きく変わった。そうした意味でも野球にとって重要な人物であるのだ。
「それでもか」
「それが弱点でな」
 それでというのだ。
「ステータス見てもわかるな」
「ああ、素早さは低いな」
 施がチェックすればステータスはそうであった。
「他のものは高くてもな」
「そやな」
「ほんまに足遅かったんやな」
「そやからそこをな」
 足が遅い、素早さが低いところをというのだ。
「攻めていこうな」
「ほなな」
「ただ一撃一撃は流石やな」
 羅もベーブ=ルースのステータスを見て言った。
「攻撃力は高くてな」
「攻撃用の特技も充実してるな」
 芥川も相手のステータスを確認して述べた。
「実に」
「流石は世紀のホームラン王やな」
「野球の神様や」
「ほんまそやな」
「そやから一撃はな」
「出来るだけ受けん様にして」
「こっちはや」
 自分達はというのだ。 
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