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やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか

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パラディ島編 第10話 訓練兵団⑤

あのサバイバル訓練から早1年。

 訓練兵団卒業まで、後半年となった。

 鍛えた2年でクリスタの成績は、大分上がった。

 最近の成績も、

 ---

 クリスタ・レンズ

 立体機動術  6

 対人格闘能力 6

 座学     8

 兵站行進   7

 馬術     10

 技巧     7

 格闘力6 行動力7 頭脳8 協調8

  総合成績 10位

 ---

 と、鍛える前とはまったく違う。

 そんなことを考えつつ、今俺は、

 立体機動訓練でヒョウやエレン達といろいろやっている。

 ヒョウ「!目標補足!15m級、10時の方向に1体、
     10m級、1時の方向に2体、12時の方向に1体、
     ミカサは10時、エレン、アルミンは1時の方向に向かえ!
     ハチマンは、俺と一緒に正面を。
     討伐後は、全員安全に木の上で待機。回収しに来るまで
     耐え凌げ。全員散開!」

 ヒョウにそういわれ、ミカサは左に、残りの2人は右に、俺はヒョウと
 一緒に正面に見えた巨人模型の討伐に向かった。

 俺とヒョウは、立体機動で巨人模型に近づいていく。

 ヒョウ「ハチマン!あれを試すぞ。」

 ヒョウにそう言われた為、ヒョウと一緒に一度模型を通り抜け、
 体を後ろに向け、俺は右側の、ヒョウは左側のアンカーを自分のいる
 反対側の木に打ち込み、ガスをふかして、ヒョウとぶつからないように
 飛びながら、2人で巨人模型のうなじを削いだ。

 ※進撃の巨人2のバディアクションのジャンやオルオとの連携攻撃と
  同じようなことをしています。

 キース「!?」

 教官達「「「「「!?」」」」」

 教官1「!?ちょ、ちょっと、私、何があったか
     少し理解できないのですけど・・・。」

 教官3「大丈夫だ。私にも分からん。」

 教官2「・・・あの2人はいよいよおかしい。」

 キース「・・・彼らは、あの人類最強の兵士並みかも知れんな・・・。」

 俺たちは、教官達がそんなことを言っているのに気付かず、立体機動で
 エレンたちを回収しにいった。

 ヒョウ「エレン!アルミン!」

 エレン「!ヒョウ!今そっちに合流する。」

 ヒョウ「・・・よし、ハチマンたちと合流するぞ。」

 エレン、アルミン「「「ああ。(うん。)」」」

 ---

 ハチマン「ミカサ!」

 ミカサ「!ハチマン!ちゃんと倒せた?」

 ハチマン「ああ。ちょうど試したいことも試せた。上々の成果だ。」

 ミカサ「試したいことって?」

 ハチマン「それは後で。さっさと、ヒョウたちと合流するぞ?」

 ミカサ「うん。」

 俺たちは、立体機動でヒョウたちが向かうであろう所に行く。

 ハチマン「!ヒョウ!」

 ヒョウ「!よし、合流できたな。次の模型がいるところに向かうぞ。」

 他の4人「「「「ああ。((うん。)・・・分かった。)」」」」

プシュー

 ---

 ジャン「おい!てめぇら!ちゃんとしろ!」

 コニー「はぁ?ちゃんとやってるっつーの。」

 サシャ「にしても、なかなか獲物がいませんねぇ。」

 マルコ「おいおい、落ち着きなよ。」

 ---

 ライナー「ちぃ、ヒョウたちの班が付近の模型を狩っているからか、
      なかなか模型がねぇな。」

 ベルトルト「そうだね・・・。」

 アニ「相変わらず、あいつらは速いね・・・。」

 ライナー「これも、ヒョウとハチマンが、やったのか・・・?
      最近も、クリスタの成績が伸びているし・・・。」

 ベルトルト「どうだろう・・・。彼らに、そんな余裕があるのかも
       分からないし・・・。」

 アニ「あると思うよ。」

 2人「「!?」」

 アニ「あの立体機動でも、あまり本気は出してない。
    私の得意な対人格闘でさえ、あいつらは余裕で相手してくる。
    たぶん私たち全員で戦って、やっと本気を出させるくらい、
    それくらいの底力がある。あまり舐めない方がいいよ。
    ・・・ハァ、アイツトケッコンデキナイカナァ・・・。」

