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X ーthe another storyー

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第十五話 仮住その三

「連中もおってどうにもならん様な」
「酷い人もですか」
「おるさかいな」
 だからだというのだ。
「護刃ちゃんもな」
「そうした人には気をつけて」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「生きてくんやで」
「悪い人ですか」
「そや、もう荒んだ嫌な目をしていたら」
 そうした輩はというのだ。
「要注意や」
「そうした人は」
「よくある詐欺とかクスリとか殺人とか」
「そうした犯罪はそうした人達がですか」
「起こすからな」
「それで、ですか」
「多分な」
 空汰はこう前置きしてこんなことも言った。
「桜塚護な」
「地の龍の一人だという」
「何でも闇の陰陽道のモンでな」
 それでというのだ。
「随分とな」
「悪いことをしていますか」
「陰陽道を悪用してや」
 そうしてというのだ。
「人を殺めてる」
「そんな人ですか」
「そやからな」
 そうした行いをしているからだとだ、空汰は桜塚護に会ったことがなくよく知らないがそれでも察して言うのだった。
「かなりな」
「悪い人ですか」
「もう目なんかな」
 このことも憶測で話した。
「これ以上はないまでにな」
「荒んでいて」
「それでや」
「一目見たらですか」
「わかる位のな」
 それ程までのというのだ。
「悪者や」
「だからですね」
「こいつに会ったら即座にな」
「戦って」
「倒すことや」
 そうしなければならないというのだ。
「他の地の龍も同じやが」
「その人もまた」
「そや、まあ地の龍と言ってもそれぞれで」
 それでというのだ。
「悪い人もおらんが」
「そうなんですか」
「わいがこの前会った遊人さんは穏やかやった」
 彼のことを話した。
「話していて悪い印象は受けんかった」
「貴方がそう言うならそうね」
 嵐は空汰の話を聞いて述べた。
「その人は」
「ああ、別にな」
「悪い人ではないのね」
「そや、けどな」
「桜塚護のことは私も聞いているわ」
 嵐にしてもだった。
「闇の陰陽道の総帥ね」
「何人おるかわからん桜塚護のな」
「その名自体を冠した」
「お金を貰って術を用い」
「人を殺めることさえ平然とするな」
「悪と言うならね」
 その行いをというのだ。
「まさにね」
「それになるな」
「そうした人ね」
「ある意味地の龍としてもや」
「異質ね」
「相応しい様でな」
 その実はというのだ。 
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