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星河の覇皇

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第八十三部第四章 戦線崩壊その九

「いいな」
「承知しています」
「警戒の念は持っています」
「全方位に対して」
「何時何処から魚雷が来ても」
「それでもだな、若し魚雷が出れば」 
 その時はというのだ。
「ビームを放ってだ」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「我々は」
「オムダーマン軍の魚雷を防ぐのですね」
「そうするのだ」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 ティムール軍は前方のオムダーマン軍だけでなく他の方向の謎の攻撃にも警戒していた、その彼等を見つつ。
 アッディーンは報告を待っていた、そしてその報告を聞いてだった。
 すぐにだ、彼は指示を出した。
「よし、魚雷攻撃だ」
「そちらにですね」
「移るのだ、敵艦隊も敵の防衛施設も基地も攻撃し」
 そうしてというのだ。
「その直後に移動し」
「そうしてですね」
「次の攻撃予定ポイントに移動してだ」
 そのうえでというのだ。
「再び攻撃を仕掛ける、そうしてだ」
「敵軍を混乱に陥れるのですね」
「そうだ、そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「敵を混乱させる、そのうえでだ」
「敵の動きを見て」
「既に考えている」
 アッディーンは強い声で述べた。
「私はな」
「では」
「今から魚雷攻撃だ」
「了解しました」
 モニターにいる将官は敬礼して応えた、そうして。
 ティムール軍の後方そして側方から魚雷が一斉に放たれた、アブーもフラームもその魚雷達を見てだった。
 そうしてだ、すぐに指示を下した。
「ビーム攻撃だ!」
「ビームを敵魚雷に放て!」
「ビームで弾幕を張れ!」
「そうして敵魚雷を落とせ!」
 そうしろと命じてだった。
 実際にティムール軍は魚雷に対してビーム攻撃を放った、それによって多くの魚雷を落として自分達を守ったが。
 全てを落とせずだ、それでもだった。
「戦艦アクバル大破!」
「巡洋艦チグリス撃沈!」
「要塞も攻撃を受けました!」
「コロニーレーザーも幾つかやられました!」
「無傷という訳にはいかないか」
 フラームは自身が直接率いる艦隊の状況を聞いて歯噛みした。
「流石に」
「残念ですが」
「敵の魚雷はかなり落としましたが」
「それでもです」
「流石に全てとはいかず」
「損害は出ています」
「我が艦隊にもな、全体の損害はどれだけだ」
 フラームは周りに問うた。
「一体」
「全体の一パーセントもありません」
「〇・一パーセント程です」
「それ位です」
「幸いにして」
「そうか、だがだ」
 それでもとだ、フラームは話した。 
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