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X ーthe another storyー

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第十四話 添星その五

「彼が選んだ道とです」
「もう一つの道にですね」
「進む運命です」
「わかっています」
「若し彼が天の龍を選べば」
「俺は小鳥を殺しますね」
「彼の目の前で」
「十字架にかけられた妹を」
「その手で」
 まさにというのだ。
「そうします」
「そうなるのが運命ですね」
「彼が天の龍を選べば」
「そしてあいつが地の龍を選べば」
「今度は彼がです」
「小鳥を殺しますね」
「貴方の目の前で」
 牙暁は目を閉じて述べた。
「まさにです」
「逆にそうなりますね」
「そうなります、これもです」
「俺達の運命ですね」
「そして戦い合い」
「殺し合いますね」
「それが貴方達の運命です」
 こう言うのだった。
「二人の神威の」
「俺もまた神威なので」
「だからです」
 まさにという返事だった。
「貴方達の思惑をです」
「外れて」
「そのうえで」
「そうはならないです、いえ」
「いえ?」
「しません、俺も神威も」  
 封真は夢の中で俯いていた、だがその中で強い声で述べた。
「それはです」
「ないというのですか」
「はい」
 こう牙暁に言うのだった。
「あいつは言いました、決してです」
「彼女を殺さないと」
「護るとです」
 その様にというのだ。
「約束しました、そして俺もです」
「約束しましたか」
「あいつにもそうで」
 そしてというのだ。
「小鳥にもそしてです」
「貴方自身にもですか」
「そうしました、ですから」
「それで、ですか」
「俺もあいつも地の龍になっても」
 その時もというのだ。
「絶対にです」
「彼女を殺しませんか」
「そうします、護ります」
「そうですか」
「例え地の龍になっても」 
 またこう言うのだった。
「小鳥は殺さずあいつにです」
「彼女を委ねますか」
「そうします」
 こう言うのだった。
「誓いましたから」
「運命を変えるのですか」
「運命は変えられないものですか」
 封真は北暁の顔を見て彼に問う様にして言った。
「果たして」
「僕は絶対とです」
「思っていますか」
「今は違うかもとです」
 その様にとだ、牙暁は目を閉じて答えた。そのうえで封真に対して深く考える顔になりこうも言った。 
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