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仮面ライダーファイズ 小さな星の話

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第十四章

「オルフェノクだ」
「ああ、聞いた」
 三原がそれに応える。
「行くか、すぐに」
「いいな、草加」
「ああ、俺の考えは変わらない」
 草加はすぐに乾に答えた。
「オルフェノクになってもな。オルフェノクは倒す、それだけだ」
「そうか」
「そういうことだ」
「よし、じゃああんんた達は」
 乾は今度は津上達に声をかけた。
「俺はあんた達と一緒に行くさ」
「俺もな」
 津上と葦原はそう述べてきた。
「僕はちょっと。変身してきます」
「変身!?」
「ああ、氷川さんはちょっと特別なんだ」
 津上が三人に説明する。
「警察が開発したライダーでね。チームで装着して戦うんだ」
「そうだったのか」
「はい。すぐ行きますから」
 そう五人に述べる。
「じゃあ」
 氷川は一足早く店を出た。五人はそれを見送ってからそれぞれのバイクに乗り込む。
「しかしラッキーグローバーとはな」
「それだけじゃないんじゃないかな」
 草加が三原に言う。
「というと」
「他にも出て来る可能性があるってことさ」
「他の奴等もか。これは最初からかなり派手な戦いになるな」
「何、覚悟のうえさ」
 津上が乾にそう返す。
「ずっとそうした戦いだったんだろう?それはこっちもさ」
「そうか、じゃあ頼りにさせてもらうぞ」
「ああ」
「任せてくれ。少なくとも足手纏いにはならない」
 最後に葦原が言う。五人はそのままそれぞれのバイクで川辺に向かった。

 川辺では長田、海堂がラッキーグローバーと戦っている。二人で四人を相手にしている。そのわりには健闘していると言えた。
「へえ、思ったよりしぶといね」
 ドラゴンオルフェノクの姿の北崎が息を荒くしながらも立っている二人を見て言う。
「やるじゃない」
「予想通りね」
 影山はそんな北崎とは対象的に冷徹にこう評してきた。
「二人共実力はわかっているわ。けれどだからこそ」
 彼女はここでさらに言う。
「もうそろそろ限界じゃないかしら。私達四人を相手にしてだと」
「甘く見るなっちゅうんだよ」
 海堂がそれに言い返す。左肩を押さえているがそれでもまだ立っている。
「御前等位俺一人でもな」
「海堂さん無理しないで」
 しかしそんな彼を長田が注意する。
「相手はラッキーグローバーよ。だから」
「その通りだ」
 ジェイがそれに応えて述べる。
「その俺達四人相手によくやった」
「しかしそれも限界だ」
 澤田がゆっくりと前に出て来た。
「死んでもらう」
「まずは二人ね」
 影山が笑った時だった。彼等の右手にある土手の上の道に三人のライダーが姿を現わした。
「なっ、乾巧、三原修二」
 影山が彼等を見て言う。
「ここに来たのね」
「奴等だけじゃないよ」
 北崎がそれに訂正を入れた。
「ほら、あのカイザも」
「草加雅人。生き返っていたのね」
「そういうことだ。御前等も随分と生き返っているようだな」
「そうさ。御前達を倒す為にな」
 澤田がそれに返す。
「来い。御前等の相手もしてやる」
「いらっしゃい、坊や達」
「言われなくても。行くぞ!」
「ああ」
「わかった!」
 草加と三原は乾のその言葉にそれぞれ答えた。そして同時にフォンを出す。
 番号を入力する。
「スタンドバイ」
 それから乾は右手を高く掲げ草加は右手で持っているのを見せる。三原は直接右の腰に入れる。
「変身!」
「コンプリート」
 電子音と共に赤、黄色、青の三つの光がそれぞれ輝く。三人はそのままファイズ、カイザ、デルタの三人のライダーに変身したのであった。
 
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