ログインしてください。

 | 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十三部第四章 戦線崩壊その三十

「だがな」
「それでもですね」
「敵に損害は与えられる」
「そしてそれがこの度の戦いの決め手となる」
「だからこそですね」
「攻撃は行う」
 敵の考えはわかっていてもというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「ではですね」
「このまま進み」
「攻撃を加えて」
「それからもですね」
「攻撃は予定通り続ける」
 変更、それは行わないというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「それではですね」
「このまま進みましょう」
「進路も変えず」
「全軍そうする、ここで背を向ける様ならだ」
 ティムール軍がそうした軍ならというのだ。
「既に我が軍は戦争に勝っている」
「そうなっていますね」
「そうした惰弱な軍ならば」
「戦争を知らない軍ならば」
「例え戦力を消耗し士気が落ちていてもだ」
 そうした状態でもというのだ。
「戦い方はある」
「左様ですね」
「どういった状態でも」
「戦い方はありますね」
「それは今のティムール軍も同じです」
「ティムール軍は防衛施設の将兵達も収容してだ」
 見ればティムール軍の艦隊は今は防衛施設と並列している、移動要塞の真横や真上に展開している程だ。
「そのうえでだ」
「撤退するつもりですね」
「彼等も見捨てず」
「その考えですね」
「ティムール軍の軍律は厳格だが」
 それでもというのだ。
「冷徹ではない、撤退の時もだ」
「出来るだけ将兵は収容して」
「そのうえで撤退に移りますね」
「国境での戦いもそうでしたし」
「この度もですね」
「そうだ、彼等はだ」
 まさにというのだ。
「その様にして撤退する」
「だからですね」
「この度もですね」
「艦隊だけでなく」
「防衛施設の将兵達も収容しますね」
「そうして撤退する、もうそれを考えてだ」
 そのうえでというのだ。
「後方基地もそうだな」
「そうですね、補給艦の動きが活発になっています」
「あの艦での魚雷攻撃は続けていますが」
 今度はそれは後方に行っているのだ。
「しかしです」
「その中でも動いています」
「後方の整備機知や補給基地から将兵達を収容していますね」
「物資も出来るだけ」
「そうして撤退させていますね」
「彼等も」
「その動きも速い」
 撤退のそれもというのだ。
「ならだ」
「それならばですね」
「先に閣下が言われましたが」
「殲滅は難しいですし」
「やはり狙うべきではないですね」
「そうだ」
 まさにそうなるというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