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新オズのカボチャ頭のジャック

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第六幕その二

 鴨達が稲と稲の間を泳いでいてお空の上には雀が飛んでいます、区割りそれに道になっているあぜ道には大豆が植えられていてです。
 水路には鮒やタウナギが泳いでいます、ガンプはその水田を見ていいました。
「ただ稲があるだけじゃないね」
「様々な生きものがいるね」
 教授が応えます。
「以前お話した通り」
「そうだね、自然が豊かだね」
「水田は人のものでも」
「自然も一杯あるんだ」
「そうなのだよ」
「水田っていいね」
「いるのは鳥やお魚やタニシだけではないよ」
 教授はガンプに楽しそうにお話しました。
「他にもいるよ」
「そうなんだ」
「ほら、見るんだ」
 お空を指差すとです。
 そこには多くのトンボ達がいました、彼等はお空を悠々と飛んでいます。
 そして次は水田の中を指差しましたが。
 そこにはアメンボやヤゴ、トンボの幼虫やゲンゴロウやミズカマキリにタイコウチ達が泳いでいていて稲にテントウムシや他の虫達がいてです。
 あぜ道の草のところにはバッタやコオロギ達がいます。教授は虫達も観て言うのでした。
「虫も一杯いるね」
「そうだね」
「彼等も含めてだよ」
「水田は自然が一杯なんだ」
「そうなのだよ、麦畑にも色々な生きものがいるけれど」
「水田はもっとだね」
「沢山の生きものがいるんだ」
 そうなっているというのです。
「お水が沢山あるからね」
「お水があると沢山の生きものが生きていけるからね」
「それでだよ」
「成程ね」
「うん、ここは凄くいい場所だよ」
 かかしも言います。
「ここに立っていると飽きないね」
「かかし君としてもだね」
「そこにいるだけでね」
 教授に笑顔で答えました。
「絶対にそうだよ」
「生きもの達を見ているだけで」
「それだけでね」 
「皆僕に集まってきているよ」
 樵はどうかといいますと。
 雀達が樵の頭や肩の上に停まってきています、担いでいる斧の上にまです。
「どうしてかな」
「それは樵君だからだよ」
「僕だからなんだ」
「君はオズの国で一番優しい心の持ち主だからね」
 それ故にというのです。
「皆君のところに集まるんだよ」
「そうなんだね」
「うん、けれどね」
 教授はここで、でした。
 皆も見ました、すると樵だけでなくです。
 他の皆も雀達が停まっています、特にオズマに。教授はその状況を見て目を細めさせて言いました。
「皆もいい人だからかな」
「こうしてだね」
 ジャックも頭の上に一羽いる状態で言います。
「雀君達に慕われているのかな」
「そうだね、ではね」
「雀君達に慕われる中で」
「そこでだよ」
「こうしてだね」
「水田を見ていこう」
 こう言ってでした。
 皆で今ある水田達を見ていきます、水田には色々な生きもの達がいて。
 紫のオズの国の民族衣装を着たギリキンの人達が暖かい日差しを浴びつつ笑顔で働いています、あぜ道を作ってです。 
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