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星河の覇皇

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第八十三部第四章 戦線崩壊その二十九

「だからいいな」
「わかりました」
「ではここではですね」
「敵の一撃を受けますね」
「それを防ぎますね」
「損害は出る」
 フセインもそれは覚悟のうえだ。
「だかだ」
「それでもですね」
「この場ではですね」
「あえて一撃を受けるしかない」
「損害はその方が少ない」
「最低限で済みますね」
「そうなる、戦士は正面からの攻撃には鎧兜が一番厚く盾も構えられる」
 そこからの攻撃にはというのだ。
「だから一見一番死にやすいが」
「それは違いますね」
「自分を守れるので」
「実は一番死ぬ可能性が低い」
「左様ですね」
「そうだ、しかし敵に背を向けて逃げると」
 その場合はというと。
「最もだ」
「損害を出しますね」
「そうなりますね」
「どうしても」
「そうしたものだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「今はだ」
「何とかですね」
「敵と向かう」
「そして正面から受けて」
「あえて凌ぎますね」
「それから退く、そして一人でも多くだ」
 犠牲は出てもというのだ、やはりそれは覚悟のうえだ。
「生きるぞ」
「わかりました」
「それではです」
「ここは生きる為に」
「敵の攻撃を受けましょう」
 幕僚達も応えた、そしてだった。
 フセインは自身の艦隊を今は退かせなかった、とはいっても前に出るのではなく守りを出来るだけ固めていた。
 そのうえでオムダーマン軍を待つ、その彼等を見てアッディーンは言った。
「いいか、ここはだ」
「はい、今からですね」
「ティムール軍に総攻撃を仕掛けますね」
「戦艦や重巡で攻撃を仕掛け」
「砲艦やミサイル艦も再び攻撃を行い」
「駆逐艦や軽巡も」
「そして空母もだ」
 空母から艦載機も出すというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「敵軍に打撃を与える」
「それも徹底的に」
「そうしますね」
「敵の考えはわかっている」
 ティムール軍、彼等のというのだ。
「よくな」
「退くつもりですね」
「これからの我々の総攻撃をあえて受け」
「それを防ぎ損害を最低限に抑える」
「そうしますね」
「ここは」
「ティムール軍はな、しかしそれがわかっていてもだ」
 今はというのだ。
「仕掛けるべき時だからだ」
「だからこそですね」
「ここは攻撃を行いますね」
「敵に渾身の一撃を浴びせますね」
「そうしますね」
「確かに防がれる」 
 このことは避けられないというのだ。 
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