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夢幻水滸伝

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第二百九十六話 アメリカのバイキングその四

「もうです」
「旗揚げをして」
「最初から棟梁として働かれ」 
 そうしてというのだ。
「それからこのバージニア州の統一でも進められれば」
「州の統一ですか」
「州は一国ですから」
 この世界でもアメリカではこうした考えなのだ、アメリカでの州は実は一国にあたる。合衆国とは国家連合という意味でありアメリカは複数の州即ち国家が集まっている共和国連合という国家システムなのだ。
「一国の主にもと申し上げましたが」
「州の統一をですか」
「目指されては」
 最初からというのだ。
「私もそう思いますが」
「いや、やっぱり手順があるので」
 どうしてもとだ、ホーソーンは市長にもこう言った。
「そうですさかい」
「だからですか」
「はい、わいはです」
「まずはですか」
「港のお仕事やらせてもらいます」
「それでこの世界のことを経験で知り」
「周りにも見てもらって」
「大丈夫だと思われ」
「評価してもらったらです」
 その時にというのだ。
「旗揚げさせてもらいます」
「そうですか、では」
「はい、まずはです」
「そちらをお願いします」
「やらせてもらいます、それでお給料は」
「はい、支払わせてもらい」
 市長はこのことは笑顔で応えた。
「お部屋も用意させてもらいます」
「ほなそういうことで」
「お願いします」
 こう話してだった。
 ホーソーンはこの世界で働きだした、彼は港の責任者になるとすぐに港のあらゆることを万全に取り仕切ってだった。
 揉めごとを解決し海に出て来る賊やモンスター達もだった。
「いや、一掃されてますね」
「これ位は何でもない感じです」
 ホーソーンはその日の仕事を終えて港の居酒屋で綱元と飲みながら話した。
「やってみたら」
「そうですか」
「はい、ほんまに」
 こう言うのだった。
「港の行政や揉めごとの解決に」
「海賊やモンスターの退治も」
「色々やらせてもらって」
「どうでしょうか」
「忙しいですが」
「それでもですね」
「出来てるのなら」 
 それならとだ、ホーソーンは綱元に話した。飲んでいる酒はバーボンでストレートで飲み干し肉やナッツを肴にしている。
「それで、です」
「いいですか」
「その辺り評判ええみたいですが」
「こんないい仕事をする人はいないとです」 
 綱元はビールを大きなジョッキで飲んでいる、そのうえでの返事だ。
「殆どの者が思ってますよ」
「そうですか」
「やはりです」
 綱元はソーセージ、茹でたそれを口の中に入れてから話した。
「星の方は違うと」
「評判ええですか」
「ホーソーン様はバイキングですし」
 今度は彼の職業のことも話した。
「尚更ですね」
「海や川で戦う職業なので」
「しかも商売もしますね」
「ああ、バイキングは戦闘と」 
 ホーソーンもそれはとなって応えた。 
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