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夢幻水滸伝

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第二百九十話 血脈の様に流れてその二

「ええのう」
「はい、また出陣ですね」
「そうしますね」
「チャールストンに向けて」
「そうしますね」
「そうするんじゃ」
 こう言ってそうしてだった。
 碧は鉄道も最大限に使いそのうえで物資も人員もメルヴィル達の本拠地から補給させた。それはかなり迅速であり。
 チャールストンにいるメアリーはその報を聞いて言った。
「ああ、もうこれはすぐにな」
「こっちに来ますか」
「このチャールストンに」
「そうしてきますか」
「ああ、アメリカはこの世界でも繁栄していてな」 
 将兵達に苦い顔で話した。
「鉄道もですね」
「発達していますね」
「それで存分に使えますね」
「そうですね」
「それは私等だけやなくてな」 
 さらにというのだ。
「敵もや」
「同じですね」
「メルヴィル様達にしても」
「こちらは国木田様達は率いておられますが」
「やはり戦いに使われていますね」
「こちらにとって便利なもんは敵にとってもや」
 同じだというのだ。
「実際私等も撤退にも進撃にも使ってるな」
「そして補給にも」
「チャールストンへの撤退でもでした」
「ここに退くにもかなり助けてもらいました」
「鉄道には」
「それを使ってる、しかも国木田さん達日本人や」
 メアリーはこのことも話した。
「日本人は鉄道大好きでや」
「好きなら用いるのも得意」
「そういうことですね」
「好きこそものの上手なれといいますが」
「その論理で、ですね」
「マニアもよおおさんおる」
 日本人にはというのだ。
「鉄道マニア、鉄ちゃんって言うんや」
「そうですか、マニアですか」
「鉄道の」
「そんな人達までいるんですか」
「私等が起きた世界でもな、私の学校なんか鉄道部もあってな」
 その鉄道マニアの部活である。
「それで鉄道博物館もある」
「そうですか」
「そんなものもありますか」
「メアリー様の学校には」
「学園経営しているグループは鉄道もやってるしな」
 このことも話した。
「鉄道とくれば日本人や」
「国木田様達は専門ではないそうですが」
「それでもですね」
「もう鉄道なら日本人」
「そういうことですか」
「そうかもな、兎に角鉄道も使われて」
 そうしてというのだ。
「向こうは極めて順調にや」
「進撃準備を進めていますね」
「このチャールストンに向けて」
「左様ですね」
「元々あっちが優勢なところにな」
 それに加えてというのだ。
「国木田さん達まで来て」
「敵はかなり強いですね」
「そのことは否定出来ませんね」
「どうしても」
「ああ、しかしこっちもこっちでな」
 メアリーは強い声で述べた。 
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