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仮面ライダークウガ サムズアップ=アゲイン

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第三章

「なら今から」
「はい、貴方だけではありませんから」
「俺だけじゃない」
「そうです」
 青年はまた語った。
「貴方だけではないのです。戦うべき戦士は」
「じゃあ一条さんも」
「はい、彼もまた」
「けれどあの人だけじゃないのよ」
「というと」
 今度は女に対して顔を向けた。見れば思わせぶりに笑っている。
「いい?」
「ええ」
 女は五代の返事を受けてからまた語りはじめた。それは彼にとっては驚くべきことであった。
「戦う人は貴方と一条さんだけじゃないの。変身する人もね」
「俺以外にも」
「そういうこと。一杯いるから」
「敵は強大です。グロンギよりも」
「グロンギよりも」
 五代はその言葉に唾を飲み込んだ。かつて幾度も死闘を繰り返した彼等以上というのが信じられなかったからだ。
 だが嘘を言っているとも思えなかった。女の口調は軽いものであったがそれでも嘘は感じられなかったのだ。それは五代の勘ではすぐにわかるものであった。
「そうよ。すっごく強いから」
「おそらく貴方は幾度も危機に陥るでしょう」
 青年もそれを言う。
「ですが貴方でなければ駄目なのです。だからこそ」
「俺でなければ」
「そうです。だからこそ再びクウガの力を」
「わかりました」
 そこまで聞いて遂に笑顔になった。
「俺はまた戦います。皆の笑顔を守る為に」
「そうですね。皆の笑顔を守る為に」
「頑張ってね」
「ええ!」
 サムズアップをした。青年も女も。こうして五代はまた戦いに赴く決意を固め日本へ戻ったのであった。

 一条は東京へ戻っていた。そこにはかつてのスタッフ達もいてまずは彼等との再会を楽しんだ。
「戻って来たんですね、一条さん」
 ポレポレに行くと五代の妹である五代みのりがいた。他の皆も。
「何かこの前会ったばかりみたいですよ」
「そうだな」
 一条は亀山に顔を向けて笑った。懐かしい顔触れがそこに集まっていた。
「何かここに来たのが昨日みたいだ。本当に」
「そういえば一条さん」
 みのりが彼に声をかけてきた。
「どうしたんだい?」
「お兄ちゃんから連絡がありました」
「あいつからかい」
「はい。何でも日本に戻るそうで」
「そうか」
 その言葉を聞いた一条の目が光った。強い光になっていた。
「やっぱりな」
「?何かあるのかい?」
 それを聞いた椿が彼に問うてきた。
「いや、戻って来ると思っていたから」
 彼はこう答えた。そしてまた言う。
「また戦いになる」
「ああ」
 おやっさんがそれに応えた。
「だろうな。御前さんが戻って来たのとあいつが戻るって話を聞いてそう思ったよ」
「そうですか」
「グロンギはもういなくなったがな」
「ええ」
「また新たな敵か。どうしてこう」
 感情を入り混ぜた声を述べてから彼に顔を戻した。 
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