 ---

 キース「・・・。」

 そんな訓練兵たちの様子を見ていたキースは、冷静に訓練の結果を分析し、
 自身が持つ羊皮紙に評価を記していく。

 【ジャン・キルシュタイン】
 立体機動装置の理解が深く、その性能を引き出す術に長けている。
 現状を認識する能力も持っているが、抜き身すぎる性格が軋轢を生みやすい。

 【コニー・スプリンガー】
 バランス感覚が良く、小回りの利く機動が得意。
 しかし頭の回転は鈍く、時々作戦の誤認がある。

 【サシャ・ブラウス】
 身のこなしが素早く型破りな勘の良さがあるが、型にはまらない故に
 あまり組織力な行動には向かない。

 【アニ・レオンハート】
 斬撃の進入角度に非の打ち所がない。しかし、性格は孤立気味で
 ヒキガヤ、ギルデット訓練兵以外との連帯性に難がある。

 【ライナー・ブラウン】
 屈強な体格と精神力。仲間から高い信頼を得る。
 しかし、よくヒキガヤ、ギルデット訓練兵のことを観察しており、
 何を考えているのか、不審な行動を取るときがある。

 【ベルトルト・フーバー】
 あらゆる技術をそつなくこなし高い潜在能力を感じさせるが積極性に欠ける。

 【エレン・イェーガー】
 格闘術に秀でており、人一倍強い目的意識を持っている。
 ヒキガヤ、ギルデット訓練兵等と自主鍛錬を積み、成績が向上している。
 しかし、少し無鉄砲なところがあり、団体行動時に難があると思われる。

 【ミカサ・アッカーマン】
 あらゆる難解な科目を完全にこなす実現力がある。
 しかし、ヒキガヤ、イェーガー訓練兵のこととなると、周りが見えなくなる
 ことがあり、少し協調性に難があると思われる。

 【アルミン・アルレルト】
 頭脳明晰。我々でも思いつかないような作戦等を思いつくこともあり、それを
 ヒキガヤ、ギルデット訓練兵と共に作戦を実行に移したり、発明品の改善点を
 見つけて、修繕したりする行動力、洞察力を持っている。
 他の教官や技工士からは、卒業後、技巧科への移動を期待しているものもいる。

 これが、後にこの物語の主要となるメンバーの一部である。

 しかし、そんな彼らに手を貸したり、はたまた警戒されたりする者もいる。

 【ヒョウ・ギルデット】
 あらゆる技術に秀でており、剣術、対人格闘等で巨人だけでなく人間も
 相手するだけの技術、身体能力がある。
 その上、観察眼、人物眼、空間把握能力に長けており、どの兵団でも
 重役になることが出来るほどのカリスマも持っている。
 しかし、本人には上に立つ気がなく、個人面談をした際に、
 「私には、上に立つ度胸も資格もない。せいぜい、上に立つべき人に
  大切なことを学ばせる機会を与えることしか出来ない。」
 と言っており、過去に何かあったかと思わせることを言っている。
 本人は、現在、通過儀礼で言っていたように、調査兵団を
 目指しているようである。

 【ハチマン・ヒキガヤ】
 兵士として基本的な技術はアッカーマンやギルデット訓練兵よりも高く、
 その上、優れた観察眼や並外れた思考能力、作戦をすぐに行動に移す
 行動力等の兵士に必要とされる素質のほとんどをもつ。
 しかし、あまり周りと関わらず、同じ開拓地から来たレオンハートや
 同じ班のレイス、出身地が同じイェーガー、アッカーマン等の特定の
 人物と共に行動していることが多いが、積極的には人と関わろうと
 しないため、少々協調性に欠けると思われる。
 また、彼の話す言葉には多くの人を惹きつけるものがあり、
 彼も上に立てる人間であるといえるが、協調性の低さや大事な場面で
 緊張で時々噛んでしまうことがあるため上に立つより、分隊長等に
 なれる素質を持った人間であるといえるだろう。

