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仮面ライダーファイズ 小さな星の話

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第三十八章

 乾は上に掲げ草加は手で見せる。三原はそのまま入れて変身に入る。
「変身!」
 三人同時に光に包まれてライダーに変身する。王は彼等の前に立っている。三人は彼等に向かう。王はそれに対して手からエネルギー弾を放ってきた。
「うわっ!」
 三原はそれを受けてしまう。直撃こそは避けたがそれでも吹き飛ばされてしまった。
「三原!」
「だ、大丈夫だ」
 乾の言葉に応えて何とか立ち上がる。
「しかしこの力、前よりも」
「あがっているっていうのか」
「ああ、これは」
 胸を抑えながら述べる。
「この前よりもな。かなり上になっている」
「どういうことかな、それは」
 草加は二人に問う。
「強くなってるっていうのは」
「さあな。本当に覚醒したってことなんだろう」
 それが乾の推測だった。
「だとしてもな。やらないわけにはいかないしな」
「そうだな。じゃあ」
 三原が頷く。乾はその彼と草加に声をかける。
「草加、御前は右だ」
「ああ」
 草加はその言葉に頷く王の左手、即ち乾の右側に回る。
「三原、左だ」
「わかった」
 三原は左手に。それぞれ回る。
「三人がかりでも倒せるかどうかわからないけれどな」
「やるしかないってわけか」
「みたいだな」
 三人は王に向かう。圧倒的な王の力が光となって辺りを照らす。

 その頃ライオトルーパー達との戦いは終わりに近付いていた。城戸はドラゴンライダーキックで彼等をまとめて倒していた。見れば数はかなり減っていた。
「もうすぐか?」
「そうみたいだな」
 秋山がそれに応える。
「あと一息だ。だが」
「油断大敵ってわけか。何か今までこんな戦いしたことあった気がするな」
「そうだな」
 秋山は城戸のその言葉に頷いてきた。
「俺と御前でな」
「そうだよな。何かそれが不思議なんだよ」
 彼は言う。
「御前とはずっと一緒だった気がするんだよな」
「俺もだ」
 秋山もそれに応える。
「どういうわけかわからないがな」
「まあいいさ。考えたって仕方ないからな」
 その通りだった。まだライオトルーパーは大勢いた。
「じゃあ最後にな」
「後ろは任せろ」
「ああ、頼むぜ」
 二人だけでなく他のライダー達も向かう。その中には一条や北條もいる。彼等は円陣を組んで木村と共同してライオトルーパー達を退けていた。
「五代君は何処ですか?」
「あいつなら大丈夫だ」
 戦いの中で一条は北條の言葉に応えた。
「見ろ、あそこを」
 目の前を指差す。するとそこにはライオトルーパー達をその拳で倒していく五代がいた。
「これ位ならな。あいつは心配無用だ」
「彼を信頼しているのですね」
「そうだ」
 その問いを肯定してみせた。答えながら彼も銃で敵を倒していく。
「あいつは強い、その心も」
「わかりました。では我々は我々で」
「そうだ、このまま」
 彼等も人としてライダーと共に戦っていた。そう、人として。乾達もまた人として戦っていたのであった。
 王はどれだけ攻撃を浴びせられても倒れはしなかった。その力は圧倒的でさえあった。
「喰らえっ!」
「これでな!」
 三人はそれまでも絶え間なく攻撃を浴びせていたが遂に今切り札を出した。クリムゾンスマッシュ、ゴルトスマッシュ、ルシファーズハンマーをそれぞれ放つ。しかしそれを受けても王は全く平気であった。
 
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