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新オズのカボチャ頭のジャック

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第四幕その九

「そうだね」
「そうです、ですから今もです」
「和菓子をだね」
「召し上がられます、そして私達もです」
「食べるんだね」
「ご相伴に預かります」
 そうするというのです。
「これから」
「そうだね」
「はい、楽しみです」
「そうだね、ではね」
「皆さんも召し上がって下さい」
 こう言うのでした。
「それが出来ない方々は雰囲気を楽しまれて下さい」
「うん、ただ貴方は誰かな」
 ガンプはその人の言葉に頷きながらそうして言いました。
「一体」
「森蘭丸といいます」
 ガンプに率直に答えました。
「こちらでも殿にお仕えしています」
「森さんっていうんだ」
「はい、以後お見知りおきを」
「僕はガンプ、宜しくね」
「いや、お主達のことは皆知っておるぞ」
 信長さんが明るく笑って言ってきました。
「もうな」
「そうなんだ」
「お主達はオズの国の名士達であるからな」
 それ故にというのです。
「もうじゃ」
「皆知っているんだ」
「うむ、この城におる誰もがな」
「そうだったんだね」
「それでじゃ」
 信長さんはさらに言いました。
「オズマ姫にもな」
「私にもなのね」
「存分に召し上がってもらいたい、当然おかわりもあるからのう」  
 そちらもというのです。
「存分にな」
「それではね」
「うむ、楽しんでもらおう」
 笑顔で言ってでした。
 信長さんはお茶を飲んでです。
 和菓子も食べます、和菓子は淡い青や桃色それに白で、です。
 餡子や小麦の柔らかい生地それに葛や小豆が使われていてです。
 上品な甘さです、オズマはその和菓子達を食べてにこりとなりました。
「これはね」
「美味いであろう」
「ええ、凄くね」
「いや、いつもこうしたものを食ってじゃ」
 信長さんも楽しく食べて言います。
「わしは楽しんでおるのじゃ」
「この安土城で」
「そうしておる」
「家臣の人達と皆で」
「そして普段の食事はな」
 そちらはといいますと。
「八丁味噌でな」
「赤いお味噌ね」
「そして海老に鶏にな」 
 こうしたものにというのです。
「きし麺等をじゃ」
「食べているのね」
「名古屋のものをな」
「外の世界で言う」
「わしはそこの生まれであるからのう」
 だからだというのです。
「そうしたものが大好きじゃ」
「それで殿は焼き味噌がお好きで」
 秀吉さんが言ってきました。 
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