 そのように書き、総括してこう書き示す。

 <闇討ち時や立体機動訓練での危険な立体機動時等の命の危険がある
  危険な行為時に、右目が紫に、左目が青と黄色に輝くときがある。
  おそらく自身が本気になったとき、または窮地に立たされたときに
  自身を生き残らせるときのみに瞳の色が変わるのだろう。
  この現象は、ヒョウ・ギルデット訓練兵にも起きており、
  彼の場合、右目が青く輝き、左目は瞳の形が黄色い星の形になる。
  なぜこのようになるのか、一切分からない。
  また、本人らは(おそらく)それを知らず、また、自らを高めようとする
  向上心も天井知らずといえるほどで、異常な成長を見せる。>

 キース「もう少し他の訓練を真面目に受けてくれたら成績上位10番に
     入れるものを、あいつらは何を考えているのだ。」

 キース教官1人の評価では成績上位10番には入ることはできない。

 訓練兵団を指揮する教官たち複数名の総合的評価によって成績がつけられる。

 キースはハチマン達を最高評価としているが、彼らは始めに成績表を配られて
 以降訓練で手を抜くことが多々見受けられる。
 
 他の教官たちはそれを見て、やる気が無しと判断し最低評価をつけている。

 教官1「団体訓練では、しっかり訓練を受けるのですが、なぜ個人訓練では
     手を抜いたりするのでしょうか・・・。」

 教官2「本当にそうですねぇ・・・。高い技術と異常なほどの身体能力、
     多くの才能を持っていながら、あまりにも態度が悪い。」

 教官4「しかし、よく、レンズ訓練兵やイェーガー訓練兵と自主鍛錬をしている
     所を良く見ますし、単純に疲れていたりする可能性もありますねぇ。」

 教官3「もしそうだったとしても、自身の体調管理も兵士の勤めですし、
     成績に考慮することは出来ないですしねぇ・・・。」

 そう話している同業の教官達に、自身の知らないこともあったと思い、
 もう少し、ちゃんと見てみるかと考えていたが、次の訓練兵たちが
 立体機動でやってくるため評価に移る。

 そんな評価を付けられていることを知らずに、ハチマン達は訓練を続けていく。

 ---

 訓練終了後、俺たちはミカサにいった『試したいこと』について話していた。

 ミカサ「ハチマン、試したいことって何だったの?」

 ハチマン「ああ。実は、ヒョウと何か、その、コンビ技?みたいな事をしようと
      思ってな。練習していたんだが、巨人模型で練習する機会がなかった
      から、今日実践してみようと思ったんだ。」

 ミカサ「!で、どうだった?」

 ハチマン「成功した。まぁ、尤も、実戦で使えるかどうかは分からないが。」

 ミカサ「!私も。」

 ハチマン「?」

 ミカサ「私もハチマンとコンビ技がやりたい!」

 ハチマン「は!?」

 ミカサ「だから、私もハチマンと何かコンビ技がしたい。」

 ハチマン「は!?いやいやいや、できrヒョウ「できるぞ。」

 ハチマン「・・・は?」

 ヒョウ「いや、だから、ハチマンとミカサのコンビ技、できるぞ。
     練習すればだけど。」

 ハチマン「・・・マジで?」

 ミカサ「!本当!?」

 ヒョウ「ん?ああ。結構大変な練習だし、ほぼほぼ実戦用だから、
     訓練用の巨人模型相手じゃできないけれど。」

 ミカサ「そう・・・。やろう!」

 ヒョウ「・・・!?・・・やるのか?」

 ミカサ「うん、やる。」

 ヒョウ「・・・そうか、なら、ハチマン。付き合ってやったらどうだ?」

 ハチマン「え、えぇ・・・。」

 ミカサ「・・・いや・・・?」

 ハチマン「うっ・・・。」

 ハチマン(そんな上目づかいで見ないでくれ・・・。
      かわいすぎるから・・・。」

 ミカサ「!うぅ~・・・。」

 ハチマン「・・・?どうした、ミカサ?」

 ミカサ「!・・・うぅ・・・。」

 ハチマン(・・・はっ!まさか、コンビ技させてくれないから
      怒ってるのか・・・?)

