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イベリス

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第九十四話 牛丼を食べてその五

「頂くわ」
「それじゃあね」
「一緒にね、食べましょう」
 笑顔で話してだった。
 二人で並んで牛丼を食べた、そうしてだった。
 その牛丼を食べてだ、咲は笑顔で言った。
「やっぱり美味しいわ」
「そうよね、時々よね」 
 愛も笑顔で応えた。
「牛丼ってね」
「食べたくなるわよね」
「そうなのよね」
 これがと言うのだった。
「本当に」
「そうよね」
「こうした食べものってね」
 所謂ファーストフードはというのだ。
「時々ね」
「無性に食べたくなってね」
「そして食べると」
「美味しいのよね」
「凄くね」
 二人で笑顔で話した。
「そうなのよね」
「そうよね、牛丼にしても」
「ハンバーガーでもピザでもね」
「ラーメンだってね」
「それでインスタントラーメンも」
 愛はこの食べものの話もした。
「そうなのよね」
「そうそう、時々ね」
「食べたくなるでしょ」
「それで自分で作って」
「食べるわね」
「お酒にも合うから」
 咲は今は牛丼を食べつつ話した。
「尚更ね」
「いいわよね」
「味噌ラーメンでも塩ラーメンでもね」
「私最近豚骨が好きだけれど」
「インスタントラーメンで?」
「そうなの」
「そうなのね、そういえば私豚骨はね」
 このスープのラーメンはとだ、咲は言った。
「あまりね」
「食べたことないの」
「今度食べてみるわね」
「いいわよ、東京ってラーメンはお醤油でしょ」
「お店のラーメンだってね」
「メインはね、けれどね」
 それでもと言うのだった。
「豚骨もね」
「美味しいのね」
「だからね、今度機会があったら」
「豚骨もなのね」
「インスタントでもお店のでもね」
 どちらでもというのだ。
「食べてみてね」
「そうするわね」
 咲は愛の言葉に頷いた、そうして彼女も牛丼を食べていった。そして食べ終えるとご馳走様と手を合わせたが。
 愛も同時にそうしていた、それで一緒に勘定等を済ませて店を出たが愛は咲と一緒に歩きながらこんなことを言った。
「もうお腹一杯ね」
「そうよね、ただね」
「ただ?」
「咲ちゃんの学校世界中から人が集まってるわよね」  
 八条学園高等部東京校の話をした。
「そうでしょ」
「ええ、北朝鮮以外からね」
 咲もそれはと答えた。 
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