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星河の覇皇

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第八十三部第三章 今だ目覚めずその七十五

「想像も出来ない」
「ですね、イタリアのデザートはどれも素晴らしいです」
「タルトもジェラートもな」
「しかし」
「それでもだな」
「ケーキがないと」
「ドイツ人ならな」
 どうしてもというのだ。
「何も出来はしない」
「全くですね」
「昔はソーセージ、ビールと並んでだ」
「痛風の元凶でしたね」
「今でこそ食材の進歩でその不安はなくなったがな」 
 ケーキもそうなったのだ、特に生クリームがそうなって。
「かつてはそうだった」
「痛風はドイツ人の国民病でした」
「長い間な」
「私はなったことはないですが」
「私もだ、だが聞くところによるとな」
 今も痛風になる者はいるのだ、それはエウロパだけでなく連合もだ。やはり食生活次第でどの時代でもなるものなのだ。
「激痛らしいな」
「足の親指の付け根ですね」
「そこが万力で締め付けられた様にな」
「痛むそうですね」
「その病気がだ」
「ドイツでは長くでしたね」
「国民病でな」 
 このことは歴史にある通りである。
「問題だった」
「そうでしたね」
「ビールが主な原因だが」
「ソーセージにケーキもでしたね」
「そうだった、私もビールは好きだ」 
 その痛風の一番の原因もというのだ。
「しかし痛風になる気はな」
「ないですね」
「痛風の痛みは我慢出来ないというな」
「そこまでの激痛だとか」
「それこそ歩くことすら出来ない」
「それではですね」
「軍務なぞだ」
 とてもというのだ。
「出来はしないからな」
「だからですね」
「私は絶対にならない、痛風だけではないがな」
「病気はですね」
「ならない様にしている」
 即ち健康管理には気をつけているというのだ。
「万全の体調であってこそだ」
「万全に戦えますね」
「まして我々の敵は巨大だ」
「連合軍は」
「数と装備は巨大でだ」
 それでというのだ。
「後方も整っている」
「その連合と対するには」
「将兵一人一人が万全でなければならない」
「訓練、規律にですね」
「健康もだ」
 この要素もというのだ。
「必要だ」
「まさに全てが備わってこそですね」
「あの国と戦える」
「だからこそですね」
「私も気をつけている」
 健康、まさにこのことにというのだ。
「痛風についてもな」
「左様ですね」
「昔はドイツの国民病であり貴族はな」
 即ち上流階級にいる者はだ。
「よくだ」
「痛風になる人がいましたね」
「ビクトリア女王も苦しんだという」
 イギリスの黄金時代であったこの女王もだった、実は後継者で出来が悪かったエドワード七世の方がリベラルだったという。 
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