 ミカサ「・・・はちまん。だめ?」ウルウル

 ハチマン「分かった。ミカサ、コンビ技の練習するか。次の休日にでも。」

 ミカサ「!うん!」マンメンノエミ

 ハチマン「グハッ・・・。」

 ジャン「グハッ・・・。」

 ミカサ「!ハチマン!?大丈夫!?」

 ヒョウ「・・・カオスダネ。」トオイメ

 ---

 あのコンビ技の件から数日後、無事俺たちは、コンビ技ができるようになりました。

 そして、その日から約半年。

 ついに、俺たちは訓練兵団を卒業する日が来た。

 三年という月日を終えた第104期訓練兵団が全訓練課程を修了し、
 解散式が行われていた。

 教官1「100年の平和の代償は、惨劇によって支払われた。
     当時の危機意識では突然の超大型巨人の出現に
     対応できるはずも無かった。
     その結果、先端の壁ウォール・マリアを放棄。
     人類の活動領域は現在我々のいるウォール・ローゼまで後退した。
     今この瞬間にも、あの超大型巨人が街を破壊しに来たとしても
     不思議ではない。
     その時こそ諸君は、その職務として生産者の代わり、自らの命を捧げて
     巨人という脅威に立ち向かってゆくのだ!」

 教官1「心臓を捧げよ!!!」

 訓練兵たち「「「「「ハッ!!!!!」」」」」

 その日の夜、三年の苛酷で峻厳な修練を耐え抜いた200人強の
 訓練兵団解散式が行われていた。

 基地内の大広場。石床に静寂した空間。前後方に巨大な松明が辺りを
 照らすだけの重く、神聖な雰囲気が漂う中、200人強の訓練兵たちが
 心臓を捧げる敬礼をとる。

 教官1「本日諸君らは訓練兵を卒業する。
     その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する。
     呼ばれた者は前へ。」

 敬礼する訓練兵たちの一部の顔が険しくなる。

 皆固唾を飲んで自分の名が呼ばれることを祈っているが、
 大抵の人は呼ばれる人間が誰なのか大方予想がついていた。
 後は呼ばれる順番のみで成績上位10名に入れば順位など関係ないも同然だが、
 それでも気にする人間はいた。

 そして皆が注目する中、前に集う教官の一人が
 羊和紙に記された名前を呼びあげていく。

 教官1「主席 ミカサ・アッカーマン
     次席 ライナー・ブラウン
     3位 ベルトルト・フーバー
     4位 アニ・レオンハート
     5位 エレン・イェーガー
     6位 ジャン・キルシュタイン
     7位 マルコ・ボット
     8位 クリスタ・レンズ
     9位 コニー・スプリンガー
     10位 サシャ・ブラウス 以上10名―――だ』

 200人強の前に横並びに整列し、その卓越した彼らの中でも
 更に精鋭な10名が立つ。

 前を往く10名の表情は、既に未来を見据え新たな舞台へ進むための
 決意を胸に秘めていた。

 教官1「本日を以て訓練兵を卒業する諸君らには3つの選択肢がある。
     壁の強化に努め、各街を守る「駐屯兵団」
     犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む「調査兵団」
     王の元で民を統制し秩序を守る「憲兵団」
     無論新兵から憲兵団を希望できる者は
     先程呼ばれた成績上位10名だけだ!!」

 厳格な声が広場に響き渡り何重にもなって反響する。

 厳しかった教官たちとの別れ、三年間苦楽を共にしてきた仲間との別れ。

 兵士となるもの、生産者となるもの様々な道に別れるため、彼らには
 その選択する義務があり、その道は自分自身で決めなければならない。

 多くの者が憲兵団に入ることを望み、それを目標に今日までやってきたのだが、
 その権利は前を立つ10名にしかない。

 選ばれなかった残りの200人強の訓練兵たちは今日明日で自分の未来の姿を
 決めなければならなかった。

 ・・・前から憲兵団以外を目指していた者なら話は別だが。

 教官1「後日配属兵科を問う。本日はこれにて第104期訓練兵団解散式
     を終える。以上!」

 厳かな教官の声が拡散し、彼らはこの場を後にする。

 この後は最後の晩餐ならぬ食事会が催されている。

 そこではいつもよりは豪華な食事と飲み物が支給され、いつもは
 制限されていたが今日だけは盛大に楽しむことが許されていた。

 ・・・おそらく、最後の無礼講というやつだろう。

 日頃の鬱憤を晴らすとばかりにサシャやコニーは駆け足で
 その食事会が行われる場所へと向かっていた。

 そんな中、アホ毛が生えた少年と少女のような少年は、あることをしようと
 その場を立ち去ろうとしたが・・・。

 ミカサ「・・・ハチマン、ヒョウ。」

 ハチマン、ヒョウ「「」」ギギギ

 ミカサ「・・・なぜ、成績上位に入っていないの・・・?」ゴゴゴ・・・

 ハチマン「」ガタガタ

 ヒョウ「・・・じ、実は、半年前に見せたコンビ技とかの練習や
     クリスタ達との自主鍛錬で寝不足で、どうやら内申点が
     低かったみたいなんだよ。」

 ハチマン「!・・・そ、そうそう。しかも、最近は、ずっとミカサと
      コンビ技の練習をしていただろ?
      それで、結構内申点が下がっていて、他の得点は高かったんだが、
      主に内申点が低くて、44位ぐらいだったんだ。」

 ヒョウ「俺は、53位だった。」

 ミカサ「・・・そう、怒ったりしてごめんなさい・・・。」

 ハチマン「別にいいんだ。な?」

 ヒョウ「そ、そうそう。」

 ミカサ「・・・ほんとう?」

 ハチマン、ヒョウ「「」」ウンウン

 ミカサ「・・・よかった・・・。」

 エレン「!おーい!何やってるんだ?速く行こうぜ。」

 エレンに呼ばれ、そちらを向くと、エレンとアルミンが、俺たちを
 呼んでいた。

 3人「「「!ああ。(うん。)」」

 ---

 俺たちが食事会の場所に行く頃にはもう、既に食事会が始まっており
 ほとんどの訓練兵が食事をとっていた。

 コニー「やった!これで俺も憲兵団だぁー!」

 サシャ「もう食べ物に困りませんねぇ!!」

 訓練兵の標準的な飲み物、一般的に水と総称して呼ばれているが
 味覚的にはお茶に近いドリンクが入った木製のジョッキを片手に乾杯する者。
 久しぶりに味の濃いスープを堪能する者。様々な楽しみ方をしている一方で、
 将来のことについて話す人もいた。

 その中で一際目立つ固まりがある。

 主席のミカサを筆頭に成績上位10名に入ったエレンや座学トップのアルミンと
 いった有名どころが揃った集団だ。

 彼らは壁の端の方で固まり、皆とは対照的に深刻な表情をしていた。

 またエレンらと同じく成績上位10位に入ったジャン・キルシュタインは
 酔ってもいないにも関わらず頬を紅潮させながら興奮した様子だった。

 ジャン「よし!俺には守れるだけの力がある!」

 訓練兵1「いいよなお前らは、10番以内に入れてよ。憲兵団に入るんだろ?」

 ジャン「・・・どうだろうな。憲兵団に入ろうと思ってはいるが・・・。」

 ジャンは同期の10番以内から洩れた訓練兵から羨望の眼差しと妬ましさが
 含まれた言葉をかけられるも、何か少し思いつめたような声で返す。
 ジャンの横に座るジャンの盟友のマルコもジャンに同意する。

 マルコ「僕も憲兵団に入るよ。王の近くで仕事ができるなんて・・・。
     こんな光栄なことは無い。」

 ジャン「!・・・そうか。お前は、そういうやつだな。」

 マルコ「?・・・どうしたんだ?ジャン。」

 マルコは、今日のジャンがいつものジャンと違うと感じた。

 今日のジャンの様子は、昨日までのジャンと違い、何か思い悩んでいる、
 そんな風に見えるのだ。

 マルコは、自身の親友が、何に悩んでいるのか気になり、意を決して、
 ジャンに尋ねた。

 ジャン「・・・マルコ。・・・俺は、調査兵団に、入るべき、なのか・・・?」

 マルコ「!?」

 ジャン「・・・マルコ。3年前の入団式の時、俺がヒョウとハチマンに
     言われたこと、覚えているか?」

 マルコ「・・・うん。」

 ジャン「俺は、あの人に『大切なものを守れるか?』って聞かれた。
     俺は、最前線のトロスト区で生まれ、育ってきた。
     ・・・その故郷を、俺は捨てられるのか。
     それをずっと、この3年間、考えてきた。
     でも、俺はそれに答えられないんだ・・・。
     ・・・大切なものを守りたい。自分の育ってきた故郷を守りたい。
     そう思うが、それをするために、俺は調査兵団に入る方がいいのか、
     憲兵団に入る方がいいのか、分からないんだ・・・。」

 マルコ「・・・。」

 ジャン「もし、今日、成績上位じゃなかったら、調査兵団に入ろうと思っていた。
     だが、俺は、上位10名中の6位。見事に成績上位だ。
     ・・・俺にはそれだけの力があるってことだろうが・・・。
     ・・・素直に喜べねぇ自分がいるんだ。」

 ジャン「生きてる限り、必ず選択しなくちゃいけない時が来るのは分かってた。
     だが、こうも選ぶ選択肢が未来に関わってくるとなると、
     なかなか選べねぇよ・・・。
     ・・・なぁ、マルコ。俺は、どうするべきだと思う?」

 マルコ「・・・僕には、その答えを与えることはできない。でも、言える事はある。
     ジャンは、強い人ではないから弱い人の気持ちがよく理解できる。
     それでいて現状を正しく認識することに長けているから今、
     何をすべきかが明確にわかると思う。
     ・・・このことを頭に入れて、もう一度考えてほしい。
     自分が何をすべきか。自分に何ができるか。」

 ジャン「・・・そうか。・・・相談に乗ってくれて、ありがとうな。マルコ。」

 マルコ「ううん。別にいいよ。」

 ジャンはそう言って、寮に戻っていった。

 訓練兵たち「「「「「・・・。」」」」」

 ハチマン「・・・ヒョウの名前が出てくるのは分かるけど、
      なんで俺の名前も出てきたんだ?」

 アルミン「あはは・・・。」

 ヒョウ「・・・彼も悩んでるんだなぁ・・・。」

 エレン「いや、悩ませた本人が何言ってるんだよ・・・。」

 ミカサ「それより、早く食べよう。」

 エレン「おう。」

 アニ「隣、いいかい?」

 ハチマン「?アニか。いいが、珍しいな。」

 アニ「まぁ、たまにはね。」

 ミカサ「!・・・なんでアニがここにいるの・・・?」

 アニ「何?いちゃ悪い?」

 ミカサ、アニ「」ゴゴゴ・・・

 ハチマン「ちょ、まてまて、落ち着け。」

 ヒョウ「・・・。」モグモグ

 ハチマン「ちょ、ヒョウ!手伝ってくれ!」

 ヒョウ「・・・はぁ。お二人さん。」

 ミカサ「・・・何?ヒョウ。」

 アニ「今ちょっと忙しいんだけど。」

 ヒョウ「少し落ち着きな。ハチマンにかまってもらえないぞ。」

 ハチマン「!?」

 ミカサ、アニ「「!」」

 クリスタ「!」

 ハチマン「いや!ちょ、ヒョウ!どういうことd「「「ハチマン。」」」

 ミカサ「かまって。」

 ハチマン「へ?」

 アニ「かまってくれるんでしょ?」

 ハチマン「え?」

 クリスタ「わたしにもして!」

 ハチマン「えぇ・・・。」

 ヒョウのせいで、美少女3人にかまってと迫られるカオスな状況になり、
 全員の頭をなでるまで、迫られ続けられた。

 ヒョウ(彼らは、まだ知らないのだろう。)

 ヒョウは、ハチマンやハチマンに迫っている3人を見ながら、少し悲しそうに
 その様子を見ていた。

 ヒョウ(明日、この日常が壊れるなんて。)

 
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